2018年11月5日月曜日

「からだ」を信じる教師たちの集まりーー第6回こども英語教育研究会に参加して--



第6回こども英語教育研究会はとても実り豊かな会合となりました。

この会は、 単なる指導法(ノウハウ)の伝達講習会ではなく、英語教育を通じて何を目指しているのかを意識しそれを体現化させている実践を共有し、語り合う会です。

「からだ・こころ・あたま」という用語法を使って私なりにまとめるなら、この会には「からだ」を信じる教師たちが集まっています。

これらの教師は、自分の「からだ」で感じる直感、表情などの子どもの身体が伝えてくれるメッセージを頼りに、教育実践において何がよいのか、正しいのか、を探究し続けています。時に教育界の常識を疑い、誰も歩んだことのない道すらも切り開いてきた教師もいます。そういった教師が、そしてそういった教育実践を志向したいと願う教師が集まったのがこの会でした。

講師となった先生方の多くの魅力は、その先生方の目の輝き、顔の表情、声の感触、立ち姿などに接した瞬間に直感的に伝わります。

もちろん話の内容も説得力があります。講師の先生方は、「あたま」だけでことばを語らず、「からだ」から生じて「こころ」に熱く感じる「ことば」をもっています。それを「からだ」の直接的な表現であるジェスチャーと共に表現します。もちろん、それは日々の実践を通じての思考で、「あたま」で十分に整理された上で語られています。

ですから、ことばが聴衆の「こころ」をとらえます。「からだ」に響きます。そして聴衆の「あたま」の働きを活性化させます。まさに「ライブ!」といったワークショップが多かったです。

別のまとめ方をすれば、講師の先生方は、言語形式の技能を機械的に獲得する方向に傾きつつある英語授業や英語教材に、生命(いのち)を吹き込む授業を実践しているとも言えます。ともすれば機械的な暗記や訓練だけに終始してしまいがちな英語授業に、学びが本来もつ「からだ」と「こころ」で感じられるワクワク感を取り戻しています。

今回のテーマは、学習指導要領にもある「学びに向かう力」でしたが、誰も干からびたような常套句を繰り返すことなく、それぞれが自らの毎日の実践を通じて感じてきた感覚と思考を言語化して語っていました。

講師も参加者も、全員が全員、現在の英語教育政策に問題なしと思っているわけではありません。それでも、目の前に子どもがいる以上、自分としては、できうるかぎり良質の学びを提供したいという思いで、皆は参加したといえます。

事務局(実行委員会)も、現代の教育の危機的といってもいい状況に、やむにやまれぬ思いで、まさに手弁当でこの会を運営し続けています。今後共、どうぞこの会にご注目ください。


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