2019年1月23日水曜日

教育の「正常化」 (normalization) の説明のために "The End of Average" (『平均思考は捨てなさい』)の議論を用いる


以下に、説明用のスライドを公開します。本来は新たに文章を書き起こしたいのですが、今はその時間がないので、 "The End of Average" (邦訳『平均思考は捨てなさい』)からの引用だけのスライドを作成するに留めました。




作成の理由は、私が現代の教育の特徴の一つとして使いたい「正常化」 (normalization) という概念を、やや批判的に説明するためです。「正常化」という用語を使わずとも「標準化」 (standardization) としてもいいのではないかとも思われますが、「正常化」という用語の中にある"Norm" (規範)という含意、およびこの「正常化」がもつ抑圧性(「異常」の生成)を明らかにしたくてこの用語を選びました。

また、この説明によって、『学び合い』の授業を実施している福島哲也先生のような実践者がなぜ一斉授業を捨てている理由が少しでも明らかになればと思っています。

このスライドは、以下のページのまとめに基づいています。スライドに興味をもった方、スライドの引用だけではその意味がよくわからない方などは以下をご参照ください。

Introduction of The End of Average by Todd Rose (2017)
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2018/03/introduction-of-end-of-average-by-todd.html
平均の発明 Ch.1 of The End of Average by Todd Rose (2017)
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2018/03/ch1-of-end-of-average-by-todd-rose-2017.html
いかにして私たちの世界は標準化されてしまったのか Ch.2 of The End of Average by Todd Rose
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2018/04/ch2-of-end-of-average-by-todd-rose.html


このように私は「正常化」に対してやや批判的な見解をもっていますが、同時に教育における「正常化」は全面的に否定されるべき考えではないとも思っています(その理由の詳述は後日の課題とさせてください)。私の現在の考えは、教育においては「正常化」概念と並走的に「個性化」 (individuation) という概念をおいて、教育の目的・方向性を定めるべきというものです。ユング心理学に基づく「個性化」についての説明も後日の課題とさせてください。

こういったことについては苫野一徳先生や西川純先生の著作を読めばいいのかもしれませんが、まことに恥ずかしいことに私はこれらの先生方の著作をまだ読んでいません。ああ、もっと本を読みたい。時間がほしい。




 





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