2009年4月1日水曜日

大学が論文とレポートの代筆・代行を公式化

大学生が友人や先輩に論文やレポートの代筆・代行を頼むのは昔からあったことだが、昨今はインターネットにより代筆・代行が組織化されかつてないほどに広範囲で利用されていることは、「卒論 レポート 代筆」などをキーワードにしてグーグル検索すればすぐにわかることだ。代筆・代行を行なうサイトも、露骨に代筆・代行業を名乗るものから「知識取引所」と銘打つものまで多々あり、学生がこれらのサイトへアクセスすることを禁ずる手段はもはやない。

こういった事態を重く見た東広島大学は、論文とレポートの代筆・代行を野放しにするのではなく、大学自身が公式に管理運営化する方向を打ち出した。同大学で狂務部長を担当する柳瀬妖介殉教授(英語狂育学博士)は次のように語る。

「今の学生は授業に出ません。出ても寝ます。寝なければ携帯かゲームをします。こういった状況で学生の実質的な学習機会は単位を取るためにレポートを作成することなのです」と同氏は学生事情を説明。「ところがそのレポートでさえ代筆・代行業者に任せてしまうと、学生にとって唯一の学習であるインターネットからのコピー・アンド・ペーストの機会さえも失われてしまいます。おまけにそのレポートの内容も信頼のおけないものだとしたら、仮に真面目で勤勉な学生が提出の時にレポートをちらりと見てくれたとしても学習成果は期待できません」と狂育学者でもある同氏は苦悩を語る。

「ですから東広島大学では論文とレポートの代筆・代行を大学自身が行なうことにしました。授業を担当する大学教員自身が論文やレポートを代筆・代行します。それに成績別に価格をつけて大学のホームページで販売するわけです。教員自身によるものですから内容の正確さは(たぶん)保証済みです。学生も払った値段によって自分の成績が確実にわかるので、評価の透明性からも好ましいのです」と同氏は語る。

同氏によれば、この大学の試みは、新自由主義的市場原理主義へのアンチテーゼでもあるという。「市場に任せていれば、粗悪なサイトに学生の貴重な学習機会を奪われてしまうだけです。その点、大学が論文とレポートの代筆・代行に公式に取り組めば、その競争的優位性により価格も廉価に設定できますので、おそらく数年以内に論文やレポートの代筆・代行業者は根絶するでしょう。そうやって独占状態を作り上げれば、学生の不満が出ない程度に徐々に代筆・代行料金を値上げできます。これは少子化に伴う授業料減で苦しむ大学にとって貴重な収入となります。さらに、単位や卒業認定にかかわるこれまでのアカハラも、透明で公正な代筆制度導入により減少するでしょう。大学の問題は市場でなく、大学自身が解決するのです。学生と大学の両者が益するwin-win的なソリューションです」と同氏は誇る。

東広島大学のこの論文とレポートの公式代筆・代行制度は、情報化と説明責任の時代における大学の合理的な生き残り手段として日本中の大学関係者の注目を浴びているという。

日本の再生は、大学の自己改革から始まるのかもしれない。

がんばれ日本! がんばれ大学!!


『英語狂育通信 2009年4月1日号』



⇒ 関連記事 「東広島大学 格差解消へ前進









0 件のコメント: