2010年1月12日火曜日

DropboxとiPhoneの導入による全情報のユビキタス(偏在)化

DropboxiPhoneを導入することにより、ストックであろうとフローであろうと、公開するものであれ非公開にしておくものであれ、デジタル化された情報のほぼすべてを「いつでもどこでも」処理することができる体制に近づくことができたように思います。デジタル生活がかなり便利かつ快適になりました。


オンラインストレージとしてのDropboxが優れていることは昨年の早い時期から聞き知っていましたが、ついつい導入しないままになっていました。ですがこのたび自宅のPCが壊れてしまい、PCを買い換えたのでこれを機会に導入しました。


私にとってのDropboxのメリットとは以下のようにまとめられます。

・自分のすべてのファイルが常時自動的にWeb上のサーバーにバックアップされる。ファイル保管についての心配から解放される。

・Dropboxを(無料)インストールしたPCなら、Webにつながるだけで、どこでもパスワードを入れることによって自分のファイルがすべて入手できる。かつそのPCで作業した内容は上記のように常時バックアップされる。

・つまり、WebにつながったPCさえあれば、そこがどこであろうと、いつの時間であろうと、自分にとっての最新で安心できる知的作業場になる。(仮にPCにマイクロソフト・オフィスがなくても、OpenOfficeを無料インストールすればたいていのファイルは扱える)




こうして自分のデジタル情報のユビキタス(偏在)化が進行すると、ファイルといったストックの情報だけでなく、GmailやGoogleカレンダーなどのフロー情報もユビキタス化したいと強く思い始めました。幸いiPhoneは今キャンペーンをしており、事実上無料で機器を入手できるので、これまた思い切ってiPhoneを導入しました。


私にとってのiPhoneのメリットは次のようにまとめられます。

・Gmail環境が常に同期された最新状態で使える。メールの受信送信も事実上どこでも可能になる。

・Googleカレンダー環境も常に同期された最新情報で使える。iPhone上で追加更新したスケジュールはGoogleカレンダーにアクセスできるどのようなPCやその他の機器でも同期追加更新される。もちろんPCでスケジュールを追加更新してもそれは常にiPhoneにも同期追加更新される。

・つまり手帳を持ち歩き、その情報とGoogleカレンダーの情報を付き合わせる必要がなくなる。これまで手帳はPCアクセスができない現場で情報を追加更新するため必要不可欠であり、PCでのGoogleカレンダーはその便利さから手放せないものであったが、両者を併用しなければならないのが短所であった。しかしiPhoneの導入により、iPhoneがPCと同期する手帳となったので、手帳を持ち運ぶ必要も、手帳の情報とPCの情報を相互転記する手間から解放された。

・これまでのWindows CEの携帯端末よりも操作性がいいため、webアクセスも文字入力も容易になり、web検索やメール送信がどこでもそれなりにできるようになった。特にWeb検索によりちょっとした情報ならiPhoneだけで入手できるようになった。さらに無料あるいは安価のアプリにより情報検索はもっと便利になる。

・自ら音声録音・写真撮影・動画録画することは現在特にしていないが、これを活用すれば現場でしか得られない情報をPC管理、さらにweb公開することが非常に容易になる。




私の場合をまとめますと、情報のユビキタス(偏在)化は、以下のように進行したことになります。

(1)公開するHTML化されたストック情報 (ホームページ・ブログ: PC)
(2)公開するすべての種類のストック情報 (Box: PC)
(3)公開するフロー情報 (Mixi, delicious: PC)
(4)非公開のフロー情報 (Gmail, Google Calender: PC + iPhone)
(5)非公開のストック情報 (Dropbox: PC + iPhone, iPod+iTunes)


誤解を避けるために付け加えておきますと、Boxでも(5)は不可能ではありません。しかしファイルはいちいちアップロードしなければなりませんから面倒くさくて事実上は困難かと思います。逆にDropboxでは(2)は十分に達成できます。しかし私はこれまで(2)にBoxを使っていましたし、万が一私の人為的ミスでDropboxの非公開情報を公開してしまった場合を恐れて(2)にはDropboxは敢えて使わないようにするつもりです。

こういったプロセスを学生さんへの説明のため、パワーポイントスライドにまとめました。


ご興味のある方はご覧下さい。



追記1
この記事あるいはこのブログで私が紹介するソフトなどのインストールおよびその後の使用はご自分の判断と責任で行ってください。インストールなどから生じるいかなるトラブルに対しても私は責任を取ることはできません。


追記2
フロー情報のユビキタス化という点で次に達成したいのは、日本語変換です。自分で教え込んだ日本語変換辞書をいつでもどこでも使えれば便利だと思います。この点ではATOK Sync の導入を考えています。

追記3 (2010/03/03)
関連記事
iPhoneですべてのフロー情報とストック情報をユビキタスに管理する
を加えました。
iPhone→Gmailでフロー情報の、iPhone+Dropboxアプリでストック情報のユビキタス化がさらに進行しました。




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2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

柳瀬さんのユビキタス化の記事を読んで、中原さんのブログのクラウド化の記事を思い出しました。

http://www.nakahara-lab.net/blog/2009/12/pcha.html

お二人の研究領域関心領域がシンクロニシティとは言わないまでもある面響き合っているようで読んでいて面白いです。

柳瀬陽介 さんのコメント...

匿名さん、
わざわざのコメントをありがとうございました。また、中原先生のブログのご紹介もありがとうございました。私はこの方を存じ上げておりませんでしたが、やはりいろいろな方々が「情報革命」という今では新鮮さを失ってしまった言葉が着々と私たちの生活を変えていることを実感しているのかと思います。
まあ、面白い時代ではあります。
退屈だけはしません。(笑)