インタビューの手法は、メリアム(2004)によるなら、「高度に構造化/標準化」されたもの、「半構造化」されたもの、「非構造化/インフォーマル」なものに大別することができる。私たちは、「学習者の予想外のモティベーション変動」を共通の出発点とし、それから語りを発展させることを狙うので、半構造化インタビューを行なうものとなる。
しかし語りを発展させるといっても、それはもちろん単に面白く話を続けるというわけではない。インタビューとは「目的をもった会話」である。メリアム(2004: 105)は次のように言う。
われわれがインタビューをするのは、直接観察できないことがらを相手から引き出すためである。・・・感情、思考、意図といったものは、観察することができない。過去の行動も観察できない。観察者が立ち入ることができない状況も観察できない。人びとがまわりの世界をどのように体系化し、そこで起こっていることにどのような意味づけを行っているかも観察できない。そのようなことがらについて知るためには、我々は、人びとに質問しなければならないのである。それゆえ、インタビューの目的は、他者のものの見方のなかに分け入っていくこととなる。
私たちは、こういったインタビューの原則を徹底し、話の表面的な面白さではなく、話の中に垣間見える本質的なポイントの解明を目指さなければならない。その際の、質問の方法としては、引き続きメリアム(2004)のまとめによるなら、「もし・・・だったら」といった仮説的(hypothetical)な質問、「あえて反論しますが・・・」といった故意の反対の立場からの質問(devil's advocate)、「理想的にはどうしたいですか・・・」といった理想的(ideal)な質問、「・・・についてはどうお考えですか」といった解釈的(interpretive)質問などの、「良い質問のタイプ」を重視する。他方、同時に複数のことを尋ねる多重質問(multiple questions)、誘導質問(leading questions)、対話が深まりにくいYes-No questionsなどを避けるべき質問のタイプと基本的に考える。また、いずれにせよ、質問の答えが返ってきたら、それにさらにさぐりを入れ(probe)て、対話を深めることが大切である。
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