2010年3月3日水曜日

iPhoneですべてのフロー情報とストック情報をユビキタスに管理する

DropboxとiPhoneの導入による全情報のユビキタス(偏在)化によって、私の知的生活は大きく変わりました。今やDropboxとiPhoneがなかった時代が想像し難くなったほどです。

フロー情報(流動情報:どんどん変動するスケジュールやメール交信などの情報)については、20年間続いた紙の手帳を捨てましたが、まったく不便は感じず、Google calenderとGmailに統合して逆に便利になったと思えるばかりです。

ストック情報(集積情報:きちんと保存・整理しておくべき情報)については、残業のためにUSBにファイルをコピーしたり、どっちのファイルが新しいのか悩んだりすることもまったくなくなりました。オフィス・自宅・出張先のどこでも、seamlessに知的活動ができます。

ここではその後に行ったことを追記します。



(1) ちょっとした思いつきやメモをiPhone→Gmailで統合的に管理

※2010/04/10追記

この用途は、Evernoteではるかに簡単にできますので、Evernoteの使用をお勧めします。

詳しくは、「Information/Knowledge ManagementのためのEvernote」の記事を御覧下さい。

http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/04/informationknowledge-managementevernote.html

私は大学院生時代に、ちょっとした研究上の思いつきやメモしておきたい情報があれば、手元の手帳に必ず書きつけておく習慣をつけていました。背広のポケットに入るサイズの安い紙ノートにどんどん書きつけて、それは最後には50冊近くになりました。私が買っていたノートは確か48枚の紙から構成されていましたので、1冊で100近いアイデアや情報を書けましたから、50冊では約5000のアイデアや情報を書きつけたことになります。折にふれて自分が書いたそのノートを見返すことは、アイデアや情報をもっと大きなものに結晶させることにも役立ちましたし、さらなる発想を生み出すことにもつながりました。

しかしその紙のメモの習慣も、いつしかパソコンでのメモ習慣に変わっていきましたが、パソコンでは思いついた時にその場所ですぐにメモすることが困難です(なにしろ発想というのは、歩いている時や公共機関で移動中にしばしば浮かぶものですから)。また、パソコンはファイル形式で保管することが普通ですから、大量の情報を集中的に保存するには適していますが、細切れのアイデアや情報を保管するには存外に不便です。私は興味あるテーマや著者については専用のファイル(Word)を作り、そこに片っ端から情報を入力し、そういったファイルは "Notes"というフォルダにまとめていますが、細切れの情報を保管するいいソフトが見出せませんでした。

そういった細切れの情報を、どこからでも入力し、一括管理して、かつ検索・再利用しやすいようにするのがiPhone→Gmailの併用です。

この方法は「iPhoneのNotes→Gmailへ送信→Gmailのフィルターで自動振り分け」とまとめられます。

iPhoneにはNotesという優れたテキストエディタが入っています(入力も快適です)。このNotesの利点の一つは、そのテキストをすぐにメール送信できることです。ですから私はアイデアを思いついたりすれば、それをその場でiPhoneのNotesに入力します。そしてNotesのメールのアイコンをタッチすればすぐにメール送信モードに入ります。そこでyと入力すれば、yで始まる頻用メールアドレスである私のGmailアドレスがすぐに出てきますから、それですぐに送信ができます。送信する際は、Notesの1行目が自動的にSubject名になりますから、いちいち題名を考える必要はありません。

ここで一つだけ工夫したのは、Notesに書くメモの中に「呪文」を入れておくことです。「呪文」、つまり自分が適当に設定した文字列を入れることにより、Gmailではその「呪文」が入ったメールが来ると、自動的にそのメールをこれまた使用者が設定したラベルに自動的に振り分けしてくれるフィルター機能を働かせることができます。

私の場合はキーボードの左端の"zxcv"という文字列をiPhoneのNotesに入力しておくと、そのテキストは私のGmailが自動的に"Ideas"というラベルに振り分け、かつArchiveに収納してくれます(収納することによりGmail画面は他人からの他のメールだけに集中することができます)。

「呪文」はもう一つあって、今度はキーボード右端の"lkjh"という文字列を入力しておくと、それはGmailの"To Do!"ラベルに振り分けられます。

"zxcv"や"lkjh"といった「呪文」は何でもいいのですが、(1)普段使われない文字列であること(使われる文字列だと、その文字列を含んだメールが自動的に振り分けされてしまう)、(2)覚えやすく入力しやすい文字列であること、といった条件は必要かと思います。


これによりGmailの"Ideas"というラベルをクリックすれば、私の思いつきやメモがすべて参照できます。Gmailを一種のデータベースとして使うわけです。"Ideas"のラベルのメールが多くなりすぎても、"Ideas"ラベルで検索をかければ、すぐに望むメールを探し当てることができます。"To Do!"のラベルのメールは、その仕事をすぐにすませてしまったりしてすぐに削除するようにします。

「iPhoneのNotes→Gmailへ送信→Gmailのフィルターで自動振り分け」で、情報がどこでも記録でき、一括して保存し、すぐに検索できるという情報システムが簡単に構築できたわけです。



(2) Dropboxアプリで、iPhoneでも自分の全ファイルを閲覧可能にする

新たに始めたもう一つのことは、iPhoneにDropboxにアプリを入れて、自分の全ファイルをiPhoneでどこででも閲覧できるようにしたことです。Dropboxにアプリを入れたことによって、私のiPhoneは、機体の16GBに加えて、オンラインのDropboxの50GBの容量を持つことになりました。iPhone上で、私のほぼすべてのファイルが、いつでもどこでも閲覧できることになったわけです。

「あ、あれはどうだっただろう」と思う情報も、私が自らのパソコンに入力している限り、iPhoneでどこででも見ることができるようになったわけです。これは便利です。全情報のユビキタス化がまた進行しました。



以上の工夫で、私の知的生活はさらに便利で快適になりました。ゴードン・ベル&ジム・ゲメル著、飯泉恵美子訳 (2010) 『ライフログのすすめ』 (ハヤカワ新書juice)の発想に触発されながら、どんどん全情報のユビキタス(偏在)化を進めてゆきたいと思います(もっともセキュリティには注意しなければいけませんが)。






関連記事
DropboxとiPhoneの導入による全情報のユビキタス(偏在)化
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/01/dropboxiphone.html





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