以下は、7/15(日)に京都外国語外国語大学で開催する公開研究集会(外国語教師の身体作法―学習者との身体的同調をうながすための実践的工夫)の準備の一環で作成した「お勉強ノート」です。下の論文を参考に作成しました。
喜多 壮太郎 (2000)
「ひとはなぜジェスチャーをするのか」
『認知科学』7 巻 1 号 p. 9-21
ですが、私のこのまとめは上記論文の重要論点であるジェスチャーの認知的機能や二つの二重性について触れていません。また、英語を原語とする用語は上の論文とは異なるように翻訳したりもしていますし、まとめに際して私のことばが多く入っていますので、上記論文の内容を正確に知りたい方は必ず原典にあたってください。
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■ 身振りの種類(ただし一つの身振りが複数の種類の特徴を同時に有する場合もある)
1 慣習的身振り (emblem):社会的取り決めにより恣意的に決められた(=描写的類似性も直示的隣接性もない)身振り
2 表象的身振り (representational gesture):描写的類似性か直示的隣接性による身振り
2.1 描写的身振り (depicting gesture):指示対象を身体の動きで類似させた身振り
2.1.1 映像的身振り (iconic gesture):指示対象を直接的に類似させた身振り
2.1.2 比喩的身振り (metaphorical gesture) :指示対象を間接的に類似させた身振り
2.2 直示的身振り (deictic gesture):指示対象を時空間的隣接性で示した身振り
■ 身振りのコミュニケーション機能
(communicative function)
コミュニケーション機能:身振りは、コミュニケーションにおける内容伝達・調整・情動的関係性において機能を有する
1 内容伝達機能:コミュニケーションの内容を伝える
2 メタ調節機能:コミュニケーションの「交通整理」をする
2.1 身振りと発話の役割分担を明示
2.2 会話の流れを調節
3 情動的関係性形成機能:互いの間に「きずな」を形成
■ マクニール (McNeil) の理論
1 身振りと発話の生成過程は、一つの心的過程の二側面(イメージ的側面と言語的側面)である。
1.1 イメージと言語は、前者が後者のもつ恣意性 (arbitrariness)、構成性原理 (compositionality) 、線状性 (linearity) を有していない点で区別できる。ただし擬音語・擬態語は言語の中でも例外的でありイメージ性が強い。
2 身振りと発話の生成過程は、成長点 (growth point) という心的表象の単位によって示される。
2.1 成長点においてはイメージと言語という二種類の性質の異なる情報の間のつながりが見出される
2.2 成長点は異種情報を有するがそれ以上分けることができな心的表象の基本単位である。
2.3 イメージと言語は成長点が生み出された後、相互作用を続けながら、身振りと発話とにそれぞれ成長する。
3 身振りは言語表現が定まった後に、それを身体の動きに翻訳したものではない。
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