2013年9月20日金曜日

2013年度「英語教育図書:今年の収穫・厳選12冊」




大修館書店が発行している『英語教育 増刊号』に今年も「英語教育図書:今年の収穫・厳選12冊」を書かせていただきました。この書評については、江利川春雄先生から過分のおことばをいただきましたが、そこまではいかなくとも、この『増刊号』は来年に大幅な改編を計画しているとのことで、私も年間書評を書くのは最後になると思い、例年よりも少し思いきって書きました (と言ってもやはり遠慮しているところはあるのですが・・・苦笑)。

以下、いつものように、紹介した本を列挙します。また、今年は一言だけ、その書評から引用することにします。



大谷泰照『時評 日本の異言語教育』英宝社 





「慌ただしい昨今だからこそ、私は本書を年間書評冒頭の書としてすべての英語教育人に薦めたい」






山本玲子『子どもの心とからだを動かす英語の授業』青山社




「個人的には今年最大の収穫であった」






安井稔『ことばで考える』開拓社




「『桁が違う』という言葉があるが、比喩的に言えば、身長1.7メートルの私には、安井先生は一桁大きい17メートルの巨人どころか、二桁大きい170メートルの山のように思える」






大津由紀雄(編著)『学習英文法を見直したい』研究社 





「粗雑な議論に私たち専門家までもが巻き込まれないためにも、本書の多面的な分析に学びたい」







松村昌紀『タスクを活用した英語授業のデザイン』大修館書店 




「本書は、タスクの論考を通じて、これまでの日本の英語教育界の信念システム(あるいはドグマ)に果敢に挑戦する」






キース・モロウ(編)和田稔・高田智子・緑川日出子・柳瀬和明・齋藤嘉則(訳)
『ヨーロッパ言語共通参照枠 (CEFR)から学ぶ英語教育』研究社 





「私たちはCEFRを骨抜きにし、学習者(ひいては学習者を育てる教師・学校)を査定する管理と統制のための道具にしかねないのではないか」






シーラ・リクソン・小林美代子・八田玄二・宮本弦・山下千里(編著)
『チュートリアルで学ぶ新しい「小学校英語」の教え方』玉川大学出版部 






「対話形式の本書は、ゆっくり(しかし決して散漫にはならず)進み、読者の理解を深め広げる」






大塚謙二・胡子美由紀
『成功する小中連携!生徒を英語好きにする入門期の活動55』明治図書 





「WHY-WHAT-HOWが統合された実践的な英語科教育法の本といえる」






日野奈津子『英語教師のためのコーチング入門』明治図書 





「教師である私たちはティーチング(教え込み)に習熟するあまり、生徒に対する接し方が固定化してないだろうか」






江利川春雄(編著)『協同学習を取り入れた英語授業のすすめ』大修館書店 





「教育において私たちは人間という種の特徴である社会性をもっと活用するべきではあるまいか」






笹達一郎『すぐに役立つ! 365日の英語授業づくりガイドブック』明治図書





「複雑で多面的な現場の経験知は、表面的な矛盾を超えた深さをもっている」






瀧沢広人『英語教育のユニバーサルデザイン』 明治図書 





「英語教育界が各種障害をもった生徒を「同じでもなく、違うでもなく」(綾屋紗月)『つながりの作法』扱うことができた時、私たちも少しは成熟できるのだろう」






その他、二冊の本について「例年よりも少し思いきって」書きましたが、それはどうぞ増刊号をお読みください。









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