2009年6月20日土曜日

Give us a chance/ チャンスを我らに

FBIがジョン・レノンを危険人物とみなし、様々な妨害・諜報活動をしていたことを知ったのはずいぶん前でしたが、その時は「たかだかミュージシャンに対して神経過敏だなぁ」ぐらいにしか思っていませんでした。

しかし映画「PEACE BED アメリカ VS ジョン・レノン」でジョン・レノンが、ベトナム戦争に反対してホワイトハウスを囲む数万人と共に"Give Peace a Chance"(「平和を我らに」)を繰り返し繰り返し歌うシーンは圧巻でした。この単純なメロディーと歌詞を延々と繰り返す人々のpowerは本当にすごい。


All we are saying is give peace a chance,
All we are saying is give peace a chance

拙訳

俺たちが言っているのは、
平和にチャンスを与えろってことだけだ

戦争は避けられないわけではない。
戦争にだけチャンスを与えるな。
平和にもチャンスを与えろ。

平和にチャンスを与えろ。
平和に機会(チャンス)を与えろ。
平和に可能性(チャンス)を与えろ。

戦争を止めたらどうなるかはわからない。
でもせめてチャンスを平和に与えろ。
機会と可能性を平和に与えろ。

俺たちが言っているのは、
平和にチャンスを与えろってことだけだ。
(これって理不尽なことかい?)



暴力を煽るわけでなく、口汚い言葉を罵るわけでもなく、ただ"Give peace a chance"と何度も何度も、何万人もの人々が歌う時、それはどんな手段でも凌駕できないpowerになります。アレントも言うように、人々のこういったpowerこそが「権力」なのです。このシーンを見たとき、当時の体制維持だけを願うFBIがジョン・レノンを心底怖れたことが私にもよくわかりました。



ひるがえって現代日本。「官僚支配を覆すことはできない」、「格差社会を誰も止めることはできない」といった悲観論がはびこります。目先の利いた者はいかに自分が「勝ち組」に近づくかに専念します。「負け組」や弱者は切り捨て、それは「仕方がないことだ」と言いくるめることが社会正義だといわんばかりの態度もしばしば見られます。


しかしそれはおかしい。




Give us a chance.

チャンスを我らに。



政治を変えるチャンスを与えろ。
選挙という機会と可能性を与えろ。
そもそもそのチャンスは私たちのものだ。

これ以上選挙をひきのばすな。
政治家や官僚や財界だけが政治を司るチャンスをもっているとでも言うのか。
国民にチャンスを与えろ。
(これって理不尽なことかい?)


教育を受けるチャンスを与えろ。
すべての子どもにまともに学ぶ機会と可能性を与えろ。
そもそもそのチャンスは子どもたちのものだ。

これ以上教育から子どもを締め出すな。
金持ちの子どもだけがまともに教育を受けられればいいとでも言うのか。
すべての子どもにチャンスを与えろ。
(これって理不尽なことかい?)



俺たちが言っているのは、
俺たちにチャンスを与えろってことだけだ。
(これって理不尽なことかい?)


チャンスを与えろ。俺たちに。
というよりも、チャンスを返せ。俺たちに。
チャンスは国民のものだ。


憲法第25条は何と言っている?

(すべて国民は、
健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を
有する)。

憲法第26条は何と言っている?

(すべて国民は、
法律の定めるところにより、
その能力に応じて、
ひとしく教育を受ける権利を
有する)。


国民が言っているのは、
チャンスを我らに。
(これって理不尽なことかい?)





Give peace a chance

動画

歌詞







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