前期:金曜日7/8限:14:35-16:05
合同教室:L109 (各ゼミ教室は後日指示)
■担当教員
西村大志(日本語教育学)
川口隆行(国語文化教育学)
柳瀬陽介(英語文化教育学)
■このプロジェクトの目的
大学院生の視野を広げ、さまざまな人々とのコミュニケーションを促進する。
■西村・川口・柳瀬の狙い
「聞くこと」「語ること」「コミュニケーション」について理論的洞察と実践的技芸を深める。
三人の教員は特に以下の点についての「語り」と「コミュニケーション」を探究する。
西村:看過されがちな日常について
川口:非日常的な出来事について
柳瀬:自らの学びの履歴について
■プロジェクトの運営方法
最初の二回の授業で、三人の教員が自らの探究法について概説をする。
その後、学生は三人の教員のいずれかが担当するゼミのどれか一つに所属する。
二回目の授業の終わりに、学生はゼミの第一希望・第二希望を提出する。
教員は希望を受けてゼミを決定する。ただし希望に添えない場合もある。
ゼミ決定後は、それぞれのゼミでプロジェクトを進行する。
ゼミでのプロジェクト進行の際の教室についてはそれぞれの教員の指示に従う
最後の三回の授業で、再び全員が集まり、合同発表会を行う。
***以下、柳瀬ゼミについての方針***
■テーマ:自らの学びの履歴について
ここに集う皆さんの多くは教育職に就くことを考えていると思います。教育職は、学習者の声に耳を傾け、時には声にならない蠢きをも感知しなければいけません。しかしそうして声を聞いたり蠢きを感知したりする時に、聞き手である私たち自身の影響が働いてしまうことがあることを私たちは忘れてはいけません。声の解釈、感知する蠢きの選択などにおいて、私たちの性格・癖・偏りなどが、学習者の訴えを歪めてしまうことは十分にあることです。
カウンセリングの一派では、カウンセラー志望者は一度自らカウンセリングを受けることを要求されるとも言います。この言プロ柳瀬ゼミでは、各自が自らの学びの履歴を振り返り、書き記し、他人の記述を読み、自分の記述を読み直し、自分の自己観察・自己記述の性格・癖・偏りなどを自覚することを目指します。
■方法
WebCTシステムを使い、お互いの記述を読めるようにしながら、自己観察・自己記述を何層にも練りあげてゆきます。ゼミ教室は教育学部K207教室を予定しています。
■スケジュール
9回の授業を、以下の3部に分けて進めてゆきます
(1) 導入
5/13 柳瀬による講義⇒WebCTに感想を書く
6/3 「なぜ私は今ここにいるのか」第一次相互読解⇒自分の自己観察・自己記述の特徴を次週木曜までにWebCTに掲載
6/10 「なぜ私は今ここにいるのか」第二次執筆⇒完成稿を次週木曜までにWebCTに掲載
6/17 「なぜ私は今ここにいるのか」第二次相互読解⇒自分の自己観察・自己記述の特徴を次週木曜までにWebCTに掲載
(3) グループ活動
6/24 グループ第一次話し合い⇒それぞれに中間総括を次週木曜までにWebCTに掲載
7/1 グループ第一次話し合い⇒それぞれに中間総括を次週木曜までにWebCTに掲載
7/8 グループで発表準備⇒言プロ柳瀬ゼミの発表日は7/29(西村ゼミは7/15、川口ゼミは7/22)
■理論的背景
言語文化教育プロジェクト柳瀬ゼミ(言プロ柳瀬ゼミ)では、以下の、関連プロジェクト、コミュニケーション論、意識と言語、物語論、ユング心理学、「べてるの家」の実践、英語教育研究でのナラティブ、批判的応用言語学、その他を理論的背景としています。
●関連プロジェクト
[みんなで英語教育] 第1回「私の英語学習歴」まとめ
http://d.hatena.ne.jp/anfieldroad/20110301/p1#tb
●コミュニケーション論
N.ルーマン著、馬場靖雄・赤堀三郎・菅原謙・高橋徹訳 (2009) 『社会の社会 1』法政大学出版局
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/06/n-2009-1.html
田尻悟郎氏実践のルーマン的解明の試み1/8
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2007/11/18.html
なぜ書くことが人の知性を発展させるのか
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/09/blog-post_14.html
内田樹(2010)『街場のメディア論』光文社
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/09/2010_3706.html
近藤真(2010)『中学生のことばの授業』太郎次郎社
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/09/2010_20.html
コミュニケーションに関する断片的思考
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2009/09/blog-post_417.html
●意識と言語
「意識の神経科学と言語のメディア論に基づく教師ナラティブに関する原理的考察」(HTML版)
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/12/html.html
「自由意志」―神経科学・村上春樹・仏教― やれやれ
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/08/blog-post.html
池谷裕二 (2009) 『単純な脳、複雑な「私」』朝日出版社
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/03/2009.html
●物語論
小川洋子・河合隼雄『生きるとは、自分の物語をつくること』新潮社
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2011/03/blog-post_3321.html
村上春樹(2010)『夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです』文藝春秋
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/10/2010_31.html
小川洋子(2007)『物語の役割』ちくまプリマー新書
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/10/2007.html
ジョーゼフ・キャンベル/ビル・モイヤーズ著、飛田茂雄訳(2010)『神話の力』早川書房
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/10/2010_02.html
人はなぜ物語を必要とするのか
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2009/09/blog-post_04.html
●ユング心理学
C.G.ユング著、小川捷之訳 (1968/1976) 『分析心理学』 みすず書房
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/01/cg-19681976.html
C.G.ユング著、ヤッフェ編、河合隼雄・藤縄昭・出井淑子訳 (1963/1972) 『ユング自伝 ― 思い出・夢・思想 ―』 みすず書房
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/01/cg-19631972.html
偶然を待つということ
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2009/09/blog-post_6155.html
●「べてるの家」の実践
浦河べてるの家『べてるの家の「当事者研究」』(2005年,医学書院)
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2009/07/2005.html
浦河べてるの家『べてるの家の「非」援助論』(2002年、医学書院)
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2009/07/2002.html
「べてるの家」関連図書5冊
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2009/11/5.html
当事者が語るということ
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2009/09/blog-post_4103.html
●英語教育研究でのナラティブ
吉田達弘・玉井健・横溝紳一郎・今井裕之・柳瀬陽介編 (2009) 『リフレクティブな英語教育をめざして ― 教師の語りが拓く授業研究』 ひつじ書房
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2009/12/2009.html
「ナラティブが英語教育を変える?-ナラティブの可能性」(2009/10/11-12、神戸市外国語大学)
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2009/08/20091011-12.html
シンポジウムで使われる専門用語の整理
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2009/09/blog-post_30.html
ナラティブ・シンポ (第1日目) の報告
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2009/10/1.html
ナラティブ・セミナー (第2日目)の報告
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2009/10/2.html
「書く」というナラティブ
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2009/09/blog-post_8701.html
「声の力」あるいは声の人格性について
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2009/10/blog-post_09.html
「英語教育実践支援のためのエビデンスとナラティブ」
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2009/08/blog-post_05.html
インタビュー研究における技能と言語の関係について
http://ha2.seikyou.ne.jp/home/yanase/zenkoku2006.html#070517
Exploratory Practiceの特質と「理解」概念に関する理論的考察 1/5
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2007/08/exploratory-practice15.html
技でもなく、アクション・リサーチでもなく -私たちのExploratory Practice- 1/10
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2007/06/exploratory-research110.html
英授研でのQ&A 1/4
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2007/08/q-14.html
統合的な英語教育研究
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2007/05/blog-post.html
●批判的応用言語学、その他
コミュニケーション・言説の社会性・権力性・歴史性についての関連記事リスト
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2009/10/blog-post_06.html
批判的応用言語学(Critical Applied Linguisitcs: CALx)入門
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/10/critical-applied-linguisitcs-calx.html
「現代社会における英語教育の人間形成について -- 社会哲学的考察」のPDFファイル
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2009/05/pdf.html
言語コミュニケーション力の三次元的理解
http://ha2.seikyou.ne.jp/home/yanase/ThreeDimentional.html
質的研究のあり方に関する報告1/10
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2007/09/110.html
質的研究に関する私的ブックガイド
http://ha2.seikyou.ne.jp/home/yanase/qualitative.html
尹雄大(ユン・ウンデ)著『FLOW──韓氏意拳の哲学』冬弓舎 1/7
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2007/07/flow17.html
追記 (2011/05/06)
このプロジェクトに関する説明(およびルーマンのコミュニケーション論の簡単な説明)を加えました。スライドと音声がありますので、ぜひ
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2011/05/blog-post_06.html
をご覧ください。
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