2009年4月13日月曜日

金谷憲(編集代表) 『英語授業ハンドブック <中学校編> DVD付』 大修館書店

英語授業の現実にとまどう新任の先生、授業がマンネリ化しなんとか打開したいと考えている中堅の先生、後進を指導する立場になり、場面ごとの指導はできるが体系的・計画的な指導がなかなかできないベテランの先生--英語授業を改善したいと願っているすべての方に通読・参照していただきたいハンドブックが刊行されました。

実は私は編集委員の一名としてこの本の企画にかかわりました。金谷憲先生を編集代表とし、青野保先生、太田洋先生、馬場哲生先生らと何度も長時間の編集会議を重ねました。「授業に関する現場のニーズとは何か」、「ニーズに応えるためにはどのようなデザインの本が必要か」、「現場教師が部分的に参照するだけでもわかりやすいフォーマットとは何か」、「分厚くなりすぎず、かつ必要なことは落とさないためにはどのように項目を精選すればよいか」、「どの現場教師がそのニーズに応えられる優れた文章を執筆できるか」、「一人一人の執筆者にこの本の企画をきちんと伝えるにはどのようにすればいいのか」などを徹底的にブレーンストーミングし、討議し、案にまとめてゆきました。私にとってこの企画会議は本当に面白いものでした。

その結果の一端は、狭義の「英語」指導には含まれないかもしれないけれど授業を展開するためには必須の「クラスルーム・マネジメント」(第七章)を含めたり、授業外かもしれないけれど生徒が英語の力をつけるにはこれまた必須の「自律的学習者に育てるための工夫」を加えたことなどにも表れています。

それ以上の特徴といえるのがこの本には授業実践の実際を伝えるDVD(収録時間約2時間)がついていることです。ある種の実践のニュアンスは残念ながら活字では十分には伝えられません。この本では本文と直接に関連したDVD映像をつけることで、読者の皆さんに十分な理解をしていただこうと努力しています。

14名の執筆者についても本当に実力と文章力を兼ね備えた方々にお願いしたという自負はあります(同等あるいはそれ以上の力をもちながらも様々な事情で執筆をお願いできなかった先生方には本当に申し訳なく思っております)。

この本は大修館書店の創業90年記念出版でもありますが、それにふさわしい良心的な仕事をしようと私たちは励みました。もちろんその結果は読者一人一人が判断すべきでしょうが、私個人としては、いい仕事をさせていただいたという満足感と共に、この本が多くの英語教師にとっての文字通りの「ハンドブック」、常に手元において参照する本になることを願っています。




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