2010年9月29日水曜日

英語教師のためのコンピュータ入門 (2010年度)

以下は柳瀬の授業(「英語教師のためのコンピュータ入門」)の受講者のためのページです。授業の資料は著作権などに抵触しない限り、できるだけここに掲載します。資料の掲載はまだ不完全ですので、このページに徐々に追加してゆくこととします。




「コンピュータを学ぶ」から「コンピュータ学ぶ」へ
「英語を学ぶ」から「英語学ぶ」へ
そして「コンピュータと英語学ぶ」へ


Computer for Communication and Community


"The only person who is educated is the one who has learned how to learn and change."
Carl Rogers


"You are not bored. You are just boring."


***

2010年度
英語教師のためのコンピュータ入門

1年生: 水曜3-4限 K208教室
2年生: 火曜7-8限 K208教室
教室変更しています!
担当:柳瀬陽介
yosuke@hiroshima-u.ac.jp


■授業で使う主なホームページ

柳瀬ブログのこのページ(教材提示用)
ラベル「授業」に掲載




広島大学WebCT(コミュニケーション用)

情報メディア教育研究センターのページ右の「WebCT]アイコンをクリック


主に使うのはDiscussionsとAssignmentsです。



■この授業の目的

(1) 現代社会におけるコンピュータ文化の重要性を理解する

(2) コンピュータについて自分で学べるようになるための基礎知識と検索技術を習得する。

(3) ウェブ上の有益な英語情報を活用できるようになる。

(4) 統計量統計に関する基礎的理解に基づいてエクセルを使いこなせるようになる。

(5) パワーポイントや音声・画像関係のソフト等が使いこなせるようになる。

(6) タイピング技術に習熟する。



■助言

(1)コンピュータを怖れないでください。コンピュータはあなたを助ける道具なのですから。

(2) まずは基礎的な原理と構造を理解してください。あとは操作の中から手があなたに知恵を与えてくれます。

(3)うまく動かない時にはどうぞ焦らないで。パニックになったりイライラしないで、試行錯誤したり検索したり人に尋ねたりしてください。

(4)すべてを理解しようとしないでもいいです。使っているうちに、少しずつわかったり発見したりしてゆくものですから。「とりあえず使える」状態になればあとは雪だるま式に習熟できます。

(5)授業外でのコンピュータ使用を前提としています。授業時間だけのコンピュータ使用では習熟できませんから、空き時間を使ってどんどんコンピュータを使って慣れてください。

(6)でもどうしても慣れないなら使いやすい参考書を本屋で見つけて買ってください。私も何度も経験しましたが、自分に合った参考書は多くの時間を節約してくれます。2000円以下で多くの時間が買えるのですから、これはいい投資です。

(7)特に単純作業をやったりしているときは、自分の注意資源の数パーセントを常に「どうしたらこの作業をより効率的に行えるだろうか」という問いに向けてください。コンピュータには便利な小技がたくさん隠されています。右クリックはしばしば行い、「ツール」「オプション」などはどんどん変更して、あなたのコンピュータを"personal"なものにしてください。

(8)授業への要望などは積極的に知らせてください。お互いのコミュニケーションを密にすることでよい授業を創り上げてゆこうと思っています。


■評価

(1) 参加(出席、および振り返りのWebCT提出)⇒30%

(2) 英語課題(毎週一つ面白い英語記事を見つけ、その面白さを説明) ⇒30%

(3) 統計レポート (詳細は後日。締切は授業最終日) ⇒30%

(4) タイピングと検索技術のテスト⇒ 10%

(5) 任意課題。(5a)か(5b)のどちらか⇒AをSに、BをAに、CをBにする。ただしDをCにすることはしない。

(5a)本を読んで書評。本の読みどころを見出して、それを的確に説明する。6000字以上のもののみを受け付ける。

(5b)なにか知的に面白いことWeb活動を開始し、最低一ヶ月以上継続する。

詳しくは、S(秀)判定に関する下の記事を読んでください。



■テキスト

相沢裕介(2010)『統計処理に使うExcel2010活用法―データ分析に使えるExcel実践テクニック 』カットシステム(11月に大学生協に入荷)



■必要なもの

・学生証(K208教室でのコンピュータ使用のため)

・USBフラッシュメモリ(1G以上が適当)。ただしDropboxなどのオンラインストレージを使うなら不要。



■遅刻・欠席・参加に関する方針

・遅刻は認めません。最初の点呼の時にいなかったら欠席扱いにします。欠席3回以上で、評価を一段階下げます。欠席5回以上は単位認定をしないことを原則とします。やむを得ない理由があった場合は申し出てください。

・私語や居眠りなどは許しません。注意しても止めないようでしたら教室から出ていってもらいます。楽しい学習環境を保つために、最低限のケジメだけはつけます。

・今年度はカリキュラム変更の過渡期のため、1年生用の授業と2年生用の授業の両方を開講します。内容は同じですから、やむを得ず欠席した場合、違う学年の授業に出ることによって出席に代えることはできます。



■課題提出の仕方

WebCTシステムで提出します。振り返りと英語課題はDiscussions、統計レポートはAssignmentの機能を使います。詳しくは教室で指示します。



■授業内容

第1回 10/5火 10/6水

★最初に

・「ゆとり」学生諸君、目を覚ませ!
http://news.livedoor.com/article/detail/5033539/

・日本の学生の就職「超」氷河期は永久に続く
http://news.livedoor.com/article/detail/4997809/

・クローズアップ現代「奨学金が返せない」
http://blog.goo.ne.jp/posse_blog/e/53331dcfa486873ab62101d629fff229

・何が日本の若者を俯かせてしまうのか
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20100924/216349/?P=1

・大学院生から大学一年生へのアドバイス
http://news.livedoor.com/article/detail/5033462/




★Associate, Explore and Communicate!
http://www.box.net/shared/static/qjlcjs460r.ppt


★ウェブで英語を自学自習し、豊かな文化社会を創り上げよう!
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/05/blog-post_31.html


★梅田望夫・飯吉透(2010)『ウェブで学ぶ ―オープンエデュケーションと知の革命』ちくま新書
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/10/2010.html




★コンピュータを使うときの注意事項

・ファイル共有ソフトウェアは使用しない。著作権侵害は犯罪
参考:飢えて死にます――「黒執事」作者、ファンからの「海外動画サイトで見た」メールに苦言
・OSとソフトウェアの更新を忘れない。Windows Updateを確認せよ。
http://support.microsoft.com/kb/884100/ja

・ウィルス対策を必ず行う。広島大学ではウィルス対策ソフトを構成員に対して無償提供しています。(またOffice 2010も一人一セットダウンロードできます。二台目にもインストールしたいときは、Office 2003までの機能を実質上有している無料のOpenOffice (2010年9月よりLibreOffice)のダウンロードをお薦めします。もしくは廉価のKINGSOFTを購入してもいいでしょう。いずれにせよOffice 2007/2010を使う人はファイルの保存を97-2003形式で保存してください。ファイルは他の人が使いやすいように作成することが原則です。)。


パスワードはわかりにくいものにして、かつ定期的に変更する。

・匿名で変な書き込みをしない。悪意や邪気は必ず自分に戻ってきます。また匿名はいつかばれるものです。
参考記事:正義が「呪い」に転ずるとき ―あるいはネット上での発言についての注意―

・インターネットだけでしかコミュニケーションできないような事態は避ける
片田珠美(2010)『一億総ガキ社会 ―「成熟拒否」という病』光文社新書

★ネット資源を早速利用する。以下のどれか一つについて来週の授業が始まる前までに “review” (面白さを他人に説明する文章)をWebCTに書くこと。

Clay Shirky: How cognitive surplus will change the world
Amazon founder and CEO Jeff Bezos delivers graduation speech at Princeton University
http://yosukeyanase-video.blogspot.com/2010/07/amazon-founder-and-ceo-jeff-bezos.html




第2回 10/12火 10/13水

★現代のコンピュータ文化について学ぼう
・学部生・大学院生にお薦めのウェブサイト
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/04/blog-post.html

★Google Reader + Twitter + Evernote + Chromeの相乗効果が創り出す新しい知の生態系
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/10/google-reader-twitter-evernote-chrome.html


参考記事

情報収集ではなく情報凝縮に対価を払う

凝縮した知識を処理する英語力

なぜ書くことが人の知性を発展させるのか
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/09/blog-post_14.html



第3回 10/19火 10/20水

★Google検索について学ぼう

・安藤進(2007)『ちょっと検索!翻訳に役立つGoogle表現検索テクニック』丸善株式会社
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2007/09/google.html

・遠田和子(2009)『Google英文ライティング』講談社インターナショナル
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/04/2009google.html

・Google 検索の基本: 基本的な検索のヘルプ
http://www.google.co.jp/support/websearch/bin/answer.py?answer=134479

・Google 検索の基本: 便利な検索オプション
http://www.google.co.jp/support/websearch/bin/answer.py?hl=jp&answer=35890&rd=1

・Google 検索の基本: 検索をさらに便利に使うコツ
http://www.google.com/intl/ja/help/features.html

・Google 検索の基本: 検索の履歴と設定: 表示設定
http://www.google.com/support/websearch/bin/answer.py?hl=ja&answer=35892&rd=1



★Googleの他の サービスもチェックしよう

・Googleサービス一覧
・Gmail, Calender, ReaderはPCでもスマートフォンでも同期して使えるので非常に便利。

・Google accountを作っておくと、Gmail, Calender, Readerだけでなく、Document, Reader, Bloggerなども使える。

・Scholar, Books, Translate, YouTube, Alertなどは情報検索にとても便利(自動的に情報収集しようとするならなんといってもReader。もちろんTwitterも情報収集には便利)。

※ただしGoogleも単なる私企業に過ぎない。すでに莫大な力をもってしまったGoogleが暴走しないように私たちは常にGoogleに対して批判的な姿勢を崩さないようにしておく必要がある。

★覚えておくと操作が飛躍的に速くなる小技

・右クリックとショートカットキー
・周辺部キーの打指固定とショートカットキー
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2009/06/blog-post_4134.html



第4回 10/26火 10/27水この回は総合科学部K201教室で授業を行ないます!

★音声・映像ファイルなどについて(1)



第5回 11/2火 11/10水 (←11/3は文化の日でお休みです)この回は総合科学部K201教室で授業を行ないます!

★音声・映像ファイルなどについて(2)



第6回 11/9火 11/17水

★メディア論と社会分化論から英語とコンピュータの使用について考える

書き言葉が私たち近代人をつくった: Walter Ongの議論から
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/05/walter-ongorality-and-literacy.html

メディア論と社会分化論から考える言語コミュニケーションの多元性と複合性
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/11/html.html


第7回 11/16火 11/24水

★情報と知識を構造的に考える(1)

・コンピュータと人間知性の共進化について
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2008/10/blog-post_7852.html



第8回 11/30火 12/1水

★情報と知識を構造的に考える(2)

・コンピュータ上で「思考」をするために
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2008/11/blog-post_03.html

・思考ツールとしてのプレゼンテーションソフト
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/03/blog-post_496.html



第9回 12/7火 12/8水

★エクセル入門
・エクセルで行うタスク管理
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2008/10/blog-post_09.html

・Microsoft Office Onlineトレーニング
http://office.microsoft.com/ja-jp/training/



第9回 12/14火 12/15水

★基礎統計とエクセル操作(その1)

以下、相沢裕介(2010)『統計処理に使うExcel2010活用法―データ分析に使えるExcel実践テクニック 』カットシステムを教科書として使います。ですが、エクセル操作が得意な人は、以下の説明・ファイル・記事だけで理解できるかもしれませんので、購入は自分の判断で行って下さい。

■エクセルの使いこなしについて

Office 2010については、Microsoft社がある程度のオンライントレーニングを提供しています。
http://www.microsoft.com/japan/office/2010/business/training/default.mspx


■『日経PC21』の薦め/エクセルの使いこなし

しかし仕事でよく使うエクセルの使いこなしについては『日経PC21』がよくまとめています。以下の記事を読み、特にそこにある15の技と5つの使いこなしは必ずマスターしておいてください。
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2008/11/pc21.html


■分析ツール

各種統計分析は「分析ツール」を使えば非常に簡単に実行できます。しかし「分析ツール」は最初はエクセルに入っていないので「アドイン」する必要があります。
Excel 2010でしたら、「分析ツール」をアドインするためには、次の操作を行って下さい。「ファイル」のタブから「オプション」を選択→「アドイン」を選択→「アクティブでないアプリケーション アドイン」から「分析ツール」を選択→「選択」アイコンをクリック→エクセル画面に出てきたダイアログボックスから「分析ツール」にチェック印を入れてOKをクリック。
以上で完了です。エクセル画面の「データ」タブを選択すると右上に「データ分析」が出ているはずです。そこをクリックすればデータ分析のアドインが使えます。


■計算結果に出るEという記号

しばしばエクセルでは計算結果の中にEが出ますが、これは演算の都合で自動的に指数表示になってしまったものです。この表示では何のことかよくわからないので、この場合は、そのセルを、「書式→セル→表示形式→数値」のように選択し、「小数点以下の桁数」を適当に定義することによって、常識的な数値表示にすることができます。



■<課題作成用データ>

このデータファイルは、あなたが英語教師として担当した1年1組と1年2組の、校内実力テストの点数(100点満点の素点)です。1年は10組までありますが、あなたは担当していないクラスのデータはもっていません。第一回目のテストは5月に、第二回目のテストは10月に行われました。問題作成者は第一回目と第二回目で異なっています(当然問題も異なっています)。

あなたはクラス担当教員として、これらテストの結果を英語科主任と各々の生徒に対して報告する義務があります。エクセルを使って必要な分析を行い、報告書を作成しなさい。なお報告書は英語科主任に対して提出するものとし、そこには、(a)1組と2組の違いに関するクラス全体の分析と、(b)それぞれの生徒個人に対しての報告の基になる分析の最低二種類の分析が含まれているものとします。

また、本来なら報告書には統計分析の進める際の考え方などは書かずに、結果だけを分かりやすく示せばいいのでしょうが、この報告書は授業の評価のためのものですから、どうして示されている分析をするのか、またその結果はどんな意味を持つのかを分かりやすく説明するようにしてください。

なお提出に関しては、今回はA4に(カラー)印刷して提出してください。電子媒体では受け付けません。印刷してきちんと表示されるファイルを作ることが課題の一つの要素です。
A4 で印刷したらまともに読めないようなファイルは採点の対象としません。電子的にはうまくできていても、印刷するとフォーマットが乱れることはよくあることです。職場では印刷してファイルを提示することが多いのでこの要求を出します。結構時間がかかりますので、きちんと計画的に課題を完成させてください。


■解説ファイル・記事

その1

エクセルできれいなヒストグラムを作るには


標本調査と全数調査についての簡単なまとめ

その4




第10回 12/21火 12/23水


★基礎統計とエクセル操作(その2)



第11回 1/11火 1/12水

★基礎統計とエクセル操作(その3)



第12回 1/18火 1/19水

★基礎統計とエクセル操作(その4)



第13回 1/25火 1/26水

★基礎統計とエクセル操作(その5)



第14回 2/1火 2/3水

★基礎統計とエクセル操作(その6)



第15回 2/8火 2/9水

★まとめ




0 件のコメント: