先日、言語文化教育研究学会の『言語文化教育研究』(特集「実践研究の新しい地平」)に拙論を掲載していただけました。この拙論は、私の2014年前半に考えたことのほぼすべてを集約したものです。もしよろしかったら、他の論文と共に拙論もお読みください。
『言語文化教育研究』第12巻
特集「実践研究の新しい地平」
http://alce.jp/journal/vol12.html
柳瀬陽介 (2014, pp. 14-28)
「人間と言語の全体性を回復するための実践研究」
http://alce.jp/journal/dat/v12g.pdf
概要
特集「実践研究の新しい地平」
http://alce.jp/journal/vol12.html
柳瀬陽介 (2014, pp. 14-28)
「人間と言語の全体性を回復するための実践研究」
http://alce.jp/journal/dat/v12g.pdf
概要
本稿は言語教育における実践研究のあり方について,「人間と言語の全体性を回復する」という観点からの論考を行う。この論考を行う背景には,近年の言語教育が,近代の合理主義,資本主義的生産体制,そして言語学などが前提としている認識論に対してあまりにも無自覚的・無批判的であるあまり,人間と言語の存在と機能の一部ばかりに偏向しているのではないかという懸念がある。その偏りによる歪みを正し,人間と言語の全体性を回復することは,言語教育の目的のために必要なことであるが,それと同時に実践研究での言語使用においても私たちは人間と言語の全体性を回復しなければならないと本稿は主張する。回復のためには,「からだ・こころ・あたま」,および「外界・内界」のどの領域においてもことばが自由に使用され,かつ実践者が,学習者・(仮想)共同研究者・自らの無意識との対等な権力関係を構築するべきという論考を本稿は展開する。
この学会誌に、ある程度の字数を許していただき書かせていただけたことは、私にとって、ひつじ書房様に『英語教師は楽しい―迷い始めたあなたのための教師の語り』を発刊していただいたことと並んでの2014年度の大きな知的収穫でした。
とはいえ、私はこの学会に依頼されている仕事を一つまだ終えていないので、今はまだ恩を仇で返していることになります。本来は、その仕事を終えてからこれを掲載しようと思っていたのですが、今年もあと一日となり、それもほぼ無理となりましたので、恥ずかしながら拙論の掲載告知だけをさせていただきます。
この件に限らず、今年は1-3月の不調から回復したのも束の間、4月からの行政仕事負担で無理をしたせいか、6月末に二度目(ひょっとしたら三度目)のおたふく風邪に罹患し、多くの皆様に御迷惑をおかけしました。10月ぐらいからほぼ調子も戻ってきたのですが、無理をしないことを第一にしたため、これまた多くの方に非礼・無礼・不義理をし、かつご迷惑をおかけしたままになりました。この場をお借りしてお詫び申し上げます。
2015年が皆様にとってよい年でありますように。
追記 (2015/01/20)
ある親切な読者からの指摘で、以下の誤植が判明しましたので、ここに訂正します。
p 23 左側 下から4行目
誤 「通俗的あるいは批判的な判断を提示して」
正 「通俗的あるいは批判的な判断を停止して」
2 件のコメント:
学会誌への掲載、おめでとうございます。
近代人は、分化され専門領域に対応しているけれど、人間・生活者のために学はあり、総合的に人間的にとらえないといけない・・・と思います。(ちょっと主旨がずれていますか・・・)
余談ですが、ピタゴラス教団(哲学的秘密宗教団体)が無理数を発見したのは教団の紋
章(五芒星図形☆)にヒントがあったようですね(他説もあり)、秘密をもらして落命したとかなんとか・・・最近の研究によると秘密にされたという主張はほとんど根拠がないらしいですが。(←どうでもいい)
さて、おたふくかぜ!そんなに何回も罹るものですか。免疫力落ちているとか?(抗体が無くなっている?)
研究も大事、お体も大事になさってください。
あ、写真も見てますよ。時々、はっとするような作品に出会います。
今年もあとわずか。良い年をお迎え下さい。
来年もよろしくお願い致します。
(コメント送信されているか自信がないため再送しています、だぶっていたら削除お願いします)
コメントをありがとうございます。お返事が遅くなって申し訳ありません。
「近代人は、分化され専門領域に対応しているけれど、人間・生活者のために学はあり、総合的に人間的にとらえないといけない」というのはその通りだと思います。
昨年6月末に私がおたふく風邪にかかった時、頬だけでなく、なぜかふくろはぎが猛烈に痛んで、私はその痛みでほとんど眠れなかったので、耳鼻科にかかったときに、その症状を告げたのですが、お医者さんの返事は「私は耳鼻科医ですから、ふくろはぎのことはわかりません」とのキッパリとした一言だけでした。
現に症状がでているのだし、身体の循環から考えても、何らかの関連があるのではと素人としては思ったのですが、その問題の切り捨て方は、まあ、もう見事なものでした。私としては、「あ、やっぱり西洋医学って、こういうものなのね」と思いました。
その後大きな病院に行きましたが、特に異常は発見されませんでした。
といってもそれは詳細な血液検査だけによるもので、「臨床」ということばはほとんど感じられませんでした。
こんなものなのでしょう(笑)。
今年もよろしくおねがいします。
2015/01/03
柳瀬陽介
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