2010年9月30日木曜日

言語コミュニケーション力論と英語授業(2010年度版)

学部三年生用の授業「「言語コミュニケーション力論と英語授業」のためのファイル・リンク集を公開します。授業ではこれらの理論編を終えた後、各種DVDなどで授業の観察をします。

ダウンロードする資料は、引用が多いため、公開すると著作権法に触れますから、授業を受けた人にだけパスワードを教えます。パスワードは授業の受講者以外には教えないでください。(えっ、パスワードを忘れた?あなたは先週どこにいましたか?--大文字小文字に注意して!)


授業のイントロダクション

言語コミュニケーション力論の構想

2009年度の学生さんのレポートから(言語コミュニケーション力論とCritical Applied Linguisticsについて)


第一回:チョムスキーとウィトゲンシュタイン

PDFファイルのダウンロードはここ(パスワード必要)
参考文献
Chomsky, N. 1965. Aspects of the theory of syntax. Cambridge, Massachusetts: The MIT Press (第一章のセクション1,2,8のみ)
Wittgenstein, L. 2002. Philosophical investigations. Oxford: Blackwell
「文法をカラダで覚える」とは何か
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2009/09/blog-post_4664.html
鬼界彰夫(2003)『ウィトゲンシュタインはこう考えた-哲学的思考の全軌跡1912~1951』講談社現代新書
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/10/2003-1912-1951.html
「四技能」について、下手にでなく、ウィトゲンシュタイン的に丁寧に考えてみると・・・
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/11/blog-post.html


第二回:ハイムズ、カナルとスウェイン
参考文献
Hymes, D. 1972. On Communicative Competence. In J. Pride and J. Holmes (eds.), Sociolinguistics: Selected readings (pp. 269-93). Harmondsworth: Penguin.
Canale, M. and Swain. M. 1980. "Theoretical bases of communicative approaches to second language teaching and testing." Applied Linguistics, 1 (1): 1-47.(セクション1と3のみ)
Canale, M. 1983. From communicative competence to communicative language pedagogy. In J. C. Richards and R. W. Schmidt (eds.), Language and Communication (pp. 2-27).  London: Longman.


第三回:ウィドウソンとバックマン
バックマンとパーマーの2010年に関する記事は
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/11/bachman-and-palmer-2010-describing.html
参考文献
Widdowson, H. G. 1983. Learning purpose and language use. Oxford: Oxford University Press.(第1章のみ)
Bachman, L. F. 1990. Fundamental considerations in language testing. Oxford: Oxford University Press.(第4章のみ)
Bachman, L. F. and Palmer, A. S. 1996. Language testing in practice. Oxford: Oxford University Press.(第4章のみ)
Bachman, L.f. and Palmer, A.S. 2010. Language Assessment in Practice. Oxford: Oxford University Press. (第3章のみ)


第四回:デイヴィドソン

http://ha2.seikyou.ne.jp/home/yanase/essay01.htmlの「コミュニケーションという革新」と「コミュニケーションの極から考える」という記事を読んで下さい。

続いて次の二つの論文(草稿)を読んで下さい。

ブログ記事「二項対立の間でデイヴィドソンを考える」も読んでください。

そしてこのファイル(学位論文の一部)(パスワード必要)を読んで下さい。

参考文献(Donald Davidsonが書いた論文)
1973, ‘Radical Interpretation’, Dialectica, 27, reprinted in Davidson, 2001b.
1986, ‘A Nice Derangement of Epitaphs’, in LePore (ed.), 1986, reprinted in Davidson, 2005a.
2001b, Inquiries into Truth and Interpretation, Oxford: Clarendon Press, 2nd edn.
2005a, Truth, Language and History: Philosophical Essays, with Introduction by Marcia Cavell, Oxford: Clarendon Press.


第五回:内田樹、片山洋次郎

以下を読んでください。
内田樹関係資料のダウンロードはここ(パスワード必要)
片山洋次郎関係資料のダウンロードはここ(パスワード必要)
言語使用の倫理?
正義が「呪い」に転ずるとき ―あるいはネット上での発言についての注意―
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/09/blog-post_30.html
内田樹『街場のメディア論』光文社
近藤真(2010)『中学生のことばの授業』太郎次郎社
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/09/2010_20.html

参考文献
内田樹・名越康文 (2005) 『14歳の子を持つ親たちへ』新潮新書
内田樹(2004)『死と身体 コミュニケーションの磁場』医学書院
内田樹(2004)『他者と死者 ラカンによるレヴィナス』海鳥社
内田樹・三砂ちづる(2006)『身体知』バジリコ
内田樹『先生はえらい』(2005)ちくまプリマー新書
片山洋次郎 (1989/2006) 『整体から見る気と身体』ちくま文庫
片山洋次郎 (1994/2007) 『整体。共鳴から始まる』ちくま文庫
片山洋次郎 (2001) 『整体 楽になる技術』ちくま新書
片山洋次郎 (2007) 『身体にきく』文藝春秋



第六回:異文化間コミュニケーションとしての翻訳

○必ず予習で読んでおくべき記事
伊藤和夫『予備校の英語』研究社
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/08/1997.html
文法・機能構造に関する日英語比較のための基礎的ノート ―「は」の文法的・機能的転移を中心に
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/06/blog-post_29.html
純粋な「英語教育」って何のこと? 複合的な言語能力観
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/08/blog-post_7354.html
翻訳教育の部分的導入について
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/08/blog-post_26.html
水村美苗『日本語が亡びるとき ―英語の世紀の中で』筑摩書房
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/08/2008_16.html
藤本一勇『外国語学』岩波書店
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/08/2009_18.html
イ・ヨンスク『「国語」という思想』岩波書店
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/08/1996.html
イ・ヨンスク『「ことば」という幻影』明石書店
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/09/2009.html
橋本治『言文一致体の誕生』朝日新聞出版
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/09/2010.html
安田敏郎『「国語」の近代史』中公新書
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/09/2006.html

○できれば読んでほしい記事
After Babel
ジェレミー・マンディ『翻訳学入門』
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/08/2009.html
山岡洋一先生の翻訳論
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/06/blog-post_9410.html
山口仲美『日本語の歴史』岩波新書
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/08/2006.html
福島直恭『書記言語としての「日本語」の誕生』笠間書院
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/08/2008.html
Googleが変える検索文化と翻訳文化
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/05/google.html

○参考スライド
ポスト近代日本の英語教育―両方向の「翻訳」と英語の「知識言語」化について
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/08/blog-post_20.html



第七回:アレント

パワーポイントスライドのダウンロードはここ(このファイルはパスワード不要です)
それから
http://ha2.seikyou.ne.jp/home/yanase/zenkoku2004.html#050418
および
このブログ記事「人間らしい生活--英語学習の使用と喜び」
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2008/10/blog-post_31.html
も読んで下さい。
アレント哲学の枠組みの中での「芸術」の位置づけに関しては、このエクセルファイルの概念図をご覧下さい(パスワード不要)。

関連して、バトラーに関する次の二つの記事も読んで下さい。
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2008/11/2008.html
ついでに「当事者が語るということ」もどうぞ
さらに「現代社会における英語教育の人間形成について―社会哲学的考察」を読んでください。
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2009/05/pdf.html



第八回: 言語コミュニケーション力の三次元的理解

まずこのファイルをダウンロードしてください(パスワードが必要です)
次にhttp://ha2.seikyou.ne.jp/home/yanase/ThreeDimentional.htmlの論文を読んで下さい。
中学三年生への講演で使ったパワーポイントスライドのダウンロードはこちらから(パスワードは不要です)
「補遺」もダウンロードしてください(パスワードは不要です)
言語コミュニケーション力論の構想」も参照してください。



第九回:ルーマン

■印のパワーポイントスライドを「とりあえず眺めて」、★印のホームページ記事を「完全にわからなくてもいいから、とりあえず読んで」みてください。授業でできるだけ解説しますから、わからなくても心配しないでください(ただ必ず一度は目を通してください)。

▲印の記事は読んでわかりますし、卒論を書くときなど必要になりますから、とりあえず読んでください。

その他の記事は参考程度に読んでください。



★日本語解説としてhttp://ha2.seikyou.ne.jp/home/yanase/Luhmann.htmlを読んで下さい。

▲この「社会的展開」の観点から私がやっている一つの試みとしての「理系に学ぼう」の連載は
でやっています。

・その他の参考記事
ルーマンの「システム」に関する分類図はここからダウンロード(パスワードは不要です)。
なぜ書くことが人の知性を発展させるのか
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/09/blog-post_14.html
ルーマンのメディア論から考える日本の英語教育
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/05/blog-post_184.html
ルーマン『社会の社会 1』法政大学出版局
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/06/n-2009-1.html
ルーマン『社会の社会 2』法政大学出版局
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/06/n-2009-2.html
ルーマン『社会理論入門 ニクラス・ルーマン講義録2』新泉社
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/09/20092.html
メディア論と社会分化論から考える言語コミュニケーションの多元性と複合性



第十回:言語獲得訓練における「意識」


インタビュー研究における技能と言語の関係について
意識の再編成と原理の体得
「意識の神経科学と言語のメディア論に基づく教師ナラティブに関する原理的考察」(HTML版)
参考:尹雄大(ユン・ウンデ)著『FLOW──韓氏意拳の哲学』冬弓舎



■追記: S(秀)判定について

正義が「呪い」に転ずるとき ―あるいはネット上での発言についての注意―




この記事は「英語教師のコンピュータ入門」で使う資料の一つとして書いたものです。

内田樹先生の『邪悪なものの鎮め方』(2010年 バジリコ株式会社)と『現代人の祈り―呪いと祝い』(2010年 釈徹宗先生、名越康文先生との共著 株式会社サンガ)には、特にネット上で邪悪なことばを発することが、いかに他人だけでなく自分自身を損なうかについての優れた考察がありますのでここで紹介します。なお内田先生はご自身の著作物を引用されることに関しては非常に寛大な方針をとっておられますので、ここでは他の記事よりも引用を多く使いながら紹介します。


まずは『邪悪なものの鎮め方』から。

内田先生は最初に「正義」の凶々しさを説きます。


これまでも繰り返し書いているように、正義を一気に全社会的に実現しようとする運動は必ず粛清か強制収容所かその両方を採用するようになる。歴史はこの教訓に今のところ一つも例外がないことを教えている。(18ページ)


「邪悪なことば」とは実は「正義」へのあまりに未熟な衝動に由来しているのではないかというのが、内田先生の見立て(少なくとも私が内田先生の文章から読み取ったこと)です。

内田先生はさらにカミュのことばを引用します。


私は哲学者ではありません。私は理性もシステムも十分には信じてはいません。私が知りたいのはどうふるまうべきかです。より厳密に言えば、神も理性も信じないでなお、どのようにふるまい得るかを知りたいのです。(20ページ)


もとより正義を求める心を失ってはいけません。しかしその正義を求める心がしばしば「理性」や「神」の名のもとに暴走してしまうとしたら、私たちはどうすればいいのか。どう「ふるまえば」いいのか―内田先生はこの問題を日常の立ち居ふるまいの問題として考えようとします。

そこで邪悪なことばについてです。内田先生は邪悪なことばとしての「呪い」についてこう書きます。


私たちの時代に瀰漫している「批評的言説」のほとんどが、「呪い」の語法で語られていることに、当の発話者自身が気づいていない。
「呪い」というのは「他人がその権威や財力や威信や声望を失うことを、みずからの喜びとすること」である。(81ページ)


実は「呪い」である「批評的言説」を発する人が、それを発し続け、かつそれが「呪い」であることに気づいていないのは、その人が「居着いて」いるからだと内田先生は説きます。「居着く」とは「こだわる」ことです。


「こだわる」というのは文字通り「居着く」ことである。「プライドを持つ」というのも、「理想我」に居着くことである。「被害者意識を持つ」というのは、「弱者である私」に居着くことである。(90)


「居着く」ことの恐ろしさは、自己修正・自己変革ができなくなることです。周りの状況からすれば明らかに自らを変えてゆかねばならないのにそれができなくなることです。


人をして居着かせることのできる説明というのは、実は非常によくできた説明なのである。あちこち論理的破綻があるような説明に人はおいそれと居着くことができない。居心地がいいから居着くのである。自分の現況を説明する当の言葉に本人もしっかりうなずいて「なるほど、まさに私の現状はこのとおりなのである」と納得できなければ、人は居着かない。
そして一度、自分の採用した説明に居着いてしまうと、もうその人はそのあと、何らかの行動を起こして自分で現況を改善するということができなくなる。(90ページ)


人の世が人間で構成されている以上、人々の間での批判や批評は不可欠です。それがなくなった時に社会は暴走します。しかしその批判や批評が、実は、自分が「かくありたい」と思いながらそうなれない「理想我」へのこだわりや、「自分はまったく悪くない」と思い込みたいがゆえの「被害者意識」からもっぱら生じているものだとしたら、それは警戒すべきです。なぜならそういった「批判」や「批評」は、その根源的な思いの一面性ゆえに他者への有効な批判や批評とはならず、当人の過度の自己愛的状況を助長するがゆえに自分自身の可能性をつぶしてしまうからです。

自分があまりに舌鋒鋭くある対象を攻撃し、自分の論が正しいことや自分が全面的な被害者であることに毫も疑いが抱けない時、あるいは自分が自分の正しさに酔ってしまいそうな時、私たちはそのことばが「自分自身にかけた呪い」(92ページ)ではないのかと自問するべきでしょう。

繰り返しますが、批判や批評を一切してはならないというのではありません。批判や批評抜きに民主主義も科学も、いやまともな社会も共同体もありえません。ただ自分が批判や批評と思っている言説の正しさを自分が少しも疑うことができなくなっているなら、それは自分が何かに居着いてしまっているのではないか、それは実は「呪い」のことばになっているか、自己吟味し、そうだとしたらそれを止めるべきだ、ということなのです。

「呪い」は他人を害し自らを損ねます。批判や批評は正義を求めながらも邪悪なものになりえます。そして批判や批評が邪悪なものになったときにはたとえ自己利益しか考えないとしてもそれを自制すべきです。なぜならそれは「自分自身にかけた呪い」だからです。

ではその「呪い」をどうやって解くか。「理性」や「神」を引用(というより濫用)しての解除はよけい問題を悪化させそうです。ここで内田先生は、立ち居ふるまいレベルの行動規範あるいはマナーといってもいい日常的なことを「道徳律」として説きます。


道徳律というのはわかりやすいものでもある。
それは世の中が「自分のような人間」ばかりであっても、愉快に暮らしていけるような人間になるということに尽くされる。それが自分に祝福を贈るということである。
世の中が「自分のような人間」ばかりであったらたいへん住みにくくなるというタイプの人間は自分自身に呪いをかけているのである。
この世にはさまざまな種類の呪いがあるけれど、自分で自分にかけた呪いは誰にも解除することができない。
そのことを私たちは忘れがちなので、ここに大書するのである。(150ページ)


しかしこのように「批判」や「批評」が暴走する可能性を説くことは、日本では逆効果であるのではないかと思われる方もいらっしゃるかもしれません。日本では身内で「なあなあ」と波風を立てないことを是としてるうちに、その「身内」からはじき出された人をひどく抑圧していることがよくあるからです。また「身内」に閉じこもり他人からの批判や批評に一切耳を貸さないでいるうちに、その「身内」が世界にまったく対応できないようになってしまうかもしれないからです。

この点はもっともだと思います。現代日本の課題の一つは批判や批評の健全な言論空間を創り上げ成熟させることだといえるでしょう。

しかしネットという新しい空間は危険だということを内田先生は、『現代人の祈り―呪いと祝い』で述べています。


ネット上に氾濫している攻撃的な言説のほとんどは僕の目には「呪い」に見えます。言葉によって、その言葉を向けられた人々の自由を奪い、活力を損ない、生命力を減殺することを目的としているのであれば、その言葉はどれほど現代的な意匠をまとっていても、古代的な「呪詛」と機能は少しも変わらない。われわれは今深々の「呪いの時代」に踏み込んでいる。このことの恐ろしさにほとんどの人々はまだ気づいていない。(21ページ)



ネットの特徴は誰でも発言できることです。特に掲示板やコメント欄などでは実生活では考えられないぐらいにずかずかと入り込んで居座り続け延々と発言できます。実際の物理空間でのコミュニケーションなら、さすがに周りの反応に肌身レベルで気づくことができるでしょうが、ネットではそれを察知することもなく、自分の「正義」で武装した人はひたすらに他人を攻撃し、そして結局は自らを損ねてゆきます。これに気づきにくいところ―これがネットのこわいところです。


過剰な自尊感情とぱっとしない現実の乖離に苦しんでいる人達を、僕たちの社会は構造的に大量に生み出している。その一方で、匿名で世界に向けて発信できる安価で便利なテクノロジーは圧倒的に普及している。この二つの要素が組み合わさったことによって「呪い」の言説の培養地が出来上がっている。ある意味で、これほど「呪い」にとって有利な情報環境というのは、歴史上存在しなかったのではないかと思えるくらいに。(29ページ)



以上、内田樹先生の『邪悪なものの鎮め方』『現代人の祈り―呪いと祝い』をネット上での発言で注意すべきことという観点から私なりにまとめました。ですが、これら二冊はこういった観点からだけでなく広く読める本です。紙の本で議論の肌理をじっくりと味わう経験は、ネット上での断片的な情報摂取では得られません。興味をもたれた方はぜひこれらの本をお買いあげの上、手にとってお読みください。

私としては、内田先生のことばを引用することによって語ってきたこの「批評」が凶々しいものに転化する前に、ここらでこの文章を終えておきたいと思います。










Go to Questia Online Library


【個人的主張】私は便利な次のサービスがもっと普及することを願っています。Questia, OpenOffice.org, Evernote, Chrome, Gmail, DropBox, NoEditor

2010年9月29日水曜日

英語教師のためのコンピュータ入門 (2010年度)

以下は柳瀬の授業(「英語教師のためのコンピュータ入門」)の受講者のためのページです。授業の資料は著作権などに抵触しない限り、できるだけここに掲載します。資料の掲載はまだ不完全ですので、このページに徐々に追加してゆくこととします。




「コンピュータを学ぶ」から「コンピュータ学ぶ」へ
「英語を学ぶ」から「英語学ぶ」へ
そして「コンピュータと英語学ぶ」へ


Computer for Communication and Community


"The only person who is educated is the one who has learned how to learn and change."
Carl Rogers


"You are not bored. You are just boring."


***

2010年度
英語教師のためのコンピュータ入門

1年生: 水曜3-4限 K208教室
2年生: 火曜7-8限 K208教室
教室変更しています!
担当:柳瀬陽介
yosuke@hiroshima-u.ac.jp


■授業で使う主なホームページ

柳瀬ブログのこのページ(教材提示用)
ラベル「授業」に掲載




広島大学WebCT(コミュニケーション用)

情報メディア教育研究センターのページ右の「WebCT]アイコンをクリック


主に使うのはDiscussionsとAssignmentsです。



■この授業の目的

(1) 現代社会におけるコンピュータ文化の重要性を理解する

(2) コンピュータについて自分で学べるようになるための基礎知識と検索技術を習得する。

(3) ウェブ上の有益な英語情報を活用できるようになる。

(4) 統計量統計に関する基礎的理解に基づいてエクセルを使いこなせるようになる。

(5) パワーポイントや音声・画像関係のソフト等が使いこなせるようになる。

(6) タイピング技術に習熟する。



■助言

(1)コンピュータを怖れないでください。コンピュータはあなたを助ける道具なのですから。

(2) まずは基礎的な原理と構造を理解してください。あとは操作の中から手があなたに知恵を与えてくれます。

(3)うまく動かない時にはどうぞ焦らないで。パニックになったりイライラしないで、試行錯誤したり検索したり人に尋ねたりしてください。

(4)すべてを理解しようとしないでもいいです。使っているうちに、少しずつわかったり発見したりしてゆくものですから。「とりあえず使える」状態になればあとは雪だるま式に習熟できます。

(5)授業外でのコンピュータ使用を前提としています。授業時間だけのコンピュータ使用では習熟できませんから、空き時間を使ってどんどんコンピュータを使って慣れてください。

(6)でもどうしても慣れないなら使いやすい参考書を本屋で見つけて買ってください。私も何度も経験しましたが、自分に合った参考書は多くの時間を節約してくれます。2000円以下で多くの時間が買えるのですから、これはいい投資です。

(7)特に単純作業をやったりしているときは、自分の注意資源の数パーセントを常に「どうしたらこの作業をより効率的に行えるだろうか」という問いに向けてください。コンピュータには便利な小技がたくさん隠されています。右クリックはしばしば行い、「ツール」「オプション」などはどんどん変更して、あなたのコンピュータを"personal"なものにしてください。

(8)授業への要望などは積極的に知らせてください。お互いのコミュニケーションを密にすることでよい授業を創り上げてゆこうと思っています。


■評価

(1) 参加(出席、および振り返りのWebCT提出)⇒30%

(2) 英語課題(毎週一つ面白い英語記事を見つけ、その面白さを説明) ⇒30%

(3) 統計レポート (詳細は後日。締切は授業最終日) ⇒30%

(4) タイピングと検索技術のテスト⇒ 10%

(5) 任意課題。(5a)か(5b)のどちらか⇒AをSに、BをAに、CをBにする。ただしDをCにすることはしない。

(5a)本を読んで書評。本の読みどころを見出して、それを的確に説明する。6000字以上のもののみを受け付ける。

(5b)なにか知的に面白いことWeb活動を開始し、最低一ヶ月以上継続する。

詳しくは、S(秀)判定に関する下の記事を読んでください。



■テキスト

相沢裕介(2010)『統計処理に使うExcel2010活用法―データ分析に使えるExcel実践テクニック 』カットシステム(11月に大学生協に入荷)



■必要なもの

・学生証(K208教室でのコンピュータ使用のため)

・USBフラッシュメモリ(1G以上が適当)。ただしDropboxなどのオンラインストレージを使うなら不要。



■遅刻・欠席・参加に関する方針

・遅刻は認めません。最初の点呼の時にいなかったら欠席扱いにします。欠席3回以上で、評価を一段階下げます。欠席5回以上は単位認定をしないことを原則とします。やむを得ない理由があった場合は申し出てください。

・私語や居眠りなどは許しません。注意しても止めないようでしたら教室から出ていってもらいます。楽しい学習環境を保つために、最低限のケジメだけはつけます。

・今年度はカリキュラム変更の過渡期のため、1年生用の授業と2年生用の授業の両方を開講します。内容は同じですから、やむを得ず欠席した場合、違う学年の授業に出ることによって出席に代えることはできます。



■課題提出の仕方

WebCTシステムで提出します。振り返りと英語課題はDiscussions、統計レポートはAssignmentの機能を使います。詳しくは教室で指示します。



■授業内容

第1回 10/5火 10/6水

★最初に

・「ゆとり」学生諸君、目を覚ませ!
http://news.livedoor.com/article/detail/5033539/

・日本の学生の就職「超」氷河期は永久に続く
http://news.livedoor.com/article/detail/4997809/

・クローズアップ現代「奨学金が返せない」
http://blog.goo.ne.jp/posse_blog/e/53331dcfa486873ab62101d629fff229

・何が日本の若者を俯かせてしまうのか
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20100924/216349/?P=1

・大学院生から大学一年生へのアドバイス
http://news.livedoor.com/article/detail/5033462/




★Associate, Explore and Communicate!
http://www.box.net/shared/static/qjlcjs460r.ppt


★ウェブで英語を自学自習し、豊かな文化社会を創り上げよう!
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/05/blog-post_31.html


★梅田望夫・飯吉透(2010)『ウェブで学ぶ ―オープンエデュケーションと知の革命』ちくま新書
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/10/2010.html




★コンピュータを使うときの注意事項

・ファイル共有ソフトウェアは使用しない。著作権侵害は犯罪
参考:飢えて死にます――「黒執事」作者、ファンからの「海外動画サイトで見た」メールに苦言
・OSとソフトウェアの更新を忘れない。Windows Updateを確認せよ。
http://support.microsoft.com/kb/884100/ja

・ウィルス対策を必ず行う。広島大学ではウィルス対策ソフトを構成員に対して無償提供しています。(またOffice 2010も一人一セットダウンロードできます。二台目にもインストールしたいときは、Office 2003までの機能を実質上有している無料のOpenOffice (2010年9月よりLibreOffice)のダウンロードをお薦めします。もしくは廉価のKINGSOFTを購入してもいいでしょう。いずれにせよOffice 2007/2010を使う人はファイルの保存を97-2003形式で保存してください。ファイルは他の人が使いやすいように作成することが原則です。)。


パスワードはわかりにくいものにして、かつ定期的に変更する。

・匿名で変な書き込みをしない。悪意や邪気は必ず自分に戻ってきます。また匿名はいつかばれるものです。
参考記事:正義が「呪い」に転ずるとき ―あるいはネット上での発言についての注意―

・インターネットだけでしかコミュニケーションできないような事態は避ける
片田珠美(2010)『一億総ガキ社会 ―「成熟拒否」という病』光文社新書

★ネット資源を早速利用する。以下のどれか一つについて来週の授業が始まる前までに “review” (面白さを他人に説明する文章)をWebCTに書くこと。

Clay Shirky: How cognitive surplus will change the world
Amazon founder and CEO Jeff Bezos delivers graduation speech at Princeton University
http://yosukeyanase-video.blogspot.com/2010/07/amazon-founder-and-ceo-jeff-bezos.html




第2回 10/12火 10/13水

★現代のコンピュータ文化について学ぼう
・学部生・大学院生にお薦めのウェブサイト
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/04/blog-post.html

★Google Reader + Twitter + Evernote + Chromeの相乗効果が創り出す新しい知の生態系
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/10/google-reader-twitter-evernote-chrome.html


参考記事

情報収集ではなく情報凝縮に対価を払う

凝縮した知識を処理する英語力

なぜ書くことが人の知性を発展させるのか
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/09/blog-post_14.html



第3回 10/19火 10/20水

★Google検索について学ぼう

・安藤進(2007)『ちょっと検索!翻訳に役立つGoogle表現検索テクニック』丸善株式会社
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2007/09/google.html

・遠田和子(2009)『Google英文ライティング』講談社インターナショナル
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/04/2009google.html

・Google 検索の基本: 基本的な検索のヘルプ
http://www.google.co.jp/support/websearch/bin/answer.py?answer=134479

・Google 検索の基本: 便利な検索オプション
http://www.google.co.jp/support/websearch/bin/answer.py?hl=jp&answer=35890&rd=1

・Google 検索の基本: 検索をさらに便利に使うコツ
http://www.google.com/intl/ja/help/features.html

・Google 検索の基本: 検索の履歴と設定: 表示設定
http://www.google.com/support/websearch/bin/answer.py?hl=ja&answer=35892&rd=1



★Googleの他の サービスもチェックしよう

・Googleサービス一覧
・Gmail, Calender, ReaderはPCでもスマートフォンでも同期して使えるので非常に便利。

・Google accountを作っておくと、Gmail, Calender, Readerだけでなく、Document, Reader, Bloggerなども使える。

・Scholar, Books, Translate, YouTube, Alertなどは情報検索にとても便利(自動的に情報収集しようとするならなんといってもReader。もちろんTwitterも情報収集には便利)。

※ただしGoogleも単なる私企業に過ぎない。すでに莫大な力をもってしまったGoogleが暴走しないように私たちは常にGoogleに対して批判的な姿勢を崩さないようにしておく必要がある。

★覚えておくと操作が飛躍的に速くなる小技

・右クリックとショートカットキー
・周辺部キーの打指固定とショートカットキー
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2009/06/blog-post_4134.html



第4回 10/26火 10/27水この回は総合科学部K201教室で授業を行ないます!

★音声・映像ファイルなどについて(1)



第5回 11/2火 11/10水 (←11/3は文化の日でお休みです)この回は総合科学部K201教室で授業を行ないます!

★音声・映像ファイルなどについて(2)



第6回 11/9火 11/17水

★メディア論と社会分化論から英語とコンピュータの使用について考える

書き言葉が私たち近代人をつくった: Walter Ongの議論から
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/05/walter-ongorality-and-literacy.html

メディア論と社会分化論から考える言語コミュニケーションの多元性と複合性
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/11/html.html


第7回 11/16火 11/24水

★情報と知識を構造的に考える(1)

・コンピュータと人間知性の共進化について
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2008/10/blog-post_7852.html



第8回 11/30火 12/1水

★情報と知識を構造的に考える(2)

・コンピュータ上で「思考」をするために
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2008/11/blog-post_03.html

・思考ツールとしてのプレゼンテーションソフト
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/03/blog-post_496.html



第9回 12/7火 12/8水

★エクセル入門
・エクセルで行うタスク管理
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2008/10/blog-post_09.html

・Microsoft Office Onlineトレーニング
http://office.microsoft.com/ja-jp/training/



第9回 12/14火 12/15水

★基礎統計とエクセル操作(その1)

以下、相沢裕介(2010)『統計処理に使うExcel2010活用法―データ分析に使えるExcel実践テクニック 』カットシステムを教科書として使います。ですが、エクセル操作が得意な人は、以下の説明・ファイル・記事だけで理解できるかもしれませんので、購入は自分の判断で行って下さい。

■エクセルの使いこなしについて

Office 2010については、Microsoft社がある程度のオンライントレーニングを提供しています。
http://www.microsoft.com/japan/office/2010/business/training/default.mspx


■『日経PC21』の薦め/エクセルの使いこなし

しかし仕事でよく使うエクセルの使いこなしについては『日経PC21』がよくまとめています。以下の記事を読み、特にそこにある15の技と5つの使いこなしは必ずマスターしておいてください。
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2008/11/pc21.html


■分析ツール

各種統計分析は「分析ツール」を使えば非常に簡単に実行できます。しかし「分析ツール」は最初はエクセルに入っていないので「アドイン」する必要があります。
Excel 2010でしたら、「分析ツール」をアドインするためには、次の操作を行って下さい。「ファイル」のタブから「オプション」を選択→「アドイン」を選択→「アクティブでないアプリケーション アドイン」から「分析ツール」を選択→「選択」アイコンをクリック→エクセル画面に出てきたダイアログボックスから「分析ツール」にチェック印を入れてOKをクリック。
以上で完了です。エクセル画面の「データ」タブを選択すると右上に「データ分析」が出ているはずです。そこをクリックすればデータ分析のアドインが使えます。


■計算結果に出るEという記号

しばしばエクセルでは計算結果の中にEが出ますが、これは演算の都合で自動的に指数表示になってしまったものです。この表示では何のことかよくわからないので、この場合は、そのセルを、「書式→セル→表示形式→数値」のように選択し、「小数点以下の桁数」を適当に定義することによって、常識的な数値表示にすることができます。



■<課題作成用データ>

このデータファイルは、あなたが英語教師として担当した1年1組と1年2組の、校内実力テストの点数(100点満点の素点)です。1年は10組までありますが、あなたは担当していないクラスのデータはもっていません。第一回目のテストは5月に、第二回目のテストは10月に行われました。問題作成者は第一回目と第二回目で異なっています(当然問題も異なっています)。

あなたはクラス担当教員として、これらテストの結果を英語科主任と各々の生徒に対して報告する義務があります。エクセルを使って必要な分析を行い、報告書を作成しなさい。なお報告書は英語科主任に対して提出するものとし、そこには、(a)1組と2組の違いに関するクラス全体の分析と、(b)それぞれの生徒個人に対しての報告の基になる分析の最低二種類の分析が含まれているものとします。

また、本来なら報告書には統計分析の進める際の考え方などは書かずに、結果だけを分かりやすく示せばいいのでしょうが、この報告書は授業の評価のためのものですから、どうして示されている分析をするのか、またその結果はどんな意味を持つのかを分かりやすく説明するようにしてください。

なお提出に関しては、今回はA4に(カラー)印刷して提出してください。電子媒体では受け付けません。印刷してきちんと表示されるファイルを作ることが課題の一つの要素です。
A4 で印刷したらまともに読めないようなファイルは採点の対象としません。電子的にはうまくできていても、印刷するとフォーマットが乱れることはよくあることです。職場では印刷してファイルを提示することが多いのでこの要求を出します。結構時間がかかりますので、きちんと計画的に課題を完成させてください。


■解説ファイル・記事

その1

エクセルできれいなヒストグラムを作るには


標本調査と全数調査についての簡単なまとめ

その4




第10回 12/21火 12/23水


★基礎統計とエクセル操作(その2)



第11回 1/11火 1/12水

★基礎統計とエクセル操作(その3)



第12回 1/18火 1/19水

★基礎統計とエクセル操作(その4)



第13回 1/25火 1/26水

★基礎統計とエクセル操作(その5)



第14回 2/1火 2/3水

★基礎統計とエクセル操作(その6)



第15回 2/8火 2/9水

★まとめ