2012年9月15日土曜日

英語教育図書―今年の収穫・厳選12冊(2012年度と2011年度)




大修館書店『英語教育増刊号』が発売になりました(アマゾンでの取り扱いはないと聞いています←取り扱っているようです。下にリンクをつけました。2012/09/18)。光栄なことに今年も年間書評「英語教育図書―今年の収穫・厳選12冊」を書かせていただきました。書評は、本の紹介だけでなく、このような本が出版される時代状況などについても書いたつもりです。よかったらどうぞお読みください。




下に挙げているのは、そこで取り上げた本です(実際には甲乙つけがたいものもあり、12冊を超えてしまいました)。書評は曲がりなりにもお金をいただいて書いた原稿ですので、このブログに転載することは避けます。

まあ、それでも一言二言ぐらいは、原稿に書かなかったことをここで述べることは許されるでしょう。

極めて個人的な見解を述べますと、時節柄一番読んで読んでほしいのは、やはり『英語教育と「訳」の効用』。特に、指導主事などの権力的な立場から、高校英語教育に対して発言される方は、必ず読んでいただきたく思います(あるいは逆の立場から言うと、高校英語教育の現場を預かる教師のみなさんも)。

授業は英語で行うことを基本とする -- 「当たり前じゃないですか。お国が決めたことです。それともあなたはお国の方針に反対するとでも言うのですか?」(キリッ)、とおっしゃる方は、(不謹慎な表現を予めお詫びして言うならば)、あと一回戦争か原発事故を引き起こさないと、わかっていただけないのでしょうか。

仮に国の方針としても、それは常に検証され公共の場での批判を受けながら、遂行されるべきです。いや逆に、検証と批判に耐えることによってこそ、方針は国民の信頼を得ます。権威主義を通り越して、権力むき出しの言い方で、検証と批判を抑圧することなく、英語教育関係者は新指導要領を取り扱っていくべきだと私は考えます。

もう一つだけ書いておくと、個人的に一番面白く読んだのは、『中学校英語授業における学習とコミュニケーション構造の相互性に関する質的研究―ある熟練教師の実践過程から』。博士論文を書籍化した本ですが、早くこのような質的研究の探究が、日本の英語教育界でも当たり前のこととして普及してほしい。なるほどと実感・納得できる研究を私はこの本に見出しました。

それでは以下は、2012年度に選んだ本です。(時折アマゾンのサーバーの不調で、画像が出ない場合もありますが、その際も、アイコンをクリックしていただければ、アマゾンのページには行けるはずです)。




2012年度に取り上げた書籍






























おまけで





ついでながら、昨年度に紹介・言及した本も下に挙げておきます(昨年度は、この紹介記事を書く機会を失っておりました)。ご参考まで。


2011年度に取り上げた書籍



























「新書だから」というだけで書評は書かず、言及だけにとどめた良書。











皆さま、よい読書生活を。



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