2010年1月13日水曜日

iPhoneでkindleを使う

アマゾンの電子出版kindleについては、気になるもののまだ買うにまで至っていませんでしたが、iPhoneにダウンロードできる無料アプリでkindleが使えるというので、早速先週買ったiPhoneにインストールしました(よく言われますように、iPhoneは携帯電話ではなく、携帯電話機能付きのコンピューターですね)。

Amazon.comの私のアカウントでとりあえず購入したのは

Wittgenstein: Tractatus Logico-Philosophicus [Kindle Edition] , Price: $4.99

Spinoza: Works of Benedict de Spinoza: Ethics, Improvement of the Understanding and A Theologico-Political Treatise (mobi) [Kindle Edition] , Price: $3.91

です。

iPhone上で読むわけですから鳥瞰的な読み方は不可能です。しかし細切れの時間などに、じっくり、ゆっくり読み進めてゆきたい本を読むには良好なメディアかとも思いました。英語でしたら詩集などを、暗誦するぐらいにゆっくり読むにはいいのではないでしょうか(しかし私は英文学の素養がないので、買いたい詩集が思い浮かびません)。

もしこのkinldeのサービスが日本語での出版物でも開始されたら、私は車中で読み飛ばすような時事的な新書、あるいは同じく疲れた旅行先で読む娯楽小説などはkindleで購入するかと思います。

いや、ひょっとしたらiPhoneと大小2種類のkinlde readerという機器の物理的な大きさで私の読書行動も決められるかもしれません。いつもポケットに入れているiPhoneには宝物のように私有しておきたい文章を入れ、旅行鞄に入れるようなkindle readerには読み飛ばすような時事・娯楽系の読み物を入れるかもしれません。

しかし研究用の本はおそらく紙で買い続けるかと思います。少なくとも私の場合は、研究用の本には書き込みをし付箋を貼って、あちこちを相互参照しながら読み、読み返し、読み直し、書き写しますから紙の本の方が便利です。研究用の本は、その内容の構造性を把握しなければなりませんから、頻繁に目次や重要箇所を参照します。その際にはやはり紙の本の方が圧倒的に便利でしょう。

ただし研究用の本も、PDFなどで供給されたら私はそちらを買うかもしれません。コンピュータの大型モニターならそれなりに通覧性も向上しますし、検索やコピー・アンド・ペーストが圧倒的に便利だからです。(それでも自分の血肉にしたい本当に大切な研究書はPDFでもましてやkindleでもなく紙で買うことでしょう)。

いずれにせよ情報革命は英語圏を中心に爆進中という気がします。 “If your business has anything to do with information, you're in deep trouble. ”というのは90年代中頃に既に言われていた言葉ですが、この予言のおそろしさがだんだんと体感されてきたように思います。消費者としてはどんどん便利になってゆき嬉しいばかりですが、知の生産者・加工者はこれらの技術革新に対応して、いやそれを超えて想像力を発揮し、新しい知のあり方をデザインしなければならないように思います。







【広告】 吉田達弘・玉井健・横溝紳一郎・今井裕之・柳瀬陽介編 (2009) 『リフレクティブな英語教育をめざして ― 教師の語りが拓く授業研究』 ひつじ書房は紙で読んだ方がいい本だから買ってね (笑)






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