Wiredの記事が紹介しているサイトは、「WikipediaやGoogleに取って代わるものではない」とWiredも言っていますが、これらのサイトおよびNHKの番組で紹介されたサイトは、インターネットに接続されたパソコンをみんなが使うようになったらどんな大変化が起きるのかの予兆を示しているようでした。そのうちのいくつかをここでも紹介します。これらは日本の英語教師が教材を探すのにも便利かもしれません。
Cosmeo
http://www.cosmeo.com/welcome/
Education.com
http://www.education.com/
Smithsonian Education
http://www.smithsonianeducation.org/students/
Smithsonian Research
http://www.si.edu/research/
記事でも番組でも紹介されているのはCURRIKIです。
CURRIKI
http://www.curriki.org/
CURRIKIは、教師が教材・教案を共有するシステムです。最近は校内LANで教材・教案を共有する学校も出てきましたが、CURRIKIはこれを世界規模でやろうというものです。教師同士が教材・教案を通じてコミュニケーションを取り合う姿も番組では紹介されました。
記事では取り上げられていないものの番組では紹介されていたのが、
SparkNotes
http://www.sparknotes.com/
CliffsNotes
http://www.cliffsnotes.com/WileyCDA/
です。
SparkNotesはハーバード大の学生によって始められたサイトを出版業のBarnes & Nobleが買収したものだそうですが、文学作品、歴史、映画、哲学などの分析やコメントが無料で入手できます。
http://en.wikipedia.org/wiki/Sparknotes
CliffsNotesは文学、外国語、数学、科学などでの学習ガイドが無料で得られます。このサイトは教師、プロのライターやエディターによって書かれているとサイトは説明しています。
http://en.wikipedia.org/wiki/CliffsNotes
イギリスには
York Notes
http://www.pearsoned.co.uk/bookshop/subject.asp?item=108
があるようです。
これらは、ウィキペディア以上の知の世俗化を示しているのかもしれません。知は断片化され、質もどんどん落ちてゆくと嘆くことは正当なことでしょう。しかし一方でこれらは知の一層の社会化を示しているとも考えられます。これらの知の共有財産をベースに、使用者がより高い知、より複合的な知の生産を目指したら、人類の(あるいは英語とパソコンが使える者の!)知は、これまでとは異なる展開を示すのかもしれません。
グーテンベルクの活版印刷機は宗教改革をもたらし、ひいては「近代」を作る大きな要因の一つになりました。現在は、活版印刷機をパソコンを使える者全員が手に入れたと言えるのでしょうか。いや現在のパソコンは音声も画像も動画も使えるのですから、全員が出版社と放送局になれる可能性を手にしたと言うべきでしょうか。これらが相互作用を起こし、その相互作用が知の高度化に向かうとしたら・・・
ウェブに対する批判精神を忘れてはいけませんが、人間は発明したものを忘れることはできません。「未来に迷ったら、ウェブが示す方向に賭けろ」とはシリコンバレーの合い言葉だとも言います。私もその言葉に賭けたいと思います。
その他の関連サイト
Project Gutenberg
青空文庫
Wikisource (ウィキソース)
2 件のコメント:
ご無沙汰いたしております。anfieldroadです。偶然にも私も最近ブログでその番組の話を書いていたので「偶然!」と思っていたら再放送されてたんですね。
拙ブログでも書きましたが、まだまだCurrikiを使いこなす日本人の(特に中高)教師は少ないですね。しかも英語科以外となったら、かなり少ないでしょう。でも、やがてそうなっていくことが、日本の英語教育のひとつの目標だとは思います。(だからこそReading&Writingが大切だなぁと実感)
ただ情報を共有するだけでなく、人と人とがつながらないと「2.0」とは呼べないような気もしますが、今後の広がりに期待もしたいです。
anfieldroadさん、
ご無沙汰しております。そうか、anfieldroadさんのブログ名も"Education 2.0"でしたね。上の記事ではそのネーミングに否定的な言い方をしてしまいました。ごめんなさい。
http://d.hatena.ne.jp/anfieldroad/
>
人と人とがつながらないと「2.0」とは呼べないような気もします
>
というのは、まったくその通りだと思います。コンピュータやインターネットは技術の問題から、文化の問題へと移行しているように思います。若い世代にもそのことを伝えたいと思っています(本日、そういった授業があるもので・・・上の記事も授業用に書いたものです)。
それではまたどこかでお会いしましょう。
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