河合: ぼくは何をしているのかというと、偶然待ちの商売をしているのです。みんな偶然を待つ力がないから、何か必然的な方法で治そうとして、全部失敗するのです。ぼくは治そうなんかせずに、ただずっと偶然を待っているんです。
村上: でも、偶然を待つというのはつらいですよね。
河合: そりゃつらいですよ。なんにもしないんだから。待っていて、うまいこと偶然が起こったら、そのときにはやっぱりパッパッとがんばらなくてはいけないんですけどもね。
『村上春樹、河合隼雄に会いに行く』新潮文庫 148ページ
合理性の安易な肯定も否定もしないところに、河合先生の融通無碍さと深さを感じるように思います。
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