2008年10月26日日曜日

日本社会の小役人化?

「小役人」という言葉は明らかな侮蔑語です。知性が、小学校の学級委員をやっていた頃から少しも深まらず、形式上の表面的なチェックばかりに血道を上げることが正しいことだと信じて疑わない(小)権力者を私はこの言葉で意味しています。

ですがこういった小役人は、ここ10年ぐらいでますます日本にはびこっているように思います。そういった小役人が権力の正当性を司るべきという考えがますます強くなり、この流れは現実社会の複合的で多面的で柔軟な展開を拘束し、私たち人間の営みをどんどん貧困なものにしているように思います。

内田樹先生のエッセイをどうぞお読み下さい。

http://blog.tatsuru.com/2008/10/26_1313.php



私にとってさらに怖いのは、こういった小役人の発想が、あるべき規範として若い人にも広がっているかもしれないということです。これは私が教育学部に所属しているからでしょうか。教育学部というのは、教員を派遣する初等教育・中等教育の発想にいやでも影響を受けますが、そのせいか、昨今では高等教育であるはずの--つまりは自由度や創造性が非常に高いはずの--大学や大学院の営みが、小学校の学級委員的告発によって次々に批判され、力を損なわれているようにさえも思えます(疲れている私の思い過ごしでしょうか)。

表面的で部分的には正しいのだけれど、深いところでの思考を放棄した小役人がどれだけ社会を損なうかという事例には事欠かないと思うのですが。

小役人ばかりの社会というのは、私は本当に怖ろしい。






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