私が毎日新聞を購読し続けている理由は、署名記事が多いことと、社会的マイノリティに対する報道が充実していることの二つです。
この本の基になった「境界を生きる」の連載は、当時「性分化疾患」や「性同一性障害」についてほとんど何も知らなかった私にとって、とても勉強になるものでした。世間の無知から生じる偏見と差別で大きく傷つけられている性的マイノリティの人たちへの理解を深めなければと強く思わされました。
そんな話をある時雑談でしていたら、ある中学校の先生が「私の学校にもそんな子が一人います」と大いに興味を示しました。私は連載の切り抜きなどもしていなかったので、「ぜひ図書館などで過去の毎日新聞を読んでください」とだけしか言えませんでしたが、このたびこの連載が書籍化されました。
学校教師は、やはりこの問題に対してもきちんとした知識をもつべきかと思います。生物学的・生理学的個人差を、学校などにおいて社会的トラウマにしてしまうことだけは避けなければなりません。
この連載は、石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞(草の根民主主義部門・2010年度)および第29回ファイザー医学記事賞優秀賞を受賞したそうです。この書籍を通じて、私たちが人間の多様性について理解を深められますように。
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