この記事は、2014年の12月1日(および8日と15日)の月曜日の5・6限に、K114教室で開かれる「教育実践演習」の授業で使用する資料を掲載するためのものです。
発音の基本
■ 発音記号 (International Phonetic Alphabet: IPA) をワードなどで使えるようにする。
きちんとした発音指導をする際には、発音記号を使うことが、必須とまではいかないものの、しばしば非常に有効です。まずは、皆さんが自分のコンピュータで発音記号を使えるようにしましょう。
「発音記号をワードで印字する方法」などでグーグル検索をすると、「最近のワードでは、「挿入」→「記号と特殊文字」→「IPA拡張」でIPAが使えます」といった情報が得られるが、少なくとも私がやる限り"th"発音などのフォントがない。従って、下記の方法で(英語用の)発音記号のフォントを入力することにする。
(1) "Aglaia Phonetic Symbol"のフォントをコンピュータにインストールする。
加藤一器氏が開発した英語の発音記号用のフォントを、株式会社アグライアインターナショナルが、現在、下記のサイトで無料ダウンロードができるようにしている(加藤様とアグラインターナショナル様に感謝!)
このサイトで説明されているように、フォントのインストール方法はOSやバージョンにより少しずつ異なるので、適宜グーグル検索をして、うまくダウンロードとインストールをしてください。
(2) ワードで発音記号を印字できるようにする。
(2a) ワード (Microsoft Word) のフォントを "Aglaia Phonetic Symbol"にする。
通常は、フォントが「MS明朝」や"Century"になっているが、それを"Aglaia Phonetic Symbol"にする(ちなみに、英文を「MS明朝」で作成すると、非常に読みにくく醜いものになってしまう。"Century"はモニター上ではそうでもないが、印字すると今ひとつ美しくない。英語教師としては、英文本文(および数字)は"Times New Roman"で、英文タイトルなどは"Arial"などのサンセリフで作成することを原則にしてほしい(私などは、英文をMS明朝などで作成している人を見ると、どうしても「あ、この人は日頃から英語を読んでいないな。読んでいたら、こんな醜いフォントを選ぶわけないから」と思ってしまう)。フォントの選択については、下記ページを見ておくこと。
伝わるデザイン:書体の選び方
(2b) "Aglaia Phonetic Symbol"附属のPDFファイルを見ながら、必要な発音記号を入力する。
"Aglaia Phonetic Symbol"をダウンロードした時に含まれているPDFファイル(アグライア発音記号コード表)を開き、そこにある「キャラクターコード表」を見ながら自分が必要とする発音記号をワードに入力する。後は、適宜、それをコピペして、自分が必要とする文書を作成する(発音記号以外の文書は、他の適切なフォントで作成すること。"Aglaia Phonetic Symbol"は英語の発音記号のために特化されたフォントです)。
(2c) ワードで文書を完成させたら、それをPDF化しておく。
このフォントは、このフォントがインストールされているコンピュータ上でのみ正常に表示・印刷されるはずだから、このフォントを使ったファイルはPDF化して、少なくともそのファイルが他の(他人の)コンピュータ上では、表示だけはできるようにしておく。しかしそのままではおそらく印字はできないはずなので、もし他人にもそのファイルを印字してもらいたかったら、上記のフォントをそのコンピュータにインストールしてもらうこと。(この項目は、現時点では実験していないので不明です。自転車操業でこの記事を作成しています(泣))。
■ 自分がきちんと発音の方法を知っているか確認する。
(1) 子音について
(1a) 自分が子音の発音方法について知っていることをすべて書き出す。
以下のファイルをダウンロードして、そこに書かれている課題を行いなさい。
(1b) 子音の体系性を確認する。
以下のページを参照して、過去に習っているはずの子音の体系性を卒業する前までに確実にマスターしておいてください。正しいフォーム(発音の方法)さえわかっていれば、今すぐは完全に発音ができなくても、長い間練習を重ねてゆけば、必ずうまく発音ができるようになります。
英語子音の発音法のわかりやすい表記
http://yanaseyosuke.blogspot.jp/2011/12/blog-post_09.html
http://yanaseyosuke.blogspot.jp/2011/12/blog-post_09.html
(2) 母音について
(2a) 自分が母音の発音方法について知っていることをすべて書き出す。
以下のファイルをダウンロードして、その第1ページと第2ページにに書かれている課題を順に丁寧に行いなさい。
(2b) 母音の体系性を確認する。
以下の二つのページで、上の第2ページ課題の自分の回答が正しいか確認しなさい。
Chart of English Vowels
http://pages.uoregon.edu/l150web/vowel.html
English vowel chart
http://commons.wikimedia.org/wiki/File:English_vowel_chart.png
http://pages.uoregon.edu/l150web/vowel.html
English vowel chart
http://commons.wikimedia.org/wiki/File:English_vowel_chart.png
■ 日々教える英語を発音記号化し、忠実に発音するように自己訓練を重ねる。
教材研究の基礎中の基礎(あるいは前提)として、一つ一つの英単語の発音をきちんと確認しきちんと発音できるようにしてください。最初のうちは、辞書を見ずに自分で発音記号を書いてみて、後でそれを辞書でチェックする方法(いわば、「目と手で行うディクテーション」)が有効です。
この基礎訓練をしっかりやっておくと、後年はそんなことをいちいちやらなくてもきちんと発音ができるようになります(また、フォニックスの原則も自然と体得していくでしょう)。逆に、この基礎訓練を怠っておくと、生涯にわたって発音がいいかげんな英語教師となってしまいますので、くれぐれも若いうちの自己訓練を怠らないでください。
以下のサイトを徹底活用して、個々の子音と母音の発音方法をマスターしてください。
Phonetics: The Sounds of American English
http://www.uiowa.edu/~acadtech/phonetics/english/english.html
http://www.uiowa.edu/~acadtech/phonetics/english/english.html
※このサイトは超お勧めです。スマホやタブレット用のアプリもインストールできますので、それぞれの発音を確認・理解し、体得を試みてください。
なお、英単語が連続して発音される時に生じる変化などについては、以下の、甲南大学の伊庭緑先生による素晴らしいサイトを十二分に活用して、基本的な原理をマスターしておいてください。
楷書をきちんと書ける人は、自然と行書や草書の読み書きもできるようになるように、一つ一つの発音をきちんとできる人が、早口で発音しようとすれば、自然と英語らしい発音になります。まずは子音と母音の一つ一つの発音方法をきちんとマスターしてください。
その他に参考になると思われるサイトを紹介しておきます。適宜活用して、4月からは自信をもって教壇で英語が発音できるようにしておいてください。
発音記号の読み方
http://www.linkage-club.co.jp/entry/hatsuonkigo.html
発音記号一覧表
http://hatuon.sakura.ne.jp/p_minikouza/itiran.php
Phonetic symbols for English
http://www.phon.ucl.ac.uk/home/wells/phoneticsymbolsforenglish.htm
【英語】 じつはカンタン!発音記号 がすべてわかる知恵ノート 【読み方】【覚え方】 http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n172678
英語発音がよくなる10のコツ
http://hatsuon.msize.net/index.html
田尻悟郎のWebsite Workshop
http://gtec.for-students.jp/tajiri/consult/answer02_20.htm
発音が確認できる無料のオンライン辞書
http://allabout.co.jp/gm/gc/50506/
以下は、後日掲載します。
第二回 (12/8) 英文の解釈と分析、そして朗読
第三回 (12/15) 後日決定
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