2014年9月30日火曜日

英語教師のためのコンピュータ入門 (2014年度)

以下は柳瀬の授業(「英語教師のためのコンピュータ入門」)の受講者のためのページです。2014年度の授業は、前年度の内容を精選し、かつ一部新しい内容を加えます。授業の資料は著作権などに抵触しない限り、できるだけここに掲載します。





第1回 (10/1) イントロダクション




「コンピュータを学ぶ」から「コンピュータで学ぶ」へ

「英語を学ぶ」から「英語で学ぶ」へ

そして「コンピュータと英語で学ぶ」へ




では


何を学ぶ?

何のために?

誰のために?





Computer for Communication and Community



"The only person who is educated is the one who has learned how to learn and change."
Carl Rogers


We do not learn from experience... we learn from reflecting on experience.

Failure is instructive. The person who really thinks learns quite as much from his failures as from his successes.

The self is not something ready-made, but something in continuous formation through choice of action.

Education is not preparation for life; education is life itself.

John Dewey



"You are not bored. You are just boring."

Anonymous



子曰、知之者、不如好之者。好之者、不如樂之者。
『論語』雍也第六 140
http://rongo.jp/kaisetsu/rongo.php?140,1






***



2014年度 英語教師のためのコンピュータ入門


1年生: 水曜7-8限 K208教室
担当:柳瀬陽介
yosuke@hiroshima-u.ac.jp
http://yanaseyosuke.blogspot.com/
http://yosukeyanase.blogspot.com/
http://greatpresentationvideos.blogspot.com/
https://www.flickr.com/photos/127153383@N03/
http://twitter.com/#!/yosukeyanase
https://www.facebook.com/yosuke.yanase
http://gplus.to/yosukeyanase
http://yosukeyanase-video.blogspot.com/
http://yosukeyanase-on-art.blogspot.com/
http://ha2.seikyou.ne.jp/home/yanase/





この授業の主な目的

(1) 現代社会におけるコンピュータ文化の重要性を理解する

(2) ウェブ上の有益な英語情報を活用できるようになる。

(3) コンピュータについて自分で学べるようになるための基礎知識と検索技術を習得する。

(4) 統計に関する基礎的理解に基づいて表計算ソフトを使いこなせるようになる。



この授業での評価方法

以下のブログ記事を読んでください。

■ 2013年度後期から私の授業ではポートフォリオ評価を導入します。
http://yanaseyosuke.blogspot.jp/2013/09/2013.html
■ 広大教英生がお薦めする英語動画集 (第二週目より毎週提出)
http://kyoeivideoselection.blogspot.jp/
Sを取る(あるいは成績を一段階上げる)ために
■ 自主性を開拓するために ―書評かプロジェクトに挑戦してみてください―
http://yanaseyosuke.blogspot.jp/2010/10/blog-post_08.html

■ 広大教英生がお薦めするGraded Readers
http://kyoeigradedreadersselection.blogspot.jp/






助言

(1)コンピュータを怖れないでください。コンピュータはあなたを助ける道具なのですから。コンピュータに対する苦手意識を払拭できたら、それだけでこの授業の狙いは達成されると言っても過言ではありません。

(2) まずは基礎的な原理と構造を理解してください。あとは操作の中から手があなたに知恵を与えてくれます。うまくいかないことやトラブルをむしろ学びの機会ととらえて、ゆっくりと手で学んで下さい。いろいろと失敗をできる時間があるのが学生の特権です。

(3)うまく動かない時にはどうぞ焦らないで。パニックになったりイライラしないで、試行錯誤したり検索したり人に尋ねたりしてください。お互いに上手に助け合う文化を熟成させましょう。

(4)すべてを理解しようとしないでもいいです。使っているうちに、少しずつわかったり発見したりしてゆくものですから。「とりあえず使える」状態になればあとは雪だるま式に習熟できます。

(5)授業外でのコンピュータ使用を前提としています。授業時間だけのコンピュータ使用では習熟できませんから、空き時間を使ってどんどんコンピュータを使って慣れてください。他の授業やサークル活動に関する作業もできるだけコンピュータを活用して行なってみてください。

(6)でもどうしても慣れないなら使いやすい参考書を本屋で見つけて買ってください。私も何度も経験しましたが、自分に合った参考書は多くの時間を節約してくれます。2000円以下で多くの時間が買えるのですから、これはいい投資です。(下記参照)

(7)特に単純作業をやったりしているときは、自分の注意資源の数パーセントを常に「どうしたらこの作業をより効率 的に行えるだろうか」という問いに向けてください。コンピュータには便利な小技がたくさん隠されています。右クリックはしばしば行い、「ツール」「オプ ション」などはどんどん変更して、あなたのコンピュータを"personal"なものにしてください。(「とりあえず右クリック」、「ツール・オプションはとりあえず見てみる」)。

(8)授業への要望などは積極的に知らせてください。お互いのコミュニケーションを密にすることでよい授業を創り上げてゆこうと思っています。




参考


■ タッチタイピングについて

パソコン操作の大半を占めるタイピングがうまくできなければ、作業が進まず、時間ばかりかかってしまいます。とてもイライラしてしまうかもしれません。

一生涯のうち、タイピングに費やす時間はおそろしいほど大量の時間となります。人生の多くの時間を、キーボードとディスプレイ(と脇に置いてある文書)を交互に見るために首を動かし続け、不器用に(そして不正確に)指先を動かすことは、人生の無駄です。

ぜひとも若いうちに、手元を見なくても高速かつ正確にタイピングができるタッチタイピングの技術を覚えておいてください。

技能訓練は、最初に合理的に短時間で集中的に行うのが一番です。

その点でお薦めするのが以下のソフトです。私も試してみましたが、訓練体系が非常に合理的にできていて、これならおおいに時間を短縮してタッチタイピングができそうです(タッチタイピングでは最も定評のあるとされている「増田式」に基づくソフトだそうです)。



CIEC TypingClub 本格的タッチタイピングソフト
(大学生協で扱っています)
http://software.univcoop.or.jp/typingclub.html



もしお金をかけずにタッチタイピングを覚えたいなら、適当にグーグル検索していいサイトを探して下さい(いいサイトがあれば、ぜひ教えて下さい)。

残念ながら、今の学校教育ではICTの基本であるタッチタイピングが、どの段階でもきちんと教えられていません(少なくとも私が接する大学生のタッチタイピ ングの能力は千差万別で、高校卒業までの学校教育で、きちんと教育されたようには思えません)。大学生の皆さんは、ぜひ在学中のうちにタッチタイピングを 習得しておいてください。



▲ パソコン教室

パソコンの基本的な操作法にゆっくり習熟したい人は下記の講座などの良心的なものを受講してみてもいいかもしれません。


広島大学生協 パソコン総合サポート(略称PCSS)
http://www.hucoop.jp/fresh/support.html





ま た、Microsoft Officeの使用法については、以下のようなサイトを参考にして自学自習しておいてください。(この授業では、皆さんの思考を深い所で変えて、行動を根 源的に変えることを目的にしていますから、マニュアルを読めば誰でも自学自習できるようなアプリの表面的な操作方法に対してはあまり時間を割きません。た だし操作方法に迷ったら気軽に私か友人に尋ねてください)。

Microsoft: Officeのトレーニング
http://office.microsoft.com/ja-jp/support/FX010056500.aspx

Microsoft At Home: Officeの便利な活用方法をご紹介
http://www.microsoft.com/japan/athome/magazine/office/navi/officetop.aspx

なお、以下の「動画マニュアル.com」は、MS Officeに限らず多くのアプリの使用法を動画で解説してくれているサイトです。ぜひ活用してください。

動画マニュアル.com
http://www.dougamanual.com/


また書籍としては、以下の入門書を教英学部生控え室に常備します。教英の学生さんは、適宜空いた時間などに以下の入門書を何度も眺めて、使い方に慣れ親しんでください。何度も言いますが、習うより慣れろ!です。
























また私が私費で購読している月刊誌『日経PC21』も、読み終えたら教英学部生控室に置くようにしていますので、適宜活用して下さい。



授業で使う主なホームページ



・広島大学Bb9(振り返りや課題の提出用)
広大ホームページの「もみじ」からアクセスして下さい。

主に使うのは「教材」の機能です。課題提出はBb9で行ってください。柳瀬の個人メールアドレスへの提出は(Bb9の不調などの仕方のない場合を除いて)避けてください。
なお書き込みは、すべて授業前夜である火曜日の23:59までに行ってください



授業に必要なもの

・学生証(K208教室でのコンピュータ使用のため)
忘れたら授業ができません。必ず持ってきて下さい

・USBフラッシュメモリ。ただしDropboxなどのオンラインストレージを使うなら不要。

・イアフォン (しばしばPCから音声を聞く必要があります)。


遅刻・欠席・参加に関する方針

・甘やかされた内弁慶でしかない「お子ちゃま」や、単位がほしいだけのために受講を希望している人はお断りします。お互いに真摯な学びの空間を育てるためです。しっかり学びたい人だけが受講して下さい。

関連記事 ▲「教養ゼミ」での学部一年生へのメッセージ
http://yanaseyosuke.blogspot.jp/2012/04/blog-post_24.html

・遅刻は認めません。最初の点呼の時にいなかったら欠席扱いにします。欠席3回以上で、評価を一段階下げます。欠席5回以上は単位認定をしないことを原則とします。やむを得ない理由があった場合は申し出てください。

・私語や居眠りなどは許しません。注意しても止めないようでしたら教室から出ていってもらいます。楽しい学習環境を保つために、最低限のケジメだけはつけます。

・なお教室に入ったら、毎回必ず違う席に座り、違う人の隣に座ってください(お互いに気軽に質問できるようにするため、一人だけ離れては座らないでください)。





この記事での凡例

このブログ記事で、記事・論文・書籍の名前の前に付けられた■、▲、★の記号はそれぞれ次のような意味を持っています。

■ 授業の前にきちんと読んで、そのまとめや感想などをWebCTシステムに書いておくべきもの(四角ですから「きちんと読め」と覚えて下さい)。

▲ 授業の前に参考程度に読んでおくべきもの(三角ですから、四角ほど「四角四面に読む必要はない」と覚えて下さい)。

★ S(秀)判定のための課題例。念のためにブログ記事だけは読んでおいてください。この記事で紹介された本を書評したらS評価の対象とします(星印ですから「輝くSを取るためのもの」)と覚えて下さい。






「メディア」とは?

さて、それでは本題に入ります。この授業では、英語教師という視点からコンピュータについて学びますが、コンピュータというのは「メディア」です。また英語などの言語も「メディア」と呼ばれます。そもそも「メディア」とは何でしょうか?

■ メディア・リテラシーについて
http://yanaseyosuke.blogspot.jp/2012/10/blog-post.html

■ インターネットは魔法でありその呪文は言語である。そして魔法界の務めはつなぐこと。
http://yanaseyosuke.blogspot.jp/2012/10/blog-post_3.html

■ 私は言語に生き、言語は私に生きる
http://yanaseyosuke.blogspot.jp/2012/10/orionis23-abc-33the-human-mind-is-idea.html



ネット生活の暗黒面

このコンピュータあるいは言語というメディアですが、使い方によっては自分の「暗黒面」を増幅してしまうことがあります。特に匿名でのウェブ発言により、人の邪悪さを増大してしまうことがしばしばあります。

以下は、2013年9月27日の毎日新聞コラム(余録)からの引用です。

しかし今日、震災復興でこんな落書が出てきた。

「復興は不要だと正論を言わない政治家は死ねばいい」。経済産業省のキャリア官僚が匿名ブログに記したのは、学も才気もどこの話かという放言だった。被災地は「ほぼ滅んでいる過疎地」、そこで既得権をむさぼる高齢者にかける費用はむだだという書き込みだ。

匿名をいいことに、他日のブログでは高齢者に「早く死ねよ」と書いていたともいう。聞けば胸が悪くなる話で、懲戒処分も当然である。官僚のネット書き込みといえば、復興庁の役人がツイッターで市民団体などを「左翼のクソども」呼ばわりしたのも記憶に新しい

http://mainichi.jp/opinion/news/20130927k0000m070115000c.html




こういった邪悪さを、私たちも自分の中に育んでしまわないようにするために以下の記事を読んでください。



■ 正義が「呪い」に転ずるとき ―あるいはネット上での発言についての注意―
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/09/blog-post_30.html

■ 片田珠美(2010)『一億総ガキ社会 「成熟拒否」という病』光文社新書
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/10/2010_8365.html

▲ 内田樹(2010)『邪悪なものの鎮め方』バジリコ、内田樹・釈徹宗・名越康文(2010)『現代人の祈り―呪いと祝い』サンガ
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/09/blog-post_30.html





その他の諸注意

・遠隔操作ウィルスに注意!

あなたのコンピュータを、第三者が勝手に遠隔操作してしまうウィルスが最近増えています。そういったウィルスに感染しないためには、

(1)Windows Updateやアンチウィルスソフトを忘れない、

(2)見知らぬ人はもちろん友人・知人からのメールに添付されている不審なファイルは開かない(友人・知人もウィルスに感染しているのかもしれない、

(3)同じようにメール内にある不審なURLはクリックしない、

(4)信頼できないサイトではクリックをしない(そもそも信頼できそうもないサイトには行かない)、

(5)USBメモリなどを通じての感染の可能性に注意する、

などの注意を怠らないでください。デジタル生活での「勘」をつけてください。

参考:サイバークリーンセンター
https://www.ccc.go.jp/bot/index.html



・不審なメールやサイトであなたのIDやパスワードなどを入力してはいけない!

あなたの友人・知人から以下のようなメールが送られてきたら、あなたはどうしますか?

How're you doing? I know this might be a surprise to you but am sorry to reach out to you in this manner. I apologize for not informing you about my travel to Philipines for a Project.

Everything is going fine but there's a little problem, I misplaced my wallet on my way back to the hotel and right now all my credit cards and money are gone. Am sending you this message to inform you that am stranded at the moment and need your help financially. Am not sure if you have that much but will you be able to help me with a loan of 3200 US Dollars to pay the hotel bills and get back home?

I will appreciate whatever amount you can afford to help me with and am sorry for the inconvenience this message might cause you but please understand that am in a very bad situation right now and would appreciate if you could help me out. I will email you the transfer details upon your reply.

Thank you in advance

Best,




実は、こういったメールは、悪意の第三者にメールアカウントを乗っ取られたことにより、送られているものです。私の複数の友人がこのようにメールアカウントを乗っ取られ、そのメールアカウントにあるすべての情報を失い、かつ乗っ取った第三者に悪用されました。

乗っ取られた人は、たいていの場合、一見非常に信頼できる組織から送られてきたように思えるメールに対して、不用意に自分のメールアカウントのパスワードを返信してしまったことで、このように自らの情報と信頼を失ってしまっています。

メールアカウントのIDやパスワードに限らず、銀行、クレジットカードなどのIDやパスワードを、メールや電話で他 人に教えることは絶対にやめて下さい。また一見正式なサイトに思えるサイトが実際は偽サイトである場合もあります(上記のメールアカウントを乗っ取られた 人は、このようなサイトでIDやパスワードを入力してしまったので、このような被害にあいました)。

このように公式機関(コンピュータ会社、銀行、クレジットカード会社、大学など)を装った電子メールを送り、IDや パスワードなどの個人情報を詐取する詐欺をフィッシング (phishing) と言います。下記サイトなどでフィッシング詐欺について学び、注意してください。


フィッシング(Phishing)とは
http://www.antiphishing.jp/consumer/abt_phishing.html

フィッシング対策の心得
http://www.antiphishing.jp/consumer/attention.html




・ネットカフェなどのパソコンでIDやパスワードを入力することは避ける

ネットカフェなどの不特定多数が使用する環境でのパソコンには、key loggerと呼ばれるソフトがインストールされており、そのパソコンでタイプした入力は第三者に入手され、パスワードやクレジットカード番号などの個人 情報も盗まれうる、と考える識者は多くいます。不特定多数の人が使うパソコンでは、IDやパスワードなどを入力しなければならない作業は基本的にやめてお くべきです。



・OSとソフトウェアの更新を忘れない。

Windows Updateを確認せよ。
http://windows.microsoft.com/ja-JP/windows/help/windows-update



・ウィルス対策を必ず行う。

広島大学ではウィルス対策ソフトを構成員に対して無償提供しています。ウィルスの被害はあなた個人を超えて大きなものになる場合があります。アンチウィルスソフトのインストールと更新を忘れないでください。



・パスワードはわかりにくいものにして、かつ定期的に変更する。

パスワードは8桁以上で、文字種(大小英文字、数字、記号)すべてを組み合わせることが推奨されます。これにより安 全度が大きく高まります。(パスワードに、辞書には載っていない方言や俗語やあだ名などを使うと、自分では覚えやすく、かつ海外からのパスワード解読に対 して比較的強固になるかもしれません)。



広島大学情報セキュリティ対策のページも今一度読んでおいてください。

▲ 広島大学情報セキュリティ対策
http://www.hiroshima-u.ac.jp/top/intro/jyoho-ka/sec/p_5e3e51.html




※課題

・振り返り: 上記の■印の記事を読みなおして、そこから感じたこと・考えたことをBb9の振り返り欄に書いてください。ただし、あまりに口語的な日本語は避けるこ と(例、「これを読んだ時、○○ってマジでカッケーと思った」)。日本語の標準的な書きことばを基盤にしながらも、親しみやすくわかりやすい日本語を使う ことを覚えてください)。

・予習: 下記の「第2回にある ■印のついた記事を読んで、感じたこと・考えたことをBb9の予習欄に書いてください。

な おBb9に投稿をする際は、いきなりBb9システム上に書き込むのではなく、いったんエディターやワープロで文章を完成させてからそれを コピーしてBb9に貼り付けてください。前者の方法ですと、誤って未完成原稿を投稿しあとで削除できなくなったりすることがありますし、後者 の方法ですと、自分で文章をじっくり読んで推敲できます。後者の方法でお願いします。

・Graded Readers: Graded Readersは希望者だけの自主課題ですが、最初は全員提出してもらいます。まずは教英学部生控室から一冊借りて読み始めてください(貸出簿にはきちんと記名し、必ず返却すること)。  第二週目の授業が終わったら、そのGraded Readersについて紹介記事を書いてもらいますので、読み進めておいてください。







第2回 「広大教英生がお薦めする英語動画集」に参加する (10/8)


■ 「広大教英生がお薦めする英語動画集」にある先輩の記事を読んでみよう(そしてそれらよりも確実に質の高い記事を書こう!)。
ブログ右端の欄のちょっと下にあるLabelやブログ左上の検索窓などをうまく使って、面白そうな紹介記事を幾つか読み、最低一つは紹介されているTED動画を見てみよう。
 http://kyoeivideoselection.blogspot.jp/

■ 「はじめに」を読んで、このプロジェクトの意義を理解して下さい。
http://kyoeivideoselection.blogspot.jp/2013/10/blog-post_6981.html

■ 「記事の投稿方法」の記事およびその中にあるスライドを読む。
http://kyoeivideoselection.blogspot.jp/2013/10/blog-post_13.html

■ 「注意:フォーマットに即して投稿をしてください」を読んで、ウェブ文化のあり方について考えておいてください。
http://kyoeivideoselection.blogspot.jp/2014/04/blog-post_23.html

■ 小林雅一 (2011)『ウェブ進化最終形 「HTML5」が世界を変える』朝日新書
この記事およびこの記事からのリンクを読んでできるだけ「HTML」についての理解を深めておいてください(わからないならわからないで結構ですから、必ず自分なりの理解を試みて下さい)。
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2011/09/2011-html5.html

■ 「広大教英生がお薦めするGraded Readers」を読んでおいてください。
http://kyoeigradedreadersselection.blogspot.jp/


 ※ 課題

・振り返り: 上記の小林雅一 (2011)『ウェブ進化最終形 「HTML5」が世界を変える』朝日新書およびそこからのリンク記事を読みなおして、そこから学んだこと・感じたことをBb9の振り返り欄に書いてください。

・動画: 「広大教英生がお薦めする英語動画集」に投稿してみてください。「コンピュータが苦手」と思っている人は、友達と一緒に作業をすることをお勧めします。

・予習:次回の■の記事をとりあえず読んで、感じたこと・考えたことをBb9の予習欄に書いてください。(膨大な量になりますので、隅から隅まで精読することまでは求めませんが、きちんと目は通しておいてください。なお、来週は特にイアフォンを忘れないように!)








第3回 ウェブ上のリソースを使って英語発音を自学自習する (10/15)




世界中の多くの人に楽に通じる発音技能をもっているととても便利です。ぜひ学生時代に英語の発音をマスターしてください。また、小綺麗な服装をしているととりあえず社会的に信用してもらえるのと同じように、英語の発音が誰にでもわかりやすい標準的なものであれば、とりあえずですが、英語教師としてそこそこ信用されますので、浮世の備えとしても発音技能は習得しておいてください。

発音技能の習得のために、発音記号 (phonetic symbol) を知っておくことは、必須ではないものの、知っておくと何かと便利です。そもそも皆さんは英語教師を目指しているのですから、ここできちんと発音記号もマスターしておきましょう。

発音記号については、標記が微妙に異なる場合がありますし、そもそも地域方言によっても発音(構音)の仕方は異なりますが、まずは大まかな共通事項を理解して体得しましょう。

英語の発音記号と英単語例:これらのページでまず発音記号と音(=その発音を有する単語の中の音)を結びつけて下さい。

■ 発音記号の読み方
http://www.linkage-club.co.jp/entry/hatsuonkigo.html

■ 発音記号一覧表
http://hatuon.sakura.ne.jp/p_minikouza/itiran.php

▲ Phonetic symbols for English
http://www.phon.ucl.ac.uk/home/wells/phoneticsymbolsforenglish.htm

次に、母音と子音の相互関係を図で理解します。やみくもに発音(記号)を覚えるのではなく、発音の体系性を理解して下さい。

まず母音 (vowel) です。

■ Chart of English Vowels:英語の母音は、口内のどの位置で音が発生するか(前・中・後 (front, central, back) と高・中・低 (high, mid, low))、緊張した音 (tense) かしていない音 (lax) 、単母音 (monophthong) か二重母音 (diphthong) か、などで体系性をもっています。下の図で確認してください。
http://pages.uoregon.edu/l150web/vowel.html

■ 上の図には二重母音/ai/の/a/が抜けていますので、下の図で補って下さい。
http://commons.wikimedia.org/wiki/File:English_vowel_chart.png

次に子音 (consonant)です。

■ 英語子音の発音法のわかりやすい表記:この説明で、難しい音声学用語が意味することをできるだけ体感的に理解してください。 ただし、The Study of Languageに従って作成したこの表でのrのは、下のConsonant Chartとは構音位置が異なっています。
http://yanaseyosuke.blogspot.jp/2011/12/blog-post_09.html



子音の体系性を理解した上で、下のアプリを使ってそれぞれの発音を確認・理解し、体得を試みてください。このアプリはチャートやビデオと連動したすぐれものですから、皆さんのスマホなどにダウンロードしてもいいかもしれません。
■ Phonetics: The Sounds of American English
http://www.uiowa.edu/~acadtech/phonetics/english/english.html



それでは甲南大学の伊庭緑先生による素晴らしいサイト(英語発音入門)で、英語発音をじっくり自学自習しましょう。
■ 英語発音入門
http://kccn.konan-u.ac.jp/ilc/english/



英語発音の体系性を理解した上で、以下のサイトなどを参照し、具体的なポイントに即して発音の自学自習を行ってください。

▲ 【英語】 じつはカンタン!発音記号 がすべてわかる知恵ノート 【読み方】【覚え方】 http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n172678

▲ 英語発音がよくなる10のコツ
http://hatsuon.msize.net/index.html

▲ 田尻悟郎のWebsite Workshop
http://gtec.for-students.jp/tajiri/consult/answer02_20.htm

▲ 発音が確認できる無料のオンライン辞書
http://allabout.co.jp/gm/gc/50506/



S認定のためにも必要な自主課題のプロジェクトの例として、以下のようなものが考えられます。Sを取るためというより、自分のため(そしてプロジェクトの成果を見てくれる人のため)にこれらの★印課題を試みて下さい。

★ 上記のようなサイト・アプリなどを使って、自分がいかにして発音をマスターしていったか(あるいは誤った発音を矯正していったか)を克明に(しかしわかりやすく)記録してください。英語教師および英語教育の関係者は、そういった当事者の記録を非常に欲しがっています。その記録は学習指導で非常に役立つからです。

★ フォニックス (Phonics) 入門:発音と綴字の関係を示したのがフォニックス (phonics)で、英米などでは非常に普及していますが、日本の英語教育ではまだ普及が遅れています。下のサイトなどでぜひ体系的に勉強して、自分が将来赴任した学校ですぐに配れるように教材化してみてください。
http://phonics.friends-esl.com/





ついでながら私見を述べておきます。英語発音に関しては時にマニアというべき人達がいて、「その発音では通じるかもしれないが、ネイティブの正確な発音ではない!」と息巻くことがあります。しかし私は、 (1) その「ネイティブ」というのは理想化された虚像であり、(2)現代ではノンネイティブはリンガ・フランカとしての英語を使用する戦略の方が効果的であり(内田樹先生の思考をゆさぶるエッセイ「リンガ・フランカのすすめ」をお読み下さい)、(3)限られた時間という貴重なリソースはマニアックな発音学習よりも、その他の(英語および英語以外の)学習に向けた方がその人の個性と才能を活かせる、と考えますので、英語発音は「世界のさまざまな人が聞いて、楽に理解してもらえる (comfortably intelligible) レベルを目指す方がいいと思います。

ただ、こういうことを言うと「いや、英語の発音というものは・・・」と目を吊り上げるマジメな方々がいらっしゃいます(こと発音に関してはどうしてこんなにこだわる人がいるのだろう。やっぱり「ネイティブの英語発音」が象徴的権力 (symbolic power) だからかなぁ)。 そんな方々に私も時々ギロンを吹っかけられますが、私はそのようなギロンには興味ありませんのでどうぞご勘弁を。 m(_ _)m





※ 課題

・振り返り: 上記の■印のサイトをじっくり読みなおして、そこから学んだこと・感じたことをBb9の振り返り欄に書いてください。

・動画: 「広大教英生がお薦めする英語動画集」に投稿してください。

・予習:次回の■印記事を読んで、感じたこと・考えたことをBb9の予習欄に書いてください。







第4回 自分のPCを"personal"なものにして、無料のウェブリソースを使いこなす。(10/23)




(1) 自分のPCをpersonalなものにする。


■ 右クリックとショートカットキー
http://yanaseyosuke.blogspot.jp/2008/11/blog-post_24.html

■ 「Google日本語入力」を自分のPCにインストールする
http://www.google.co.jp/ime/
私見では、マイクロソフトの日本語変換 (Microsoft IME) は非常に使いにくく、仕事をしていてイライラしてしまいます。一番よい日本語変換はATOKで、私も一時期は有料でこれを使っていましたが、現在は無料で使える「Google日本語入力」を使っています。

■ 「Google日本語入力」に自分なりの単語登録をする。
画面のどこかに浮遊しているように表示される小さな長方形に、常にGoogle日本語入力のアイコン(青い丸)が出ているようにし(つまりはGoogle日本語入力を常用にし)、レンチのアイコンをクリックして「単語登録」を選ぶ。

この機能を使って、自分が個人的によく使う単語などを登録する。例えば私は「y」で「柳瀬陽介」を、「おs」("os")で「お世話になります。柳瀬です。」を登録しているので、キーボードに"y"や"os"と入力して変換キー(スペースバー)を押すだけで、上記の単語や文を入力できる。登録できるのは単語だけでなく、上記のような文や、自分の住所などのある程度ながい文字列も含まれる。

■ 英語版のChromeとFirefoxを自分のPCにインストールする
私はコンピュータ文化と英語に慣れるためには、できるだけ英語モードでコンピュータを使い、英英辞書を使って英語を読むことを強くお勧めしています。

とくにアプリの開発などは日進月歩なので日頃から英語アプリを使う習慣をつけておいてください。
「日本語でないとコンピュータが使えない」状況でしたら、非常に不便です。どうせコンピュータ用語はカタカナ語が多いのですから、とりあえずブラウザーの設定(および今後インストールするアプリやソフトウェアの設定)を英語にしておくことをお勧めします。

自分のPCにChromeとFirefoxをインストールする場合は、ぜひ英語版をインストールしてください。

■ ブラウザーに便利なオンライン辞書をインストールする(extension or add-on)
  Chromeの場合
画面右上の三本線アイコン→Tools→Extensions→Get more extensins
(もしくは、検索語を"Chrome Web Store"として検索)
左上の検索窓に"Dictionary"と入力
よく説明を読んで、AppsとExtensionsの中から自分で一番使いやすそうなオンライン辞書を選んで下さい。
また、検索語を"Chrome ウェブストア"とすると、日本語でのAppsとExtensions(この場合は英和辞書)を選ぶことができます。


  Firefoxの場合
画面右上の三本線アイコン→"Add-ons"→"Get Add-ons"
右上の検索窓に"Dictionary"と入力
よく説明を読んで、AppsとExtensionsの中から自分で一番使いやすそうなオンライン辞書を選んで下さい。 また、検索語を"firefox アドオン"とすると英和辞書を選ぶことができます。

▲ "アドオン 辞書"で検索する。
この項目に限らず、教師が指示する課題だけをやるだけの受け身の態度にならないでください。授業で指示される課題は、あなたの終着点でなく、あなたの成長にとってきっかけに過ぎません。
何度も繰り返して恐縮ですが、単位を取るためだけのお勉強は、長期的にはあなたの人生の無駄であり、あなたの人生を歪めかねません。社会で不適応をおこしてしまう「マジメな良い子」「受験秀才」に決してならないでください(そして教師になったらそんな子どもを決して育てないでください)。





(2) ウェブ上の無料リソースを使いこなす


上記のブラウザー辞書は便利だが、時にもっと詳しく調べたくなることがある(というより英語教師なら、調べるべき)。そういった時のために、以下のようなサイトをブラウザーに登録しておこう。また、これらのサイトを使いこなせるようになるためにも、早く「英語で英語を理解できる」ようになろう!そうすれば加速度的に英語力は向上する。

■ 多くの辞書を「串刺し検索」できる感動的なOneLook Dictionary Search
http://www.onelook.com/

■ 通常の辞書として常用し、すぐに類義語辞典 (Thesaurus)や引用集 (Quotes)が使えるDictionary com
http://dictionary.reference.com/

辞書は英英辞書を原則とするとはいえ、時に英和・和英を使った方がいい場合もある。そんな時のために、以下のようなサイトもブラウザーに登録しておこう。

▲ Weblio辞書
http://www.weblio.jp/

▲ 英辞郎 on the WEB
http://www.alc.co.jp/

こと「英語を書く」ことにかけては、このPurdue University Online Writing Labだけは必ず使いこなしてほしい。ブラウザーに登録していても、日頃から使っていないと使いこなし方がわからないので、今後は英語を書く課題が出たら必ず、出なくても折にふれてこのサイトをよく使用・閲覧してほしい。

■ Purdue University Online Writing Lab
https://owl.english.purdue.edu/owl/

★ Purdue University Online Writing Labの使いこなし方を、他の大学生のためにうまくまとめてくれたら、それを私のブログからも紹介させてもらいますし、成績をSへグレードアップするための課題ともします。



著作権(文化庁:はじめて学ぶ著作権)の切れた文章はボランティアの地道な努力によってウェブ上に公開されている。これらもうまく活用しよう。

■ Free ebooks - Project Gutenberg
http://www.gutenberg.org/

▲ このようなプロジェクトは、志と熱意を備えた人々によって支えられている。Project Gutenbergの創始者であるマイケル・ハートについても知ってほしい。えっ、まさかグーテンベルクについて知らないということはないですよね!

英語の本の朗読を誰でもウェブ上で利用できるようにしているのがLibriVox
■ LibriVox
https://librivox.org/

■ 青空文庫
http://www.aozora.gr.jp/

▲ 青空文庫の創始者の一人である富田倫生氏(広島大学付属中学校・高等学校出身!)の書いた『本の未来』も今は青空文庫で公開されている。読んで、コンピュータは単にこれまでの仕事を高速で行うためのマシンではなく、新しい文化を創り出し続けているマシンであることを理解してほしい。


自発的に読書をすることの大切さと、その習慣を大学卒業までに身につけておかねばならないことを私はこれからも何度も言い続けるだろうが、まずどんな本を読めばいいかわからないという人は多い。下のサイトは「ちょっと堅め」の本を紹介しているサイトだが、やはり大学生のうちは少し背伸びして「難しい」という本にも挑戦してほしい。というより、Facebook, Twitter, 2ちゃんばかり読んで、まったく本を読まなくなったら、確実にバカになるとは言えないだろうか?











もっとも本を読みすぎてもバカになるのだがwww


■ 松岡正剛の千夜千冊
http://1000ya.isis.ne.jp/souran/index.php?vol=102
教養の授業などで気になる著者名が出たら、このサイトの上部にある検索窓でその著者の著作について調べて下さい。
教養は一朝一夕には身につきませんが、かといって何もしなければ10年20年では大きな差になります。
教養は知的な見栄をはるためではなく、自他共により幸福に生きるために必要な素養です。ぜひ大学生のうちに自発的な読書の習慣をつけてください。




※ 課題

・振り返り: 上記で指定されたインストールや登録などをすべて完了した上で、いくつかのサイトを利用してみて、そこから学んだこと・感じたことをBb9の振り返り欄に書いて下さい。

・動画: 「広大教英生がお薦めする英語動画集」に投稿してください。

・予習:次回の■印記事を読んで、感じたこと・考えたことをBb9の予習欄に書いてください。







第5回  ウェブ上の無料公開教育サイトを活用する。 (10/29)


(1) オープンエデュケーションとは何か?

■ 梅田望夫・飯吉透(2010)『ウェブで学ぶ ―オープンエデュケーションと知の革命』ちくま新書
http://yanaseyosuke.blogspot.jp/2010/10/2010.html

■ 字幕付きの無料動画で楽しく英語を学ぼう!
http://yanaseyosuke.blogspot.jp/2010/04/blog-post_26.html



(2) 子ども向けのオープンエデュケーション

■ TED EdとMIT+12: 「開かれた文化」ということ
http://yanaseyosuke.blogspot.jp/2012/04/ted-edmit12.html

■ TED Ed
"Lessons"の中からお気に入りのlessonを選び、その動画の下にある"YouTube"のアイコンをクリック ("Watch on YouTube.com) して、YouTube画面で視聴して下さい。
もし面白かったら動画の下にある"Share"のアイコンをクリックして"Embed"をクリックして、この動画を自分のブログに埋め込むためのHTMLコードをコピーして下さい。
こういったTED Edなどの動画も、動画紹介(http://kyoeivideoselection.blogspot.jp/)で選んで結構です。
http://ed.ted.com/

■ YouTube: MIT+K12 VIDEOS
"Playlists"の中からお気に入りのlessonを選び、視聴して下さい。これも面白かったら動画紹介ブログに埋め込んで、紹介記事を書いてくださっても結構です。
https://www.youtube.com/user/MITK12Videos/featured

■ Khan Academyで数学と英語を同時に学ぼう!
http://greatpresentationvideos.blogspot.jp/2011/07/khan-academy.html

■ Khan Academy
最初に、ログインをしないまま、画面上部左にある"Subjects"の中から好きな科目を選び、視聴して下さい。これもYouTube画面で視聴して、面白かったら動画紹介ブログに埋め込んで、紹介記事を書いてください。
https://www.khanacademy.org/

ログインしたら、自分でコースを組み立てることができます。ただしログインのためにはGmailかFacebookのアカウントが必要です。



(3) 一般人向けのオープンエデュケーション

■ 柳瀬のTwitterのListの一つである"Essentials"
このリストには、柳瀬の好みのサイトも幾つかは入ってはいますが、知的情報を得るためのサイトとして非常に優れたものを厳選したものです。このリストのtweetsを見て、面白そうな記事を読んで下さい。またもしご希望なら、この"Essentials"をsubscribeしてください。
https://twitter.com/yosukeyanase/lists/essentials

■ Brainpickings
ちょっとした短い時間に読める知的サイトです。
http://www.brainpickings.org/

■ Open Culture
一般人が知的刺激を比較的楽に得ようとした時に便利なサイトです。
http://www.openculture.com/

Open Cultureには以下のようなまとめサイトもあり、重宝します。
・Intelligent Video: The Top Cultural and Educational Video Sites
http://www.openculture.com/intelligentvideo

・Intelligent YouTube Channels
http://www.openculture.com/smartyoutube

■ YouTube/Education
ここにも比較的容易な知的動画があります。これらも動画紹介に使ってください。
http://www.youtube.com/education



(4) 大学講義のWeb配信

■ MOOC(大規模公開オンライン講義)による英語文化圏の巨大な力に、他の言語文化圏は対抗できるのか?
http://yanaseyosuke.blogspot.jp/2013/09/mooc.html

■ Academic Earth
http://academicearth.org/

■ Free Online Courses from Top Universities
http://www.openculture.com/freeonlinecourses

■ iTunes U
アプリiTunesをあなたのコンピュータにインストールしてください(アップル社のコンピュータではない、Windowsマシンにでもインストールできます)。インストール後にiTunesを立ち上げて、iTunes Uを選んで下さい。たくさんの大学講義(動画もしくは音声)が無料聴講できますし、あなたのコンピューターやタブレットやスマホにダウンロードすることもできます。
https://www.apple.com/jp/education/ipad/itunes-u/


参考: 反転授業
従来は、教室では教師の説明を聞いて知識を得て、家庭ではその知識を使う(=宿題をする)というように考えられてきたが、それを「反転」 (flip) させ、家庭をICTを通じて知識を獲得する場所、教室を知識を使う(=討論したり考えたりする) 場所と考える「反転授業」 (flipped classroom) という教育形態が近年注目を浴びています。これからの潮流となると考えられますから、以下のサイトを読んだりして、皆さんなりに学んでおいてください。

■ NHKニュース: 学力アップ 大学の新授業とは
http://www.nhk.or.jp/ohayou/marugoto/2014/06/0611.html

■ 東京大学大学院情報学環・反転学習社会連携講座
http://flit.iii.u-tokyo.ac.jp/about/index.html#Flip

▲ 反転授業 ICTによる教育改革の進展」 重田勝介 (北海道大学)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/johokanri/56/10/56_677/_html/-char/ja/




(5) これからの日本語と英語のあり方

今、日本では小学校から大学まで英語を使うことは無条件で良いこととみなされているようにすら思える。「グローバル化」と「英語を使うこと」を同じこととするような思考停止も見られます。

こういった状況の中、教英生はまず自分がきちんとした英語力をつける一方、英語力をめぐる議論についてもきちんと理解しておく必要があります。以下の記事や本などをきっかけにしてしっかりと考え始めてください。

くれぐれも、自分の英語力と、それを他人の英語力と比較してひがんだりさげずんだりすることしか興味がないような「英語バカ」にはならないでください。

■ 水村美苗(2008)『日本語が亡びるとき―英語の世紀の中で』筑摩書房
http://yanaseyosuke.blogspot.jp/2010/08/2008_16.html

▲ 日本語の危機とウェブ進化/水村美苗+梅田望夫
http://www.shinchosha.co.jp/shincho/tachiyomi/200901_talk.html

▲ 7/14講演会「英語教育、迫り来る破綻」に参加して
http://yanaseyosuke.blogspot.jp/2013/07/714.html

▲ 大阪府教育長・中原徹氏の英語教育改革論を、英語教育界は無視できないし、無視するべきでもない
http://yanaseyosuke.blogspot.jp/2013/08/blog-post.html

▲ 寺島隆吉(2007)『英語教育原論』明石書店
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2008/09/blog-post_9698.html

▲ 寺島隆吉(2009)『英語教育が亡びるとき』明石書店
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2009/10/2009.html



※ 課題

・振り返り: 上で紹介されたTED Ed, MIT+K12, Khan Academyあるいは他のサイトのどれか一つを選び、それをできるだけ探索してみて、そこで学んだこと・感じたこと・考えたことをBb9の振り返り欄に書いて下さい。

・動画: 「広大教英生がお薦めする英語動画集」に投稿してください。 TED以外にも、今回紹介された動画などを使っても結構です。

・予習:次回の■印記事を読んで、感じたこと・考えたことをBb9の予習欄に書いてください。また可能ならばDropboxとEvernoteをインストールして使ってみてください。









第6回 「クラウド」を使いこなす (11/5)



(1) 情報不足にも情報過多にもならず、情報を使いこなすために


■ 斎藤孝x梅田望夫(2008)『私塾のすすめ--ここから創造が生まれる』ちくま新書
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2008/05/x.html

■ 考える・調べる・尋ねる
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2009/04/blog-post_13.html

■ 受験対策より、何か熱中できることの方が大切
http://yanaseyosuke.blogspot.jp/2012/02/blog-post_24.html

■ 内田樹(2008)『街場の教育論』ミシマ社
http://yanaseyosuke.blogspot.jp/2012/09/2008.html

■ 情報リテラシーについて:内田樹
http://blog.tatsuru.com/2011/09/16_1350.php

■ クリス・アンダーソン著、高橋則明訳(2009)『フリー』NHK出版
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/04/2009nhk.html

▲ 西垣通(2007)『ウェブ社会をどう生きるか』岩波新書
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2007/10/blog-post_16.html

▲ メディア論と社会分化論から考える言語コミュニケーションの多元性と複合性
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/11/html.html

★ 佐藤学×秋田喜代美 「これからの学び」を考える (動画も見てください)
http://yanaseyosuke.blogspot.jp/2012/10/blog-post_19.html



(2) 「クラウド」と「クラウド」

カタカナ表記すれば同じになってしまいますが、"cloud"と"crowd"はもちろん異なる言葉です(ハイ、発音の違いを実演し、発音の仕方を説明してみましょう 笑)。


まずは"cloud"について。

■ 総務省:クラウドサービスとは?
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/security/basic/service/13.html

ちなみに総務省のこのサイトは、インターネットの危険・安全についてのわかりやすい解説記事も書いている。インターネットを過剰に恐れることもなく、無思考的に楽天的になることもなく (no pun intended www)、インターネットを活用するために、以下の記事も読んでおいてほしい。

▲ 総務省:どんな危険があるの?
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/security/basic/risk/index.html

▲ 総務省:インターネットの安全な歩き方
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/security/basic/privacy/index.html


というわけでcloud computingについて学ぼう。

■ ニコラス・G・カー (2008) 著、村上彩訳 『クラウド化する世界』翔泳社
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2009/10/g.html

■ 城田真琴 (2009) 『今さら聞けないクラウドの常識・非常識』洋泉社新書
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2009/10/2009_26.html

■ 柳瀬陽介 (2008) "Education 2.0" について
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2008/11/education-20.html


以下は"crowd"についての記事。もちろん"cloud"とは異なる概念だが、crowdsourcingもcloud computingがなければほぼ不可能という点で両者は関連している。

■ ジェフ・ハウ著、中島由華訳 (2009) 『クラウドソーシング』 ハヤカワ新書juice
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/02/juice_01.html


■ 小林雅一 (2013) 『クラウドからAIへ ― アップル、グーグル、フェイスブックの次なる主戦場』 朝日新書
http://yanaseyosuke.blogspot.jp/2013/11/2013-ai.html

▲ 池田純一(2011)『ウェブ×ソーシャル×アメリカ <全球時代>の構想力 (講談社現代新書) 』
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2011/09/2011.html





(3) クラウドサービスについて


Cloud computingを使ったクラウドサービスを使いこなせるようになろう(また、同時にその危険性についてもよく理解しておこう)。ここでは、(3a) Dropbox, (3b) Evernote, (3c) Google Driveを中心に解説する。


(3a) Dropbox

Dropboxとは、あなたのデータをcloudのどこかにあるサーバー(=ネットワークで繋がったコンピュータ上で他のコンピュータにデータを提供する大型コンピュータ)に自動的に蓄積するアプリで、あなたはこのアプリをインストールしたコンピュータ・タブレット・スマホにIDとパスワードを入力するだけで、あなたのデータを常に最新状態で使えるようにすることができるようになる。

■ Dropboxツアー
https://www.dropbox.com/tour/0

■ いつでもどこでも仕事をこなすためのDropbox入門
http://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/1208/09/news130.html

もちろんUSBでデータを持ち運びして、複数のパソコンで仕事をすることもできるが、その際には、USBを紛失するリスクがあるし、また、作業をやっているうちにどのファイルが最新の状態であるかがわからなくなったりするリスクもある(前者はしばしば小さな新聞記事になるし、後者は古いファイルを最新ファイルに上書きし作業が台無しになったりすることがある)。これらのリスクから考えるとDropboxなどの「オンラインストレージ」 (online storage)は便利である(極端な話、あなたのパソコン・タブレット・スマホのすべてが焼けてしまってもあなたのデータはクラウド上に残る)。

しかし、逆に言うなら、あなたのデータが入ったDropboxのIDとパスワードが盗まれたりハッキング されたりしたときのリスクを考えてほしい。

これを機会に、安全なパスワードの作り方を学んでおこう。私としては下の方法の英語文を日本語文のローマ字表記にすることを勧めたい(さらに辞書に登録されていない日本語の方言や俗語やニックネームなどを多く使う方がいいだろう)。

■ 安全性の高いパスワードの作成
http://www.microsoft.com/ja-jp/security/online-privacy/passwords-create.aspx

Dropboxが何かということを理解した上で、あなたのパソコン・タブレット・スマホでもDropboxを使えるようにしよう(実際にインストールしてみること)。

■ Dropboxをインストールしてみましょう!
http://ameblo.jp/sumitak1329/entry-11647160228.html



(3b) Evernote

"Ever"は、whatever, whenever, whereverなどと一般に意味を強調する働きをするが、"Evernote"とはwhatever, whenever, whereverでも使えるクラウドサービスのノートと理解することができる。

自分にとって大切だと思われたデジタル情報は「何でも」(例、ウェブページ、ファイル、テクスト、画像)、いろいろなデバイス(PC、タブレット、スマホ)を使って、「いつでも・どこでも」記録しておき、後々に使えるようにしておく。

私の場合、授業・講演・研究などのためのネタ帳としてや、趣味の情報の記録帳として使っている。話というのは具体的でないと面白くないが、情報をとりあえずEvernoteに放り込んでおくと、後日、すぐに取り出せて、具体的に情報を提供できるのでずいぶん重宝している。学生さんの場合、Evernoteをさまざまな講義ノートとして使う一方、趣味やサークルに関する情報貯蔵庫として使う人もいる。

時々、「DropboxとEvernoteの違いがよくわからない」という人がいるが、私なりに解説するなら、Dropboxは自分のパソコンのハードディスクのマイドキュメント(の一部)をそのままクラウド上のサーバーにそのままコピーするアプリであり、Evernoteは自分が集めたデジタル情報をクラウド上のサーバーに一括管理してしまうアプリである。

Dropboxは「box」とあるように、オンライン上での私的な「倉庫」としての使い方を主とするのに対し、Evernoteは「note」とあるように、日常で得たちょっとしたことから大切な情報まで「文書」として記録する「ノート」として使うものと解釈すればわかりやすいだろう。

言い換えるなら、DropboxではWord, Excel, Powerpointなどのファイルがそのままの形で保管されるが、Evernoteではウェブページ、ワープロ文章、画像などの情報が、デジタル情報という汎用形式でEvernoteに保管される。

もっと簡単にまとめると、思いついたことやちょっとしたメモはEvernoteに入れ、作ったファイルを整理するのにはDropboxが便利である。

ま、とりあえず使ってみて下さい(私もEvernoteが使われ始めた当初は使い方がよくわからず、解説書を買いましたが、要は使っているうちにだんだんわかるようになってきました。コンピュータも英語も使っているうちにだんだんわかってくるものです。ちなみにカメラもそうです(笑))。

■ まだ知らない人のためのEvernote入門
http://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/1210/24/news108.html

とりあえずEvernoteを自分のパソコン・タブレット・スマホにインストールしよう。下のガイドをよく読んでインストールしてみてください。

■ Evernoteの使い方
https://evernote.com/intl/jp/getting_started/

上でEvernoteには「情報をとりあえず放り込んでおく」と書いた。実際、情報が少ないうちは何も考えずに放り込んでおくだけでいいのだが、情報がたまってくると、情報の取り出しが難しくなってくる。そうなると「情報の構造化」が必要になってくるが、それについては後日勉強する。今の段階では、興味があれば下の記事を読んでおいてほしい。

▲ Evernote初心者活用ガイド: ノートブックとタグの使い方ルールを晒します
http://southosaka-entre.com/evernote/?p=999




(3c) Google Drive

Google Driveとは、Gmailアカウントをもっている人が無料で使えるクラウドサービスである。

■ 乗り遅れた人のためのGoogleドライブ入門
http://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/1303/13/news105.html

ただし「無料」には裏がある(「タダより高いものはない」)。Google DriveやFacebookといった「無料」のサービスでは、あなたの入力データを巧みに使い、わかりやすい例では個人向け広告などをうつことで商売にしている。下の記事を読んでほしい。

■ Google Driveの利用規約がヤバ過ぎる
http://matome.naver.jp/odai/2133548849141138701

だから、私の場合は、個人的なデータはDropbox(有料版)で管理し、Google Driveでは複数の人たちの間でのスケジュール調整や会合参加申込など目的だけに使っている。これらの用途のためにはFormが非常に便利である。それでも情報漏洩のリスクはやはり怖いのだが、何十人・何百人とメールを交換して調整をすることを考えると、このサービスは非常に魅力的である。とりあえず今は、どんなものかを知っていてほしい。

■ Googleドライブ「フォーム」の使い方活用術!自動収集機能付きアンケートを作ってみる!
http://hoomey.net/googledrive-study-5/


この他にもGoogleは、メーリングリストを運営できるGoogle Groupsのサービスを提供している。興味があれば使ってください。

▲ Googleグループを使ったメールリストの運営
http://edb.miyakyo-u.ac.jp/ugawa/Center/GoogleGroupML.html

しかし2013年夏には、このサービスを使っていた日本の主要省庁から機密情報が漏れていたことが判明した。Google(など)の企業は、できるだけ利用者のデータを活用する方向なので、注意していないとあなたの情報はダダ漏れになってしまうかもしれない。以下の記事も読んでおいてほしい。

▲ 情報処理推進機構: インターネットサービス利用時の情報公開範囲の設定に注意!
https://www.ipa.go.jp/security/txt/2013/10outline.html

Facebookもクラウドサービスの一つで、多くの学生さんも使っているだろうが、Facebookの危険性については以下の記事を始めとした情報を得ておいてほしい。(私はFacebook (FB) の企業姿勢に共感できなかったので、長年FBは使っていなかったがFBを使う人が増えるにつれ、私も使いはじめるようになった。それだけに下の危険性はまったく他人ごとではない。みなさんも本当に注意してほしい。極めて個人的な見解を述べるならFBは怖い。

■ Facebookを利用する上で注意、Facebookの危険性についてまとめ
http://matome.naver.jp/odai/2130720299046181301




(4) 教養を深めるために

上で■印をつけた本は、(比較的)コンピュータに直結した話題の本だったが、実はこういった本が扱っている話題は、下の★印がついた記事に紹介されている本を理解しておくと、ずいぶんわかりやすくなる。大学でつけるべき教養とは、このように一見疎遠に思えて実は深い所で諸事象に影響を与えている脈流を理解することだから、以下のブログ記事も本文だけは理解できる限りでいいから読んでおいてほしい(わからないところは、どんどん質問してください)。

★ ジョージ・リッツア著、正岡寛司監訳 (1999) 『マクドナルド化する社会』 早稲田大学出版部
http://yanaseyosuke.blogspot.jp/2013/02/1999.html

★ ロバート・B・ライシュ (2008) 『暴走する資本主義』 東洋経済新報社
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2009/09/b2008.html

★ ジャック・アタリ著、林昌弘訳 (2008) 『21世紀の歴史』 作品社
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2009/05/21.html

★ ウォーラーステイン著、山下範久訳(2006)『入門・世界システム分析』藤原書店
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2008/10/blog-post_13.html

★ アントニオ・ネグリ、マイケル・ハート著、水島一憲、酒井隆史、浜邦彦、吉田俊実訳(2003/2000)『<帝国>』以文社、アントニオ・ネグリ、マイケル・ハート著、幾島幸子訳、水島一憲、市田良彦監修(2005/2004)『マルチチュード』(上)(下) NHKブックス
http://ha2.seikyou.ne.jp/home/yanase/review2006.html#060425

★ マイケル・ハート、アントニオ・ネグリ著、幾島幸子・古賀祥子訳、水嶋一憲監修 (2012) 『コモンウェルス (上)(下)』 NHK出版
http://yanaseyosuke.blogspot.jp/2013/05/2012-nhk.html

★ モイシェ・ポストン著、白井聡/野尻英一監訳(2012/1993)『時間・労働・支配 ― マルクス理論の新地平』筑摩書房
http://yanaseyosuke.blogspot.jp/2012/10/20121993.html

★ アルフレッド・クロスビー著、小沢千恵子訳(2003)『数量化革命』紀伊国屋書店
http://yanaseyosuke.blogspot.jp/2013/09/2003toeflielts.html



※ 課題

・振り返り: DropboxとEvernoteをインストールして使い始めた上で、そこから学んだこと・感じたこと・その他をBb9の振り返り欄に書いて下さい。

・動画: 「広大教英生がお薦めする英語動画集」に投稿してください。

・予習:次回の■印記事を読んで、感じたこと・考えたことをBb9の予習欄に書いてください。








第7回 (11/12) 情報と知識を構造的に考える (1)


(1) 情報を得るためのGoogle検索


漠然としたことばを検索エンジンに入力しても、漠然とした結果が出てくるだけだ。検索のコツは、的確な用語(可能な限り英語)や正確な数値データなどを入れて、精選した結果を得ることだ。そのためには教養が必要。

■ 遠田和子(2009)『Google英文ライティング』講談社インターナショナル
http://yanaseyosuke.blogspot.jp/2010/04/2009google.html

■ 検索技術以前・以上の教養
http://ha2.seikyou.ne.jp/home/yanase/computer.html#081020


とはいえ、教養は一朝一夕には身につかない。とりあえず、以下のテクニックを確実にマスターしておこう。

■ 意外と知らない、欲しい情報がすぐに見つかる検索のコツ
http://matome.naver.jp/odai/2135161807037074001

■ Google検索サービス:上手に検索
http://www.google.com/intl/ja/insidesearch/tipstricks/basics.html

■ Google検索サービス:もっと賢く
http://www.google.com/intl/ja/insidesearch/tipstricks/ace-a-class.html

▲ Google Scholar ヘルプ
http://scholar.google.com/intl/ja/scholar/help.html




(2) 情報と知識を構造化する


■ コンピュータと人間知性の共進化について
http://yanaseyosuke.blogspot.jp/2008/10/blog-post_7852.html
→この記事を読んで、(1)「仕事が速い人の9の特徴」で自己分析をして、(2)ツリー・マトリックス・リゾーム・タグ・マインドマップについて自分で説明できるようになっておこう。

■ 小林雅一 (2013) 『クラウドからAIへ ― アップル、グーグル、フェイスブックの次なる主戦場』 朝日新書 (再掲)
http://yanaseyosuke.blogspot.jp/2013/11/2013-ai.html  

■ 思考ツールとしてのプレゼンテーションソフト
http://yanaseyosuke.blogspot.jp/2010/03/blog-post_496.html
→授業中の課題:パワーポイントを使って、「自分が大学時代にやりたいこと」をツリー・マトリックス・リゾーム・タグ・マインドマップなどの要領で作ってみよう(パソコンに自信がない人は、予習の段階でこの課題に着手してみてください。その際、上記記事の中で紹介されている「動画マニュアル」を活用してください)。

▲ 動画マニュアル
http://www.dougamanual.com/
ブックマークしておいて適宜参照してください。

▲ 伝わるデザイン - 研究発表のユニバーサルデザイン
http://tsutawarudesign.web.fc2.com/index.html
このサイトを全部読むとなると少し長いし、専門的な箇所もあるので、ちょっと辛いかもしれない。だが、下の四つのページだけはきちんと読んで原理・原則を理解してほしい。

■ 伝わるデザイン:書体の選び方
http://tsutawarudesign.web.fc2.com/yomiyasuku1.html

■ 伝わるデザイン: 色彩と配色
http://tsutawarudesign.web.fc2.com/miyasuku2.html

■ 伝わるデザイン: 文字と文章
http://tsutawarudesign.web.fc2.com/kakkoyoku1.html

■ 伝わるデザイン: 図形と挿絵
http://tsutawarudesign.web.fc2.com/kakkoyoku3.html

■ 授業中に投影するスライド




※ 課題

・振り返り: 「自分が大学時代にやりたいこと」のパワーポイントファイルを完成させ、添付ファイルで提出した上で、そこから学んだこと・感じたこと・その他をBb9の振り返り欄に書いて下さい。

・動画: 「広大教英生がお薦めする英語動画集」に投稿してください。

・予習:次回の■印記事を読んで、感じたこと・考えたことをBb9の予習欄に書いてください。








第8回 (11/19) 情報と知識を構造的に考える(2)


(1) 思考の構造化

■ コンピュータ上で「思考」をするために
http://yanaseyosuke.blogspot.jp/2008/11/blog-post_03.html

■ まとまった文書の作成法 (再読してください)
http://yanaseyosuke.blogspot.jp/2012/01/blog-post_21.html

■ 知的作業のABC
http://ha2.seikyou.ne.jp/home/yanase/education.html#080331

■ 事務文書の書き方の比較
https://app.box.com/s/31rx4vk7b74gbrvtfwda



授業中課題

(1) フォルダ階層構造デザイン:
自分のパソコンハードディスクのフォルダの階層構造をデザインしなさい。その際に使うアプリは、Word、 Excel、Powerpoint、あるいはその他の他の人も無理なく閲覧できるアプリならなんでもかまいません。しかし、そのフォルダ階層構造デザインは他人にも見せますので、プライベートなことなどのフォルダについては省略してください。

(2) 「自分が特にやりたいこと」の命題表現:
前回作成した「自分が大学時代にやりたいこと」のパワーポイントファイルの一つの側面だけを取り出し、さらに詳しく課題分析をしなさい。その際は、上記の「まとまった文書の作成法」の「1 キーワード」と「2構造的関係の二次元的表現」を自分なりに行った上で、「3 構造的関係の時間的表現」にまとめること。「4 文書作成」までやる必要はありません。



(2) 今後のために

今後の授業ではエクセルを使い始めます。エクセルについては苦手意識をもっている人が多いので、そういった人は適切な入門書を購入するなりして、自学自習を始めておいてください。

ともあれ、皆さんの先輩が書いた以下の記事はきちんと読んでおいてください。

■ 「その場凌ぎで最後まで逃げようとする人はアホです」
http://yanaseyosuke.blogspot.jp/2010/07/blog-post.html

■ 初任者教師として働き始めた卒業生3人の声
http://yanaseyosuke.blogspot.jp/2013/05/3.html

■ ある中学校で働き始めた新卒ゼミ生からのメール
http://yanaseyosuke.blogspot.jp/2011/05/blog-post.html 

■ ある私立学校で働き始めた卒業生からのメール
http://yanaseyosuke.blogspot.jp/2012/05/blog-post.html

■ 「目標に向かって一直線に進むことのリスク」 ~ ある学部4年生の述懐
http://yanaseyosuke.blogspot.jp/2013/09/4.html

■ 「目標に向かって一直線に進むことのリスク」 ~ ある学部4年生の述懐
http://yanaseyosuke.blogspot.jp/2013/09/4.html


※課題

・振り返り: フォルダ階層構造デザインを完成させ、ファイル添付で提出。本文書き込み欄には、その際の感想を書くこと。


・予習:今回授業中にできなかった「自分が特にやりたいこと」の命題表現をある程度作って、添付ファイルでBb9に提出してください。来週の授業でそれを完成させます。

同時に、エクセルに苦手意識をもっている人は、「Officeのトレーニング」 の中から、「Excel2010入門:ワークシートを初めて作成する」などの基本的なページを探して、十分に時間をかけて、エクセルに慣れておいてください。残念ですが、授業中には十分な時間を取ることができませんので、どうぞ自宅でゆっくりと時間をかけて少しずつエクセルに慣れていってください。

・英語動画:自分で紹介記事を投稿しておくこと。

★ Graded Readersを少しでも読み進めてください!






第9回 (11/26) 情報と知識を構造的に考える(2)の続き


(1)
■ パワポでまとめてもらった「自分が特にやりたいこと」 の印象的な作品を見てみましょう。


(2)
以下の記事を再読し、「自分が特にやりたいこと」の命題表現を作成します。
予習で、あらかた命題表現を作り、授業中にそれを完成させます。

■ コンピュータ上で「思考」をするために
http://yanaseyosuke.blogspot.jp/2008/11/blog-post_03.html

■ まとまった文書の作成法
http://yanaseyosuke.blogspot.jp/2012/01/blog-post_21.html


※課題

・振り返り:「自分が特にやりたいこと」の命題表現を完成させ、ファイル添付で提出。本文書き込み欄には、その際の感想を書くこと。

・予習:■印の記事を読み、自分なりにエクセルに習熟するための自己訓練をしておく。特にエクセルに苦手意識をもっている人は丁寧に時間をかけて動画などを見て、自分でエクセルを使ってみてください。また、「エクセルは得意」と思っている人も、それはおそらく高校生レベルでの認識のはずです。エクセルはいろいろな使いこなしができるソフトなので、これを機会に、「エクセルの達人」を目指して、ますますエクセルに習熟してください。その学びは社会人になったときに、きっと役立ちますから。

・動画課題:いつものようにブログとBb9に投稿してください。

★ Graded Readersを少しでも読んでみてください!







第10回 (12/3) 表計算ソフト(エクセル)入門 その1




■ Office のトレーニング
http://office.microsoft.com/ja-jp/training/

■ Excel 2010 入門: ワークシートを初めて作成する
http://office.microsoft.com/ja-jp/excel-help/RZ101773335.aspx?CTT=1

■ エクセルで行うタスク管理
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2008/10/blog-post_09.html

■ 2013年度の印象的なタスク管理作品


■ 『日経PC21』の薦め/エクセルの使いこなし
http://yanaseyosuke.blogspot.jp/2008/11/pc21.html

エクセルなどのソフトは、落ち着いて時間をかければ誰でも習得できます。もし習得できないと思っても、それはあなたの知性のせいではなく、あなたが焦ってしまったから(そしてマイクロソフト社のデザインがよくないからw)に過ぎないことをどうぞ思い出してください。

■ 柳瀬が作成した学会やセミナーの事務局ファイル。実際の仕事でどのように表計算ソフトを使うのかの例として御覧ください(ダウンロードの際にはパスワードが要求されます)。
https://www.box.com/s/8zogrlw7eh6td5f08b63

■ Excelでラクラク!アンケート集計
http://d.hatena.ne.jp/anfieldroad/20120120

■ 卒業までの日めくりカウントダウン・カレンダー
http://d.hatena.ne.jp/anfieldroad/20121217



授業中課題

・第8回 (11/19) 「情報と知識を構造的に考える(2)」で作った、「自分が特にやりたいこと」の命題表現(Wordファイル)をもとに、上の「エクセルで行うタスク管理」のフォーマットに準じた形で、タスク管理表をエクセルで作りなさい。



※課題

・特別課題:来週は、ウォリック大学からローズさんという方がいらっしゃいます。皆さんには、一人必ず一回は彼女に英語で質問をしてもらおうと思っています。他の人が既に尋ねた同じ質問をすることはできませんから、自分らしい質問を5つ考えて、それらをBb9に書き込んでください。

・振り返り:タスク管理のエクセルファイルを完成させ、添付ファイルで提出すること。本文には、作成の際の感想を書くこと。

・予習:今回はお休みとします。その分だけ、しっかりとしたタスク管理をエクセルファイルで作成してください。

・英語動画:自分で紹介記事を投稿しておくこと。






第11回 (12/10) 表計算ソフト (エクセル) 入門 その2


以下は、「なんだ!カンタン!Excel塾」(http://kokodane.com/)様がまとめられているエクセルの解説記事を、柳瀬が推定する学生さんの習熟レベルに即して選定し並べ直したものです(「なんだ!カンタン!Excel塾」様には深く感謝します)。

以下の記事をチェックし、「使える」と思った手順はしっかりと練習し、「面白そう」と思った手順は記憶にとどめておいてください。

なお、以下の記事では、古いExcelのバージョンの画像が使われており違和感を覚えるかもしれませんが、Excelのコマンド構造は基本的に同じですから、画像でなくエクセルのコマンド構造に即して自分なりに試して下さい。(今回に限らず、あまりに親切に作られたマニュアルばかり見て使用法を覚えようとすると、自分で考えることを止めてしまい、少しでもソフトに変更があったら手も足も出なくなります。マニュアルに従う場合も、その手順の意味や構造などを考え、理解しながら操作して下さい)。


A 入力関係

A1 セルの選択
http://kokodane.com/kihon4.htm

A2 セル幅より長い文字列を折り返して全部表示
http://kokodane.com/tec1_10.htm

A3 横移動は「Tab」キー「Enter」キーで横移動する方法
http://kokodane.com/tec1_15.htm

A4 数字を入力したら「####」
http://kokodane.com/tec1_5.htm

A5 分数を入力するには
http://kokodane.com/tec1_13.htm

A6 オートコンプリート 
http://kokodane.com/kihon7.htm

A7 セルの書式 表示形式
http://kokodane.com/kihon_syosiki1.htm

A8 セルの書式 配置
http://kokodane.com/kihon_syosiki2.htm

A9 書式の演習
http://kokodane.com/ensyu.htm

A10 連続番号を入れる技
http://kokodane.com/tec1_47.htm

A11 ながーい連番入力もワザで簡単!
http://kokodane.com/tec1_16.htm

A12 スケジュール表を簡単に作成する技
http://kokodane.com/tec3_11.htm

A13 ひとつのファイルの複数のシートを並べて表示
http://kokodane.com/tec1_38.htm


B データ整理関連

B1 ドロップダウンリストの作り方
http://kokodane.com/kihon30.htm

B2 Excelをデータベースとして活用する
http://kokodane.com/kihon8.htm

B3 オートフィルタ機能をマスター
http://kokodane.com/kihon11.htm

B4 データベースをカンタン入力する
http://kokodane.com/kihon9.htm

B5 Excelでデータを入力する範囲を指定するには
http://kokodane.com/tec1_32.htm


C 表示関連

C1 小数点以下1桁まで%表示
http://kokodane.com/tec1_1.htm

C2 点数によって色分け
http://kokodane.com/tec1_48.htm

C3 ウインドゥの固定
http://kokodane.com/tec1_8.htm

C4 「シート」と「ブック」の名前を変える
http://kokodane.com/tec1_4.htm

C5 シート見出しを見やすくカラフルに
http://kokodane.com/tec1_25.htm

C6 罫線の太さ、種類、色を設定する
http://kokodane.com/tec1_21.htm

C7 一行おきに色を変えて見やすくする方法
http://kokodane.com/tec2_16.htm

C8 パパッと表を見栄え良く
http://kokodane.com/tec1_20.htm

C9 Excelで ふりがなを表示するには
http://kokodane.com/tec2_5.htm



D 編集関連

D1 内訳やメモはコメントで
http://kokodane.com/tec2_17.htm

D2 2つのセルのデータをくっつける
http://kokodane.com/tec1_27.htm

D3 データ範囲に名前をつけてすばやく選択
http://kokodane.com/tec1_28.htm

D4 いちどに複数の行を挿入するには
http://kokodane.com/tec2_19.htm

D5 すばやく選択範囲を拡張する
http://kokodane.com/tec2_sentaku.htm

D6 罫線を除いてコピーするワザ
http://kokodane.com/tec2_26.htm

D7 行と列を入れ替える
http://kokodane.com/tec1_17.htm

D8 列の幅を変えずに表をコピーする
http://kokodane.com/tec1_22.htm

D9 大事なファイルにパスワードをかけたい
http://kokodane.com/tec2_7.htm


E 印刷関連

E1 ヘッダーやフッターをつけて印刷
http://kokodane.com/tec1_31.htm

E2 2ページ目以降にも項目名を表示して印刷
http://kokodane.com/tec1_18.htm

E3 Wordに転送して宛名ラベル印刷
http://kokodane.com/tec2_37.htm



※ 課題

・振り返り: 上記のエクセルの技をすべて試した上で、どれが自分にとって有益だったかを具体的に書いて下さい。

・予習(の代わりの課題):来週は特別授業ですので、来週の予習課題はありません。しかし、 上記のエクセルの技も使いながら、タスク管理のよりよい作品を添付提出してください。Bb9本文にはその際に考えたこと・感じたことなどを書いて下さい。

・動画紹介:いつものように行って下さい。

★ 第一に自分のために、第二に(将来の教英生も含む) ブログを読んでくれる人のために、graded readersを読んで、紹介記事を投稿してください。一番時間的余裕がある現在、自分を律することができなければ、高い英語力を獲得することは困難です。しっかりと努力を継続してください。



広大教英生がお薦めするGraded Readers
http://kyoeigradedreadersselection.blogspot.jp/






第12回 (12/17) 特別授業


この日は特別授業なので、課題だけを提示します。

※課題

・復習課題:Bb9に掲示されているタスク管理「印象的な作品(改良ポイントの指摘あり)」の中から一つファイルを選び、それを自分なりに改良してBb9に提出してください。あるいは、自分が作っていたタスク管理ファイルを、前の回で学んだエクセルのテクニックなどを使って、さらに洗練させてBb9に提出してください。

・冬休み課題:この授業はポートフォリオ評価しますので、http://yanaseyosuke.blogspot.jp/2013/09/2013.html の記事を読んで、その準備をしておいてください。

・冬休み特別課題: Graded Readersを最低一冊読んで、その紹介記事をブログ (http://kyoeigradedreadersselection.blogspot.jp/) に掲載し、かつBb9にもその記事内容のコピーを提出してください。

・動画課題:いつものように、次の授業までに動画紹介記事をブログに掲載してください。






第13回 (1/14) 基礎統計と表計算ソフト操作(その1)


※2015年1月7日(水)は、月曜授業の振替日なので、この授業はありません。


以下、相沢裕介(2010)『統計処理に使うExcel2010活用法―データ分析に使えるExcel実践テクニック 』 カットシステムを教科書として使います。ですが、エクセル操作がある程度得意な人は、以下の説明・ファイル・記事だけで理解できますので、購入は自分の判断で行って下さい。

※ 今回からK208のPCのOSは必ずWindows 7 (教育学部版) を選択してください。他のOSですと、以下の「分析ツール」が使えません。


■ 分析ツールを読み込む(アドインする)

各種統計分析は「分析ツール」を使えば非常に簡単に実行できます。しかし「分析ツール」は最初はエクセルに入っていないので「アドイン」する必要があります。

Excel 2010でしたら、「分析ツール」をアドインするためには、次の操作を行って下さい。「ファイル」のタブから「オプション」を選択→「アドイン」を選択→「アクティブでないアプリケーション アドイン」から「分析ツール」を選択→「設定」アイコンをクリック→エクセル画面に出てきたダイアログボックスから「分析ツール」にチェック印を入れてOKをクリック。

以上で完了です。エクセル画面の「データ」タブを選択すると右上に「データ分析」が出ているはずです。そこをクリックすればデータ分析のアドインが使えます。

このアドイン方法については、マイクロソフトがいつものように親切な(笑)マニュアルを整備してくれています。
http://office.microsoft.com/ja-jp/excel-help/HP010021569.aspx

自分のPCのエクセルでも分析ツールを使えるようにしておいてください。


■ 計算結果に出るEという記号

しばしばエクセルでは計算結果の中にEが出ますが、これは演算の都合で自動的に指数表示になってしまったものです。この表示では何のことかよくわからないので、この場合は、そのセルを、「書式→セル→表示形式→数値」のように選択し、「小数点以下の桁数」を適当に定義することによって、常識的な数値表示にすることができます。


■ エクセル成績処理課題

(提出は電子媒体と印刷媒体で。電子媒体は2/9(月)23:59までにBb9に提出。印刷媒体は2/9(月)の15時までに英語教育図書室に提出)

※なお、2/9(月)23:59までには、この後期授業全体のポートフォリオもBb9に提出してもらいます。(参照 http://yanaseyosuke.blogspot.jp/2013/09/2013.html)。ですから、学期末は、以下のエクセル課題とポートフォリオの両方が課されますから、両方共(特にポートフォリオは今から着実に作っておいてください)。


課題の説明

このデータファイル (http://www.box.net/shared/7hoqxfka7t)は、あなたが英語教師として担当した1年1組と1年2組の、校内実力テストの点数(100点満点の素点)です。1年は10組までありますが、あなたは担当していないクラスのデータはもっていません。第一回目のテストは5月に、第二回目のテストは10月に行われました。問題作成者は第一回目と第二回目で異なっています(当然問題も異なっています)。

あなたはクラス担当教員として、これらテストの結果を英語科主任と各々の生徒に対して報告する義務があります。エクセルを使って必要な分析を行い、報告書を作成しなさい。なお報告書は英語科主任に対して提出するものとし、そこには、(a)1組と2組の違いに関するクラス全体の分析と、(b)それぞれの生徒個人に対しての報告の基になる分析の最低二種類の分析が含まれているものとします。

また、本来なら報告書には統計分析の進める際の考え方などは書かずに、結果だけを分かりやすく示せばいいのでしょうが、この報告書は統計分析の基礎を学ぶためのものですから、どうして示されている分析をするのか、またその結果はどんな意味を持つのかを分かりやすく説明するようにしてください。

なお提出に関しては、今回はA4に(カラー)印刷したものも提出してください。印刷してきちんと表示されるファイルを作ることが課題の一つの要素です。

A4 で印刷したらまともに読めないようなファイルは採点の対象としません。電子的にはうまくできていても、印刷するとフォーマットが乱れることはよくあることです。職場では印刷してファイルを提示することが多いのでこの要求を出します。結構時間がかかりますので、きちんと計画的に課題を完成させてください。(なお、昨年までは、ワードファイルにエクセルの図表を貼り付けたファイルの提出を認めていましたが、今年度はすべてエクセルファイルで提出することとしますので注意して下さい)。

さらに、この課題では「相手にとって親切な文書」を作成することを大切にしてください。以下の問いについて自分なりに答えてみてから文書を作成してください。(言い換えるなら、甘やかされた中高生が作成するような課題文書を作成しないでくださいということです)。

・自分がやったことを書き連ねた文書と、忙しい他人に見せる文書の違いは何か。言い換えるなら、単位を取ることしか考えていない生徒の提出文書と、有能な社会人が提出する文書の違いは何か。

・表紙はつけるべきか。それは何故か。

・文書の冒頭には何を書くべきか。それは何故か。

・ホッチキスは紙の左上に打つべきか、それとも右上か。それは何故か。

・「そんなこと教えてもらっていないから、知りませんでした・できません」といった弁明は、自分を成長させると思うか。また、社会に歓迎されると思うか。理由を考えながら自答せよ。


■ 関連記事:考える・調べる・尋ねる
http://yanaseyosuke.blogspot.jp/2009/04/blog-post_13.html


解説ファイル

■ 解説ファイル その1
http://www.box.net/shared/8y3ctyaq4d

■ 解説ファイル その1への解説補助資料
http://www.box.net/shared/hpui6krj6ygo54z76v7e



★ 統計を「理解」するための推薦図書












★ 本気で数学を学び直したいのなら、以下の本がお薦め。






※課題

・振り返り:解説ファイル1とその補助資料をよく読んで理解し、それを通じて学んだこと・考えたこと・感じたことなどをBb9に書いて下さい。

・ 予習: 次回の解説ファイルを読んで、わかったこととわからなかったことを整理してBb9に書いて下さい。(ただし、「解説ファイル その2」の「信頼区間」に関しては、授業では取り上げません。こういった用語と考え方がある、ぐらいの理解でとどめておいてくださって結構です)。

・英語動画:自分で紹介記事を投稿しておくこと。



第14回(1/21) 基礎統計と表計算ソフト操作(その2)




※この日はインフルエンザによる欠席者が多いので、授業は、前週の簡単な復習と、課題遂行についての簡単な説明を中心に行います。
ちなみに課題では、エクセルをきちんとA4で収まるように印刷することを求めます。以下のページなどを参考にしてください。

■ Excel(エクセル)基本講座:印刷/印刷プレビュー
http://www.eurus.dti.ne.jp/~yoneyama/Excel/insatu.htm

■ Excelの印刷でありがちなトラブルを無くすTips
http://matome.naver.jp/odai/2135839940438751801



※課題

・振り返り:授業を通じて学んだこと・考えたこと・感じたことなどをWebCTに書いて下さい。

予習: 次回の解説ファイルを読んで、わかったこととわからなかったことを整理してBb9に書いて下さい。(ただし、「解説ファイル その2」の「信頼区間」に関しては、授業では取り上げません。こういった用語と考え方がある、ぐらいの理解でとどめておいてくださって結構です)

・英語動画:自分で紹介記事を投稿しておくこと。







第15回(1/28) 基礎統計と表計算ソフト操作(その3)




■ 解説ファイル 推測統計に関するパワーポイントスライド
http://www.box.net/shared/fhe3sdo5j6

■ 解説ファイル その2
http://www.box.net/shared/l61jtk3aip

■ 全国学力テストに関する報道(毎日新聞2013年12月13日)※パスワード有り
https://app.box.com/s/wcixujbb1wo5szatvc9k



★ 「社会調査」のウソ
テレビや新聞のニュースで報道されたりネットで流れたりする各種の社会調査の中には、非常にバイアスがかかったものがあります。そのような「社会調査のウソ」を見抜くためにも、『「社会調査」のウソ―リサーチ・リテラシーのすすめ (文春新書)』の一読をお薦めします。



※課題

・振り返り:授業を通じて学んだこと・考えたこと・感じたことなどをWebCTに書いて下さい。

・英語動画:自分で紹介記事を投稿しておくこと。









2014年9月20日土曜日

世界との和解そして調和としての写真撮影



感性の点で私が深い影響を受けた人に、東京都写真美術館を教えてもらったのはもう何年も前のことになるが、正直その頃の私はそれほど写真に興味をもっていたわけではなかった。

それでも卒業式などで学生さんの写真を撮るためにコンパクトデジカメを買ったものの、レスポンスが遅く、目をつぶった瞬間の学生さんの写真を量産していた。だから、「何でもいいから」とキャノンの安い一眼レフ(当然のごとくデジタル)を買ったが、それほど写真は撮らなかった。とはいえ、一眼レフを買うとそれなりに写真に興味を持ち始め、昨年の初夏に思い切ってフルサイズのニコンのD600を買った。

だが、本格的に写真を撮り始めたのは、今年の3月からだった。

昨年の晩秋から冬にかけて、私はまたも体調を崩し耳下腺炎などを患っていたが、体と心は連動しているもので、そのうちごく軽いうつ状態になった。それでも人生万事塞翁が馬で、それを機会に臨床心理学関係の本をたくさん読み、自分を振り返ることができたのは幸いだった(学部2年生の時に、転学科しようかと思うぐらい夢中になっていたユング心理学に再会できたのは特に大きかった)。

季節が春に向かうにつれ、調子もだいぶ戻ってきたが ―考えてみれば私は冬には調子を落としていることが多い― その時、突然感じたのが「写真を撮りたい」という衝動だった。広島駅から新幹線で東京に向かう直前に、広島市内の家電量販店に立ち寄り、「とにかく携帯しやすいデジカメを」ということで買ったのがニコンのP340だった。

以来、私は写真に夢中になった。実際、購入直後に乗った新幹線で私はバッテリーを充電し、東京駅に降りた時から写真を撮り始めていた。

P340は、一眼レフでできることの多くができるのに、極めて小さく、常に携行でき、画質もかなりよいコンパクトデジカメだった ―カメラのことをよく知らない一般の人がこのデジカメで撮影した写真と本格一眼レフで撮影した写真を区別することは難しいかもしれない―。その多機能性・携行性・高画質性に促され私は写真に夢中になった。

しかし、それよりも大きかったのは、私が情動・感情表現の媒体を得たということだった。

私が自己分析する限りにおいて、私の不調には、仕事のしすぎによる慢性的な過労とストレスが基盤としてあるものの、それ以外に、私がうまく自分の情動と感情 ―両者の違いについてはDamasioの論をご参照ください― を表現できていないことが原因としてあった。情動と感情の不全を、仕事中毒でごまかすという悪い循環に私は入っていた。

近代知の研究と教育という職業に過剰適応することにより、私は、幼少の頃から抑圧していた身体的な情動と意識的に心で自覚する感情をさらに抑圧していたのかもしれない。だから職業的機能はこなせても、自らの身心を、ずいぶん押さえつけていたのだろう。その歪みは、さまざまなところで出て、自分はおろか他人も苦しめていたはずだったが、私はその自己抑圧の自覚がほとんどなく、「人生はこんなものだろう」と思い込んでいた。

しかし身心の不調に迫られて読んだ臨床心理学の本による自己分析と自己セラピー(アクティヴ・イマジネーション)の試みで、自分は相当に情動と感情を否定した人生を生きていたらしいことがわかった。

誤解のないように言うと、私は社交的な情動・感情表現 ―儀礼的な微笑、愛想笑い、はては追従など― は人並みに、あるいは人並み以上にできる。私はこれを機能社会での重要技術として意識的に学び獲得した。しかし、自分自身に対して、あるいは社交より深い親密な他人に対して、自分の情動と感情を自然に表現することは苦手としていた(いや、苦手であると自覚しないぐらいに抑圧していた)。

さらにいうなら表現以前に、私は自分の情動や感情をうまく発見すらできていなかったのかもしれない。「情動やら感情にかまける時間があるなら、仕事をせよ」と私は自分を追い立てていた。そしてその追い立ての激しさと一徹さで私は職業上のそれなりの成功を享受していた。

「それでは」と、自分の情動や感情を発見し、表現しようとしても、これが長年の歪みでうまくできなかった。自らの偏りを自覚した身心は情動と感情の発見と表現を欲し始めていたのだが、いざやろうとしてもうまくできない。

そこに現れたのがコンパクトデジカメだった。私はとにかく毎日持ち歩いた。日によっては一日百枚ぐらいは撮影した。撮影といっても、わざわざ旅行に行くほどの余裕はない。撮影は通勤途上、せいぜい出張の折ぐらいに限られた。花や風景のスナップがほとんどだった。

私は被写体という世界のあり様に自分の情動や感情を見出そうとした。こと情動・感情に関しては、言語的媒体よりも非言語的媒体の方が適している。情動や感情に関して、言語はあまりにも粗すぎる(文学的表現はもちろん精妙だが、それでも、そのことばは、朗読のニュアンスといった非言語的な表現手段を必要としている。そして文学的表現は、私が関与している英語教育界でも近年どんどんと軽んじられている)。

P340といった優れたコンパクトデジタルカメラは、私に情動・感情を発見し表現することを促す、この上ない非言語的な道具となってくれた。私はこれまで抑圧していた自分の情動・感情を、被写体に発見しそれを表現しようと毎日、毎日、写真を撮った。

しかし、それは発見よりも表現の方が勝っていたかもしれない。撮り始めた頃の写真の一部は例えばFlowersというFacebook上のアルバムにあるが、ここの写真の多くは、わざとカメラを振ったり、焦点を外したり、極端なRAW現像をしたりと、私の表現欲動によって世界のあり様を大きく変化させた写真が多い。極めて人間洞察に長けた私の友人の一人は、そんな写真を見て「柳瀬さんを写すのではなくて、もっと被写体を写したら」と助言してくれたが、当時の私は、世界のあり様よりも、自分の情動・感情の方が大切だった。今思うと、あの「実験的」な表現は、私が必要としていた過程だったのかもしれない。

そうやって写真を撮影し続け、Facebookに掲載し、人からのコメントももらい、また他人の写真も見るようになると、コンパクトデジカメがもつ画質の限界に気づき始めた。

しかし私にとって常にカメラを持ち歩くということは必要条件だった(残念ながら撮影旅行に行く時間的余裕はほとんどない)。「それなら、一眼レフを常に持ち歩けばいいのだ」と思い直し、KATAのスリングバッグ (KT DL-LT-315-B)を購入した ―これまた優れた製品だ―。これは大きな転機となった。以来、カメラは私にとって一層欠くべからざるものになっている(私は冗談半分によく「カメラは私の精神安定剤です」と言っている)。

そうして写真を撮り続けながら、写真の撮影技術・理論・哲学・歴史等などについての本を読みあさり、自分なりに気に入った写真集も何冊か買い、写真についての学びを続けた。もちろん学びの中心は、自ら撮影し、その写真を見ては反省し、その反省を活かして新たに撮影するというまさに "Reflective Practice"だ。だが、その反省における気づきを促すためには、先人の知恵が凝縮した書籍というのは本当にありがたい。

そうやっているうちに、やがて私にも発見と表現のバランスが少しはとれるようになってきた。自分の表現欲動により、被写体を強引に編集加工するのではなく、自分の心にかなう被写体を発見し、それをできるだけそのまま表現するようになってきた。現在、撮影し掲載している写真は、時間がないこともあり、RAW現像は一切していない、いわゆる「JPEG撮って出し」である(だがもちろん、ピント・絞り・シャッタースピードや、カメラで設定するピクチャーコントロールなどに関しては自分なりの工夫はしている)。

写真家の相原正明氏 ―氏による『誰も伝えなかった ランドスケープ・フォトの極意』は私がこれまで読んだ写真関連の数十冊の本の中でも最良の部類に入る本だ― は、(風景)写真を「宇宙とカメラと心のシンクロ」だと表現している。その表現を換骨奪胎して言うなら、私にとっての写真撮影は、最近ようやく「世界と自分の調和あるいは和解」になってきた。

以前の私の写真は、「世界の利用による自己表現」だったのかもしれない。私は世界の中に、自らの情動や感情を十二分には見いだせなかった。だから撮影・現像の極端な技法で世界のあり様を大きく加工していた。だが、最近、ようやく私は世界のあり様、日常の風景に自分の情動や感情を見出し、それをできるだけそのまま表現できるようになり始めたのかもしれない。

写真を撮り始める前の私は、世界のあり様を無視し否定していた強度の仕事人間だったのだろう。

写真を撮り始めて、私は世界のあり様に気づき始め、それと自分の心との関係を築こうと努力し始めた。

本格的に撮影を始めて半年ぐらいたち、私はようやく世界と和解し始め、世界との間に調和を見出し始めたのかもしれない。

今は、「このような世界のあり様を、私はこれまでの51年間も気づいていなかったのだ」と毎日のように驚いている。そしてその驚きを写真という形にしようとしている。

私はまだ写真の名作をそれほど知っているわけではないが、それでもWilliam EgglestonHenri Cartier-BressonAnsel AdamsAugust Sander植田正治木村伊兵衛ハービー山口川内倫子内田ユキオ岡嶋和幸田中長徳、そして先程も言及した相原正明などの作品には惹かれ、写真集も買っている。

そうやって買った一つにAlbert Renger-Patzschの写真集があるが、彼の有名な作品のタイトルはDie Welt ist schön 『世界は美しい』である。


「世界は美しい」と、生まれたことの恵みを実感できるようになったとしたら、写真というのも佳い趣味だろうと思う。



と、理屈を並べましたが、私はまだまだ非常に写真撮影が下手です。しかし下手な人間ほど、自分が撮った写真を他人に見せたがります。私もFacebookで掲載しているだけにとどまらず、下手をすると仕事でメールを送る相手にまで写真を添付するようになってきたので、「これではまずい(汗)」と、誰にでもアクセスできる写真公開サイトFlickrに写真を掲載し始めました。



ご興味とお時間がありましたら、一度覗いてやってください。

そして、もし写真撮影に興味を持ち始めた方がいらしたら、「どうぞお始めください。いいですよ」と申し上げたく思います。











2014年9月14日日曜日

「研究力強化に向けた教員活動評価項目」への回答前文



今年度、私は講座主任となりましたが、順番で言語教育系の三講座をまとめる専攻長も兼任することになりました。さらに今年度は、組織改革を行わなければならない年であり、その関係で改組委員会やらその他の委員会に引っ張り回されることとなりました。

その一つの委員会では、数値管理型の「研究力強化に向けた教員活動評価項目」を提出することが大学本部から求められ、私が所属する研究科もその枠組での項目案を提出することになりました。

しかしその枠組での回答をする一方、その枠組自体についての検討を促す文章を添えるべきではないか、ということを委員会で私はずっと主張していましたら、案の定、「それなら君がその文章の草案を書きなさい」ということになりました←黙っていることができない損なタイプ(笑)。

以下の文章は、その草案の下書きです。読者の皆様で、もし何かご意見があればお知らせください。この程度の文章は公開してもいいし、むしろ税金を使って運営されている組織である以上、多くの皆さんの意見を求めるべきだと考えて、ここに公開します。





■ この前文の必要性について

標記の件につき、教育学研究科は回答しますが、そもそもこの件の枠組自体に対しての懸念が、少なくとも一部の教員から表明されましたので、この懸念も合わせて教育学研究科の回答としてお受け取りいただきたく、ここに前文を記します。

今回の「研究力強化に向けた教員活動評価項目」は、各研究科の研究力・教育力を向上させるために、個々の教員の活動を数値化してそれを教員の処遇に反映させるという発想であると理解します。

ここには、

(a) 研究・教育活動は要素分解的に数値化でき、その数値を統合すれば研究・教育活動を正しく反映することができるという前提(=数量化の妥当性の前提)と、

(b) 個々の教員を数値評価とそれに連動した処遇で競わせることにより組織が活性化するという前提(=個人間競争の妥当性の前提)


があると考えられます。

言うまでもなく、この発想は近年多くの領域で見られている発想であり、近代組織としては「当然の常識」であるとお考えの方も少なくないでしょう。しかし人々がある事を「当然」と思い、疑いを挟むことを忘れた時、あるいは疑いを挟む者を異端視する時、社会は大きく誤りうるというのが歴史が教えることでもあります。ましてや私達の組織は高等教育機関であるわけですから、当然視されている営みに対しても批判的意識を失うわけにはいきません。そこで、ここでは上の、数量化の妥当性の前提と個人間競争の妥当性の前提についての若干の検討を加えます。



■ 数量化の妥当性の前提について

数量化は西洋近代の特徴の一つであり、時間・空間・現象をできるだけ分割した要素に還元し数量化し、要素間の関係性を記述した数量モデルを構築します。この技術的合理性により、西洋近代文明は自然を制御し支配する力を他の文明にもまして獲得しました。要素還元・数量化・モデル制御は、科学技術のみならず資本主義経済とも親和性が高く、数量化の妥当性は、科学技術と資本主義の繁栄と同じように、近代の常識と思われるようになりました。

しかし、この技術的合理性が、本来は、要素還元・数量化・モデル制御になじまず、その場に生きる人々のコミュニケーションにより了解し合い解決すべき領域までに侵食していることに警鐘を鳴らしたのがハーバマスです。人々の話し合いなどではなく、技術的合理性により物事を進歩させなくてはならないという考え方が、人々の批判を免れたイデオロギーとなりつつあることを彼は20世紀後半の早い時期から指摘していましたが、彼の警鐘の重要性は、後に紹介する事例でますます明らかになっています。



■ 個人間競争の妥当性について

複数の人間が集うところでの社会的な相互作用の創発よりも、個々人を競わせることによる個人的競争力の向上を重んずる思考法は、新自由主義的発想の特徴の一つです。新自由主義は、私的所有権・自由市場・自由貿易を強力に促進する資本主義的ビジネスモデルを、公共性の高い、医療・福祉・環境・警察・軍事・教育・研究などに当てはめることを推進し、国家の役割はそのための制度的枠組みを作ることだと考えます。今回の評価制度の導入も、まさにその流れにあると考えられます。

この新自由主義的な発想は、一定の時代的な意義はあったものの、近年の加速化に対して批判が高まっていることは、資本主義的発想の行き詰まりの指摘と共にますます私達の注意をひいているところです。そんな中に、広島大学がもし無批判的に新自由主義的な個人間競争を促進する制度を導入することには懸念を覚えずにはいられません。



■ 米国経営コンサルタントによる自己批判

話をこれ以上抽象化・理念化せず、具体的なレベルのものにしますと、数量化モデルにより従業員個人を競わせる経営方法には、それを推進していた当の経営コンサルタントから反省の念が聞かれています。フェランはMITで博士号を得た後、米国の大手コンサルティング会社に長年勤めたコンサルタントですが、彼女は、「目標による管理」や「競争戦略」などのお題目を唱えて、論理的な分析を行いさまざまなモデルや理論を駆使して、その結果、会社を傾かせてしまった経営コンサルタントを代表して詫びるために書を著しました。それによりますと、いくつかの数的指標(数値目標)を定めてその評価基準をもとに経営を行うと、以下のようになり、経営が失敗することがほとんどです。

(1) 部下は評価基準ばかり気にして、上司と意味ある会話をせず評価基準に関することしかやらなくなる。

(2) データ分析や報告書の作成ばかりに追われて、全員で実際に問題に取り組む時間がなくなる。

(3) 時には評価のための数値を不正に操作してしまう。

(4) 上層部も数値ばかり気にして、まるでダッシュボードの数値ばかり見ながら自動車を運転する人間のようになり、判断を誤る。



「評価指標は、せいぜい参考にすべきものであり、管理の方法になってはいけない、ましてや評価基準とインセンティブ制度を絡めて懲罰的な効果が出てくるようになると、評価指標そのものが目的になり、本末転倒が起こってしまう」というのが、経営コンサルティング会社の最前線で長年過ごした彼女の結論です。



■ MBA文化の蔓延に対する批判

もちろんこういった批判的見解は彼女だけのものではなく、経営学の大家ミンツバーグも、サイエンスに偏りすぎた官僚的な「計算型」のマネジメントスタイルを批判し、それを生み出しているMBA文化を批判し、次のように述べています。

立派な組織をつくるには何年もかかるが、衰退させるには数ヶ月もあれば十分だ。民主主義社会を築くには何世紀もの期間を要するが、その土台を揺るがすには数十年でいい。リーダーシップという古くから存在するものも、MBA流のマネジメントという比較的新しいものによって簡単に破壊される恐れがある。私に言わせれば、教育、マネジメント、組織、社会に蔓延している腐敗--腐敗という言葉を私は軽々しく使っているつもりはない--の原因は、MBA教育にある。


また日本でも、1990年台後半からはなばなしく導入された「成果主義」も停止や修正をよぎなくされている企業が多くあります。



■ 非営利組織(世界銀行)の例

営利企業ですら、こうなのですから、非営利組織においては、数値管理・個人間競争経営については、一層の警戒が必要です。元世界銀行副総裁の西水美恵子氏は2014年7月20日に毎日新聞で世銀での経験を語っています。それによりますと、世銀では担当プロジェクトの数や融資総額などのアウトプット(output)を功績とし、それにより報酬と人事が大きく左右されていたそうで、数値に現れにくい側面も含めたアウトカム(outcome)を評価している教育機関や優良企業がうまく行っていることを知りつつも、そういった「ソフトな思考」を侮る空気が強かったそうです。

それを一変させたのが、金融企業出身のある総裁で、就任早々ブラジルとインドの貧民街を視察し、取締役会でこう発言しました。「この旅で、世銀融資の成果は、発展途上国の子供たちの笑顔にあると学んだ。プロジェクト件数や融資総額などのアウトプットは、むろん無視できない。しかし、次世代の笑顔なしには、世銀の未来さえ危うくなりかねない」。総裁はさらに「笑顔の成果を追う仕事は、同じ笑顔の職員にしかできない」とも付け加えたそうです。これにより世銀の改革が始まり、紆余曲折の末、「大切なのは職員と上司の対話だと学んだ」と西水氏は述べています。

前述のフェランも、職場での話し合いこそが重要だとして、「モデルや理論などは捨て置いて、みんなで腹を割って話し合うことに尽きる」と述べています。彼女が関わった経営コンサルティングで成功した例は、実は経営モデルに拘泥せずに、職場でのコミュニケーションを促進した例でした。人々のコミュニケーションによって解決すべき複雑で多面的な問題を、単純な技術合理性で解決しようとする考えがイデオロギー化し、技術合理性を疑い人々の話し合いの重要性を訴える人々を鼻で笑うようなことになってしまうことの危うさを批判していたハーバマスの指摘は半世紀たった今、まさに重要な警鐘となっています。

それにしても自然科学や工学で当たり前の数値データによる定量的管理は、なぜにこのように人間世界の営みにおいてうまくゆかないのか得心のいかない方もいらっしゃるかもしれません。しかし以下の三つの観点から考えれば、定量的管理だけで「科学的に」人間の営みを制御しようとすることが無理であることが理性的に納得できるかと思います。

第一の観点は複雑性です。自然科学は、複雑性 (complexity) についての理解を深めるにつれ、単純な因果関係が成り立つのは、極めて限定された系の中でのみであり、様々な要因が絡み合い偶発性が高まる大きな系においては「AをすればBが生じる」といった単純な因果は想定できないことを明らかにしてきました。大学という組織での研究や教育も閉ざされた単純な系での現象ではないことはご承知の通りです。

第二の観点は主体性です。人間を客体(=対象, object)として数的モデルを構築し、それにより人間を客体として操作しようとしても、人間は外界と自己を意識できる主体でもありますから、その主体性により、客体として把握された法則を超える(あるいはその法則から逸脱する)ことができます(あるいはありえます)。古典的な例は「ホーソン効果」であり、人間は期待された場合、それだけの理由で、特に物理的要因の向上などなくともパフォーマンスを上げることがあります。人間を客体として考えるだけでは説明のつかない現象です。医学の世界ではプラセボ効果として知られているのも周知の通りです。プラセボ効果のメカニズムについては未だ十分な科学的解明がなされていませんが、プラセボ効果(あるいはホーソン効果)という事実があることを否定することは反科学的なことです。科学的な態度とは、人間の主体性を否定したり排除したモデルを作りそれに拘泥することではなく、人間の主体性という現在の科学ではまだうまく説明できない事実を勘案にいれることだということには異論はないかと思います。

第三の観点は無意識です。人間は主体性における自己意識で自らを把握している以外の要因、すなわち無意識においても大きく駆動されていることは、フロイトやユングの精神医学やロジャースなどのカウンセリングが明らかにしている通りです。主体性をもつという点でも、人間は単純に客体化(対象化)して予測・管理されるものではないことがわかりますが、それ以上に人間には無意識の領域があり、それが本人や関係者にも予想のつかない働きをすることも私達は既に十分に知っています。精神医学やカウンセリングは、狭義の自然科学ではありません。DSM (Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders)のようにこれらの領域を標準化しようとする試みもありますが、解釈の問題や、そもそもDSMが特定の利益誘導のために作られ運用されているのではないかといった批判も出るなど、人間の心の働きは、未だ厳密な自然科学理論によっては説明できるものではありません。むしろ自然科学的な装いによる権力乱用に対する警戒がなされているぐらいとすら言えます。

これら複雑性、主体性、無意識といった観点から考えても、数的データとそれによる数的モデルを「科学的」だと信頼し、その結論に多大な権力を与えることは科学的ではなく、危険でもあることはご理解いただけると思います。


今回の「研究力強化に向けた教員活動評価項目」を推進する方々が、もしこの前文を読み、「何を青臭いことを」と冷笑的になったり、「そうはいっても、この方向で改革をするしか途はない」と思考放棄的になるとしたら、それこそ、私達は時代の流れとともに大きな過ちを犯そうとしているのではないかと考えるべきではないでしょうか。「教員活動評価項目」に過大な期待をかけ、過大な権力を付与することは危険だと考えられます。批判的意識を失わないことこそ大学の根幹かと思い、この前文をしたためました。





関連記事

アルフレッド・クロスビー著、小沢千恵子訳(2003)『数量化革命』(紀伊国屋書店)
http://yanaseyosuke.blogspot.jp/2013/09/2003toeflielts.html

ユルゲン・ハーバマス(1968/2000)『イデオロギーとしての技術と科学』(平凡社ライブラリー)
http://ha2.seikyou.ne.jp/home/yanase/review.html#060222

デヴィッド・ハーヴェイ(著)、渡辺治(監訳)、森田成也・木下ちがや・大屋定晴・中村好孝(翻訳)『新自由主義』作品社
http://yanaseyosuke.blogspot.jp/2013/05/blog-post.html

カレン・フェラン著、神埼朗子訳 (2014) 『申し訳ない、御社をつぶしたのは私です コンサルタントはこうして組織をぐちゃぐちゃにする』大和書房
http://yanaseyosuke.blogspot.jp/2014/05/2014.html

ヘンリー・ミンツバーグ著、池村千秋訳『MBAが会社を滅ぼす マネジャーの正しい育て方』日経BP
http://ha2.seikyou.ne.jp/home/yanase/review2006.html#061103

時代の風:「人をつくる」管理職=元世界銀行副総裁・西水美恵子
http://mainichi.jp/shimen/news/20140720ddm002070049000c.html