本日の主な説明
1 [導入] はじめに
英語教育学(あるいは応用言語学)には、教師の成長に資することが望まれている。
1.1 [背景] 英語教育研究の流れ
これまで英語教育界では、Scientific Research (SR)が80年代頃から隆盛し、次に90年代からAction Research (AR)が普及し始めた。さらに、2000年代からExploratory Practice (EP)が提唱されている。
1.2 [問題] 十分でない研究のあり方に関する理解
SRはしばしば実践感覚から乖離していしまっているが、まだ学会の「研究」の範例として捉えられている。ARは実践感覚に近いが、「問題解決」や「実証」の強調が実践者の日常感覚にそぐわないことが多い。EPに関してはあまり知られておらず、特にその「理解」概念にはさらなる解明が必要である。。このような状況では、まだ英語教育学は教師の成長に対して十分な貢献をしているとはいえない。
1.3 [目的] EPの理論的考察
EPの特質を、SRとARと対比させながら明らかにする。特にEPの「理解」概念については、ハイデガー哲学の概念によって明らかにする。EPが教師の成長に資するものかを検討する。
[理論的貢献] 英語教育研究を深めるために
この研究は2000年代よりSLA研究でも問われ始めた「何のため、誰のための研究か」という反省的問いかけの流れに合流するものである。また英語教育研究ではほとんど取り上げられていないハイデガー哲学を導入することで、応用言語学を充実させるものでもある。ただし本研究は「理念型」による議論であり、実際の個々の研究を分類わけすることなどには興味はない。
[実践的貢献] これからの教員研修のために
この研究は、英語教育研究のあり方に関する理解を深め、今後ますます増えると考えられる教員研修のあり方についても具体的示唆を与えられる。
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