冷静に第二言語習得論を考えるということは、「明日から使える授業のテクニック」などを求めて東奔西走し右顧左眄することよりも、はるかに実践的で現実的だと思います。この『英語教師のための第二言語習得論入門』は、タイトルが示すように、前作の『外国語学習の科学―第二言語習得論とは何か』 (岩波新書)よりもはるかに親切に第二言語習得論が教室現場にどのような意味合いをもつかを解説してくれています。こちらを先に読んでから岩波新書を読むと、第二言語習得論という科学の実践的意味合いがより理解できるでしょう(科学と実践は、直接的・直線的には結びつきませんが、科学の理解は実践の洞察力を深め、実践の経験は科学に展開を促す批判的な問いを与えます)。
値段も安いこともあり、この二冊は英語教師必携・必読の、専門的教養書といえるかと思います。まあせめて、このくらいは買って読みましょう。
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