2012年4月7日土曜日

英語教育系大学院生のための私家版リンク集




ここでは、英語教育系大学院生のため役立つと私なりに考えるリンクを、項目ごとに整理します。よかったら活用して下さい。なお、想定しているのは主に修士課程の大学院生ですが、多くのリンクは博士課程の大学院生にも、やる気のある学部生にも有用なものだと信じます。また「英語教育系」と銘打ってはいますが、今や、知的職業にとって英語は必須といってもいい技能ですので、他の専攻の大学院生にも少しは参考になるのではないかとも思っています。




■はじめに:自分が自分の人生の主人公になる

大学院生活で大切なことは、自分が自分の人生の主人公になる、ということです。例えば修士課程では、(1)修士論文を書く、(2)修了所要単位を取るために授業に出る、(3)自分がやりたいこと・やるべきことをやる、ということが主な課題になるかと思いますが、このうち、(1)と(2)は指導教員から具体的に催促されることはあれど、(3)に関しては院生個人に任されています。ですから特にこの(3)について、自分で課題をしっかりと自覚・把握し、うまく毎日を過ごしてゆかないと、せっかくの学ぶ機会が十分に活用できません。以下のサイトを参考にしてください。

・知的仕事のABC
http://ha2.seikyou.ne.jp/home/yanase/education.html#080331

・エクセルで行うタスク管理
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2008/10/blog-post_09.html

・「生きる」ためのタイムマネジメント
http://yanaseyosuke.blogspot.jp/2007/08/blog-post_24.html




■すべての基本である身心の健康を整える

時には寝食を忘れて勉強に没頭することもあるでしょうが、勉強は長期戦です。また、冴えた頭でないと、論文執筆といった創造的な仕事はできません(疲れ切って混濁した頭だと、いたずらに無駄な仕事や不安を増大させるだけです。食事と睡眠が大切なことは言うまでもありませんが、長時間机に付く院生は姿勢に気をつけて下さい(というより、姿勢が悪いまま長時間質の高い知的時間などもてるわけがないというのが私の確信です)。

・身体を整えて、心の苛立ちや不安を鎮めましょう
http://yanaseyosuke.blogspot.jp/2011/03/blog-post_16.html

また、定期的な運動は特にお勧めします。私が個人的に尊敬している非常に有能な研究者の多くは、定期的に運動することを非常に大切にしています。下は、iPS細胞で有名な山中伸弥先生が高校生に向けて行った講演の動画ですが、そこでも自分自身、運動をすることを非常に大切にしていることを語っています(このことに限らず、この講演は非常にいい講演ですので、大学生・大学院生は時間がある時にぜひご覧下さい)。






心の健康も大切です。独善的な心、高慢な態度、攻撃的な物言い、慢性的なイライラ感、睡眠障害などが出てきたら注意して下さい(大学にもカウンセラーや精神科医がいますので、特に症状が続くようでしたら相談して下さい)。以下は、私が個人的に尊敬する桜井章一氏のことばと、信頼できる精神科の情報です。

・桜井章一(2010)『努力しない生き方』集英社新書
http://yanaseyosuke.blogspot.jp/2010/11/2010.html

・桜井章一(2009)『負けない技術』講談社+α新書
http://yanaseyosuke.blogspot.jp/2010/11/2009.html

・桜井章一先生の著作8冊
http://yanaseyosuke.blogspot.jp/2010/11/8.html

・「こころのリスク状態」について
http://yanaseyosuke.blogspot.jp/2009/12/blog-post.html




■知的生活一般(入力)

食物が身体の根本をつくるように、知識が知的精神の根本をつくります。ジャンクフードの大食いがまともな身体を作らないのと同じように、くだらない書物やウェブページばかり読んでいたら、まともな知的精神はできません。読書は何より質を大切にしてください。

・The New York Times (Chrome専用アプリ(NYTimes)が便利)
http://global.nytimes.com/

・Edge
http://www.edge.org/

・Yanase's Twitter List: Essentials
https://twitter.com/#!/yosukeyanase/essentials

・Kindle(専用デバイス上だけでなくPCでも読めて、アンダーライン部分が文献情報と共にすぐにコピペできる
http://www.amazon.com/dp/B0051QVF7A/

・松岡正剛千夜千冊
http://1000ya.isis.ne.jp/file_path/table_list.html

・梅田望夫・飯吉透(2010)『ウェブで学ぶ ―オープンエデュケーションと知の革命』ちくま新書
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/10/2010.html





■知的生活一般(出力)

知的精神は、入力だけでは作られません。というより、自ら知的出力を行い、他人や世界と関わることによって、知的入力に対する自覚が高まります。知的出力を行わずに、入力ばかりやっている人は、実は漫然と情報を右から左に流しているだけに過ぎません。知的出力を定期的に・積極的に行なってください。その際には、言語表現に対して自覚的になるだけでなく、主体的に考えることを大切にしてください。

・本多勝一(1982)『日本語の作文技術』朝日文庫
http://yanaseyosuke.blogspot.jp/2011/03/1982.html

・岡野雅行さん:自分の頭と手で考える
http://yanaseyosuke.blogspot.jp/2010/10/blog-post_07.html

・考える・調べる・尋ねる
http://yanaseyosuke.blogspot.jp/2009/04/blog-post_13.html





■ICT一般

Personal computerは現代の知的生活にとって必須の道具ですが、それを本当に'personal'に使いこなしている人は必ずしも多くありません。パソコンやiPadなどのタブレットなどを使いながら、常に「もっと効率的な使い方はできないか」と工夫創意を怠らないでください。機械に使われる人生でなく、機械を使いこなす人生を送って下さい。

・Google Reader + Twitter + Evernote + Chromeの相乗効果が創り出す新しい知の生態系
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/10/google-reader-twitter-evernote-chrome.html

・思考ツールとしてのプレゼンテーションソフト
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/03/blog-post_496.html

・コンピュータと人間知性の共進化について
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2008/10/blog-post_7852.html

・コンピュータ上で「思考」をするために
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2008/11/blog-post_03.html

・右クリックとショートカットキー
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2008/11/blog-post_24.html

・ブラウザーならChrome!とにかく作業が速くなります
http://www.google.com/chrome/intl/ja/landing.html

・Microsoft IMEの使いにくさにイライラするなら無料のGoogle日本語入力を!(ただしATOKほどはよくありません)
http://www.google.com/intl/ja/ime/

・無料で便利なNo Editor (特にHTML関係とワードカウントが便利。ただし時々サイトへのアクセスができない状態になっている)
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/04/no-editor.html

・アウトラインプロセッサとしても使えるWZ editorはお薦め
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2008/03/wz-editor.html

・情報と知識の総合マネジメントにはEvernoteが便利
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/04/informationknowledge-managementevernote.html

・DropBoxならどのPCで仕事をしても同じファイルがいつでも使える
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/01/dropboxiphone.html




■英語力を上げる

入学式の挨拶で言うつもりだったのですが、「自分がよくわかっていないこと・よくできないことは、教えない」という当たり前のことを当たり前に行うために、英語教師を目指す者は英語力をつけておきましょう。この場合の「英語力」とは、日本の通常の認識からすれば「デタラメにできる」ぐらいの高さです。そのくらいの高さで海外では「フツーに英語を使う人」ぐらいの認識ですから。

・ウェブで英語を自学自習し、豊かな文化社会を創り上げよう!
http://yanaseyosuke.blogspot.jp/2010/05/blog-post_31.html

・字幕付きの無料動画で楽しく英語を学ぼう!
http://yanaseyosuke.blogspot.jp/2010/04/blog-post_26.html

・映画を繰り返して見て、ついでに英語を身につけよう

・英語動画で高度な英語説明力をつけよう!
http://greatpresentationvideos.blogspot.com/

・英語などの総合的な辞書ならOneLook Dictionary Search
http://www.onelook.com/

・代表的な英語辞書・辞典・百科事典ならDictionary.com
http://dictionary.reference.com/

・英語の各種レファレンスならBartleby.com
http://www.bartleby.com/

・英和・和英・国語・類語・専門語辞書
http://www.weblio.jp/

・英語教育ブログみんなで書けば怖くない!企画:「私の英語学習歴 ― 留学なしで大学院修了まで」
http://yanaseyosuke.blogspot.jp/2011/02/blog-post_28.html

・英語専攻生はTOEFL ITPを受けよう
http://yanaseyosuke.blogspot.jp/2012/04/toefl-itp.html




■論文を読む

修士課程ではいきなり修士論文を書くことを求められますが、書く前には相当にそのジャンルの書き物を読んでいなければなりません。まずは大量に学術論文を読んで下さい。

また、論文は読みっぱなしにするのではなく、読んだら必ず自分なりにまとめてそれを電子媒体か紙媒体で整理して保存しておき、後々活用できる状態にしておいてください。純粋に読書の楽しみだけに行う読書と異なり、論文読解は「後で活用・引用できてナンボ」です。

・USEFUL ONLINE RESOURCES FOR APPLIED LINGUISTS 【ブックマーク推奨】
http://yanaseyosuke.blogspot.jp/2008/04/useful-online-resources-for-applied.html

・広大図書館 (トップのOPACとMetaLibを使う)
http://www.lib.hiroshima-u.ac.jp/

・論文の検索ならGoogle Scholar
http://scholar.google.co.jp/

・本の検索ならGoogle Books
http://books.google.com/





■論文を書くとは

大量に論文を読めば、何となく論文とはどういう書き物かがわかってきますが、やはり自分で書き始めてみると、ぼんやりとわかったつもりになっていたことを、自分は体得もしていないし、明確に理解もしていなかったことがわかります。以下のような記事を読んで、自分で論文を書き始めてみて、改めて以下の記事を読んで、書くことを少しずつゆっくりと、自覚的な理解を深めながら学んでください。

自分のことがよくわかっていない若い人は、しばしば「あ、それ知ってます」と言います。そんな若者に、私の敬愛する方は「ふーん、で、わかってるの?」と尋ねるそうです。「いや、わかっているつもりなんですけど」などと言えば「あっそ。じゃ、できるの?」とさらに尋ねるそうです。以下の記事を読んで「なんだ、こんなん、当たり前のことじゃん」と思う人は、どうぞ自分がその「当たり前」のことを当たり前にできているのかを自問自答して下さい(ちなみに私はできていません)。

ただ、注意点を。論文を書き慣れていない大学院生はこのように助言されると、とかく'perfect'な論文を書こうと思い、自分を追い込んで責めてしまい、「書けない。自分は駄目だ」と短絡してしまいます(良心的な人ほどそうです)。しかし'perfect'な論文なんて誰も書けません。'Perfect'な調査研究も人間にはできません。

私たちが目指すべきは、'reasonable'であることです。多くの妥協もしながら、それが'reasonable'な妥協であればOKです。'Do your best'とは'Always achieve the perfect.'でなく、'Always try to be reasonable as much as you can.'ぐらいで解釈すべきだと思っています。

いやひょっとしたら'reasonable'というより'good enough'でいいのかもしれません。誰も最初から最上の作品を生み出すことはできません。まずは'good enough'な論文から始めて、その経験を重ねて少しずつ'more reasonalbe'になれれば、それこそが'our best'ではないでしょうか。

・研究論文とデザイン
http://ha2.seikyou.ne.jp/home/yanase/education.html#060928

・知的エンターテイメントとしての論文
http://ha2.seikyou.ne.jp/home/yanase/education.html#081210

・論文の構成要素とコミュニケーション的機能
http://ha2.seikyou.ne.jp/home/yanase/education.html#080411

・Research Questionの探究としての研究論文
http://ha2.seikyou.ne.jp/home/yanase/education.html#081015

・相手にとって重要な知見を発見・説明・立証し、それを相手にとって最も親切な形で提示する
http://yanaseyosuke.blogspot.jp/2012/02/blog-post.html

・卒論・修論・博論の書き方を解説したサイト
http://yanaseyosuke.blogspot.jp/2011/10/blog-post.html

・「当たり前」だけどなかなかできない「思考のマネジメント」
http://yanaseyosuke.blogspot.jp/2011/03/blog-post.html

・卒論・修論のテーマが絞りきれずに苦しんでいる学生さんへ
http://yanaseyosuke.blogspot.jp/2010/03/blog-post_17.html


・情報から知識へ ― 論文のまとめ方についてのパワーポイントファイルと音声ファイル
http://yanaseyosuke.blogspot.jp/2010/03/blog-post_30.html





■英語を書くとは

上掲の入学式の挨拶で言うつもりだった文章にも書いたのですが、ぜひ英語をきちんと書けることを目標にしましょう。

・英語ライティングの総合ガイドならTHE OWL AT PURDUE 【必ずブックマーク!】
http://owl.english.purdue.edu/owl/

・杉原厚吉(1994)『理科系のための英文作法』中公新書
http://yanaseyosuke.blogspot.jp/2011/03/1994.html

・George Gopen & Judith Swan (1990) "The Science of Scientific Writing" American Scientist
http://www.eigokyoikunews.com/columns/y_yanase/2009/11/george_gopen_judith_swan_the_s.html

・J. Williams & G. Colomb (2010) Style: The Basics of Clarity and Grace
http://yosukeyanase.blogspot.jp/2011/09/j-williams-g-colomb-2010-style-basics.html

・遠田和子(2009)『Google英文ライティング』講談社インターナショナル
http://yanaseyosuke.blogspot.jp/2010/04/2009google.html

・英語教師は理系に学ぼう - コラム
http://www.eigokyoikunews.com/columns/y_yanase/cat-18/




■博士課程後期入学者へ

博士号を取るということは、研究者として自活できるようになることを意味します。以下のような本を博士課程の初めの時期に読んでおくことが、後々の多くの年月を豊かにしてくれるのではないかと思います(下の二冊は未読なのですが、評判が良さそうなのでここに掲載しておきました)。

・川崎剛 (2010) 『社会科学系のための「優秀論文」作成術 ― プロの学術論文から卒論まで』勁草書房
http://yanaseyosuke.blogspot.jp/2012/02/2010.html






■学部入学生へ

ここまでこの記事を読んでくれた学部生の方、向学心をもっていてくれてありがとう!でも無理な背伸びはせずに、まずは以下のような基本的なことは確実にできるようになっておいてください。(でも、ここまで読んでくれて嬉しいです)。

・まとまった文書の作成法
http://yanaseyosuke.blogspot.jp/2012/01/blog-post_21.html

・オメの考えなんざどうでもいいから、英文が意味していることをきっちり表現してくれ
http://yanaseyosuke.blogspot.jp/2011/10/blog-post_21.html

・英語子音の発音法のわかりやすい表記
http://yanaseyosuke.blogspot.jp/2011/12/blog-post_09.html






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