実力ある英語教師であり、良き母(そして祖母!)であり、音楽を愛してやまない広島県が誇る中学英語教師--道面和枝先生が著書を発刊されましたので、ここにお知らせいたします。
私は道面先生と達人セミナーなどでお会いし、その授業理念・技術に圧倒されてきました。また広島県の「エキスパート教員」研修制度では一年間にわたって月に一度、道面先生と一対一でお会いし、道面先生が実践論文をまとめるお手伝いもすることができました。現場で地道に実践を重ねて来られた方の知性の深さを改めて感じることができる機会でもありました。
その道面先生の実践をわかりやすい形にしたのがこの本です。私は上記のご縁からこの本の序文を書く光栄に恵まれましたので、ここにその序文を掲載し、中学校・高校で生徒の英語の基礎力をつけるために日々努力を重ねられている皆さんにこの本を心からお薦めする次第です。
序文-わかりやすく、共感できて、深い--この本を手にとってくださった皆さん、よい本を見つけられましたね!この本は私が最も敬愛する英語教師の一人によって書かれた、わかりやすくて共感できて、おまけにとても深い実践の書です。「わかりやすい」のは、著者の道面先生が自らの実践を、きちんと概念的にも整理した上で記述しているからです。そして実践全体をも構造的に理解して私たちに提示してくれるからです。実は時々、実践は素晴らしくて、お話しもとても面白いのだけれど、あとで振り返ったら「すごかった。よかった」という気持ちだけしか残らない教師の発表もあります。教師とは第一に実践者ですから、実践を語ることに習熟していなくてもそれは責めるべきことではありません。ですが、道面先生は実践を語ることに関しても研修を深められ、この本のわかりやすい記述に結実しました。計画性という全体構造の中での具体的で細かなステップが展開されています。ぜひ皆さんもお読みください。「共感できる」というのは、道面先生がよく生徒を観察しているからです。道面先生は日頃から実に生徒をよく観察しています。生徒のパフォーマンスはビデオ録画して繰返し見ます。生徒と対話し、生徒に驚いています。そうして生徒の変容を的確に捉えています。この生徒との尽きない関係こそは皆さんの共感を呼ぶことと思います。「深い」のは、道面先生と彼女の生徒が、学校を超えて社会を見つめているからです。この本は単なる英語指導技術のノウハウ書を超えています。社会でことば(英語)を使うということはどういうことか、コミュニケーションとは本当のところ何だろう、という思索があります。さあ、道面ワールドへどうぞ!2008年10月柳瀬陽介
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