【今回の災害でお亡くなりになった方々のご冥福を心よりお祈りします。ご遺族の皆様に心からのお悔やみを申し上げます。またご自宅などの多くを失った方々に心からのお見舞い申し上げます。加えていま避難所で苦難を覚えている方のためにお祈り申し上げます。余震も原発もまだ予断を許しません。私たちがなしうることをすべてなしえますように。私は現在このような方針の下、ブログ活動をしています。】
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以下は本日、所属講座での卒業証書授与式で行った短い挨拶です。
3月11日以降、私たちは試されました。
人間は信頼できるのか。専門家は信頼できるのか。社会は信頼できるのか。報道は信頼できるのか。政府は信頼できるのか。世界は信頼できるのか。
多くの人がその信頼に応えました。何よりも被災地の方々。一番苦しい時にこそ助けあいの心を示しました。消防庁・自衛隊・警察などの方々。これまでの訓練の成果を遺憾なくそして勇敢に発揮されました。義援金を寄せた方々。多くの方々が匿名で義援金を寄せ続けています。そして義援金と励ましの声は国外からも多く届いています。
その一方で信頼を失いかけている所もあります。特に商業メディア。不安と絶望を拡散させて売上を伸ばそうとしているようにしか思えない商業メディアは国内外を問わずたくさんありました。
商業メディア以外にもたくさん指摘・批判できるところはあるでしょう。しかしもっとも問わなければならないもの、それは私たち自身です。
私たちは3月11日以来、周りに信頼される存在だったでしょうか。冷静さを忘れることはなかったでしょうか。慈愛の心を保ち続けていたでしょうか。勇気を失ってはいなかったでしょうか。
これから日本の復旧・復興そして再生が始まります。幕末から明治維新、第二次大戦後に匹敵するような大変革になるかもしれません。今から私たちは国内外の信頼に応えられる人間であることができるでしょうか。
現在、日本に対する不安が高まる中で、仙台在住の米国人Aimee McFarlaneさんは、米国雑誌Salonでの手記で「しかしもし政府も科学者も専門家も信頼できないとしたら、誰が信頼できるというのだ」("But if I don't trust the government, the scientists, and other qualified people -- who should I trust?")と日本への信頼を公言し、日本に残ると言って下さいました。
皆さん、信頼に応えましょう。これから皆さんはそれぞれの現場を与えられます。それは本当に小さな現場かもしれません。しかし「一隅を照らすこれ則ち国宝なり」 ―それぞれの現場で誠意を尽くすことこそが社会、そして国、さらには世界を創りあげます。社会・国・世界とは私たちから離れたところにある存在ではありません。社会・国・世界とは私達自身のことなのです。
卒業生・修了生の皆さん、これからは皆さんも、本格的に社会の一員です。社会へようこそ。周りからの信頼に応えてよりよい社会を築きましょう。卒業そして修了、おめでとうございます。
追記
加藤祐子氏による外国メディア報道の分析は秀逸です。ぜひご一読を。今回の災害から私たちが学ぶべきことの一つはメディアリテラシーです。
追追記
本日(2011/03/23)の毎日新聞「異論反論 テレビ消し 仕事に戻ろう」のエッセイで岡田斗司夫氏は、今回の災害は、1次災害(地震・津波)、2次災害(原発事故・インフラ破壊)、3次災害(社会不安)、4次被害(モンスター化する我々)の4つに分けることができると指摘しています。3次災害と4次災害を止めるのは私たち一人ひとりだという岡田氏の主張に全面的に賛同します。
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