以下の文書ファイルおよびその解説音声ファイルは、院生の合同ゼミでの発表予定者発熱欠席のため急遽私が臨時発表したものです。文書ファイルは私の英語ブログのいくつかの記事を再掲したものですが、テーマ別に順序を入れ替えているのでその分便利になっているかとも思います。
要旨としては、
・近代的な人間とは、人間の本性がそのままそれだけで進化して到来したものではない。
・近代人は、書き言葉というメディアを人間が使い始めたことによって生じたものである。
・話し言葉メディア的人間から書き言葉メディア的人間への移行と葛藤は、例えば古代ギリシャ(プラトン)に見られる。
・グーテンベルクの活版印刷機以降、書き言葉の伝達は写本から製本に変わったがこのテクノロジー変化が、近代をつくる大きな一因となった。
・グーテンベルク革命に匹敵する(あるいはそれ以上の)現代の情報革命は、これからの人間のあり方、少なくとも知識社会のあり方を大きく変える可能性が高い。
■ネタ本(笑)
まあ、要はWalter OngによるOrality and Literacy: The Technologizing of the Word (New Accents)の第一章から第三章の議論に、私の与太話を付け加えたものです。
この本はQuestiaで調べ物をしているうちにたどり着いて、読み始めたら非常に面白かったので、現在もよみ進めている最中です。翻訳書『声の文化と文字の文化』の存在は前から知っていましたが、今回私は便利なQuestiaだけで読んでいるので、この翻訳書は参照していません(Questiaって感動的に便利なのよ)。
■ どんな人に聞いて欲しいか
次のような方はぜひ文書ファイルと音声ファイルをご参照くだされば幸いです。
・近代言語学に倣ってか倣わずか、「書き言葉」とは話し言葉を文字に起こしたものだけでしょうとしか思っていない方。
・「英語教育」は、まだまだ「会話」を充実させなければならないと思っている方。
・大学や大学院でなぜこんなに「論文」という特殊な言語使用を勉強しなければならないか今ひとつわかっていない方。
■ ダウンロードはパスワード不要です。
【広告】 教育実践の改善には『リフレクティブな英語教育をめざして』を、言語コミュニケーションの理論的理解には『危機に立つ日本の英語教育』をぜひお読み下さい。ブログ記事とちがって、がんばって推敲してわかりやすく書きました(笑)。
【個人的主張】私は便利な次のサービスがもっと普及することを願っています。Questia, OpenOffice.org, Evernote, Chrome, Gmail, DropBox, NoEditor
0 件のコメント:
コメントを投稿