2011年5月14日土曜日

♪東電に入ろう♪(動画と歌詞) 私たちには歌がある。笑いがある。

おエライ人というのは、とにかく口達者です。正しい理屈を言っているようにしながら、要は自分の利益や立場を守っているだけの屁理屈をこねることに関しては鉄面皮の強さももっています(もうこの2カ月余りで、すっかりそのことはバレてしまいましたよね)。

そんな屁理屈を正面から論破することは必要ですが、それだけが私たちの抵抗の手段ではありません。


私たちには歌があります。笑いがあります。

歌うことで、笑うことで、私たちは抵抗し、人間らしい生活を取り戻すことができます。


歌うこと、笑うことは、言うまでもなく人間の暮らしに欠くべからざるものです(私は歌も笑いもない人生なんておくりたくありません)。


でも「偉い人」というのは、たいていの場合、歌も笑いも好きではありません。(あるいは良さがわからないのでしょうか。そういえば、お偉いさんの歌や笑いの趣味は悪いことが多いですよね)


それなら好都合。歌と笑いで抵抗しましょう。



でもその時には多少の作法が必要。

下の「東電に入ろう」の替え歌はすばらしいプロテスト・ソング(抵抗歌)ですが、その歌詞および歌い方にご注目下さい。


決して、歌を野蛮な攻撃にしていない。自らの正義を疑わない一方的な怒りにしていない。

ユーモアを保ち、余裕を失っていない。


この自己統御と自己省察が私たちの武器ですし、誇りです。


それにしてもこの「東電に入ろう」の歌詞と歌い方はすばらしい。特に7番や9番の言語感覚、歌唱のトーンは絶品です。どうぞお聞きください。そしてできれば共に歌ってください。







(1)
皆さんがたの中に
東京電力に入りたい人はいませんか
ひと旗あげたい人はいませんか
東電じゃ人材もとめてます

東電に入ろう 東電に入ろう
東電に入ればこの世は天国
男の中の男はみんな東電に入って花と散る


(2)
スリルを味わいたい人いたら
いつでも東電にお越しください
ウランでもプルトニウムでもなんでもありますよ
下請け使えば平気です

東電に入ろう 東電に入ろう
東電に入ればこの世は天国
男の中の男はみんな東電に入って花と散る


(3)
原発推進派のみなさんは
原子炉の真下にお集まりください
いますぐ体に悪いわけじゃありません
シャワーで洗えば平気です

東電に入ろう 東電に入ろう
東電に入ればこの世は天国
男の中の男はみんな東電に入って花と散る


(4)
原発はクリーンなエネルギーです
プルトニウムはそんなに怖いもんじゃありません
放射能出すといっても半減期は
たったの2万と4千年です

東電に入ろう 東電に入ろう
東電に入ればこの世は天国
男の中の男はみんな東電に入って花と散る


(5)
日本のエネルギーを支えるには
原子力に頼らないといけません
多少の被爆はやむをえません
イソジン飲んでおけば平気です

東電に入ろう 東電に入ろう
東電に入ればこの世は天国
男の中の男はみんな東電に入って花と散る


(6)
使用済みの核燃料はぜんぶまとめて
ドラム缶に詰めたらだいじょうぶ
六ヶ所村のプールで冷やしてます
たったの300年のがまんです

東電に入ろう 東電に入ろう
東電に入ればこの世は天国
男の中の男はみんな東電に入って花と散る


(7)
水が漏れてるけど騒ぐんじゃない
煙が出てるけどあわてるな
屋根が吹っ飛んだけど全然だいじょうぶ
とにかく塩水で冷やしてます

東電に入ろう 東電に入ろう
東電に入ればこの世は天国
男の中の男はみんな東電に入って花と散る


(8)
いますぐ危険ってわけじゃないけど
牛乳も野菜も捨てましょう
政府のおエライさんが言ってます
補償は税金で払います

東電に入ろう 東電に入ろう
東電に入ればこの世は天国
男の中の男はみんな東電に入って花と散る


(9)
ガイガーカウンタは売り切れてます
君たちそんなもの持っちゃダメですよ
放射線の値はこちらで発表します
信じる者は救われる

東電に入ろう 東電に入ろう
東電に入ればこの世は天国
男の中の男はみんな東電に入って花と散る









ついでながらに、やはり忌野清志郎さん(The Timers)の替え歌 ”Summertime blues" と"Love me tender"をお聞きください。ここでも歌詞と歌い方がすばらしい。









暑い夏がそこまで来てる
みんなが海へくり出していく
人気のない所で泳いだら
原子力発電所が建っていた
さっぱりわかんねえ、何のため?
狭い日本のサマータイム・ブルース

熱い炎が先っちょまで出てる
東海地震もそこまで来てる
だけどもまだまだ増えていく
原子力発電所が建っていく
さっぱりわかんねえ、誰のため?
狭い日本のサマータイム・ブルース

寒い冬がそこまで来てる
あんたもこのごろ抜け毛が多い (悪かったな、何だよ)
それでもテレビは言っている
「日本の原発は安全です」
さっぱりわかんねえ、根拠がねえ
これが最後のサマータイム・ブルース

(原発という言い方も改めましょう。
何でも縮めるのは日本人の悪い癖です
正確に原子力発電所と呼ぼうではありませんか。
心配は要りません)


あくせく稼いで税金取られ
たまのバカンス田舎へ行けば
37個も建っている
原子力発電所がまだ増える
知らねえ内に漏れていた
あきれたもんだなサマータイム・ブルース

電力は余ってる、
要らねえ、もう要らねえ

電力は余ってる、
要らねえ、欲しくない

原子力は要らねえ、
危ねえ、欲しくない

要らねえ、要らねえ、欲しくない
要らねえ、要らねえ、

電力は余っているよ
要らねえ、危ねえ、










何言ってんだー、ふざけんじゃねー
核などいらねー
何言ってんだー、よせよ
だませやしねぇ
何言ってんだー、やめときな
いくら理屈をこねても
ほんの少し考えりゃ俺にもわかるさ

放射能はいらねえ、牛乳を飲みてぇ
何やってんだー、税金かえせ
目を覚ましな
たくみな言葉で一般庶民を
だまそうとしたが
今度のことでバレちゃった、その黒い腹

何やってんだー、偉そうに
世界の真ん中で
Oh my darling, I love you
長生きしてえな

Love me tender, love me true
Never let me go
Oh my darling, I love you
だまされちゃいけねぇ

何やってんだー、偉そうに
世界のど真ん中で
Oh my darling, I love you
長生きしてえな





ちなみに、ザ・タイマーズにおける忌野清志郎さんの自己省察に基づく自己戯画化を経た上でのプロテスト・ソングはすばらしいです。清志郎さんはおそろしく頭が良く感受性が強い人だったのだと思います。ぜひゆっくり何度も聞くべき作品だと思います。














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