2007年8月17日金曜日

栄 陽子 『留学で人生を棒に振る日本人―“英語コンプレックス”が生み出す悲劇 』扶桑社新書


 この本の著者も言うように、日本では、「多くの人にとって『英語』は自分の人生をステップ・アップさせるためのオールマイティな切り札」(45ページ)と誤解されています。「英語さえできれば・・・」という願望と現実の取り違え(wishful thinking)により、英語という切り札を得るためのとっておきの切り札としての「留学」という言葉に飛びつきます。

 しかし「留学」にはピンからキリまであるのが現実です。「留学」という言葉に過剰反応しがちな保護者、および「留学」の相談を受ける英語教師は、この書に書かれているような情報を知っておくべきでしょう。「第一章 これが"留学!?"知らなかったその実態」、  「第四章 各国の教育システムさえ理解できない人達」、「第五章 危ない留学仕掛人」の数々のエピソードは、「留学」に関する誤解や過剰な期待を打ち壊すことでしょう。

 とはいえ著者はすべての留学を否定・批判しているわけではありません。また著者の「中三レベルの英語教育を充実させ、『英語で何をするか』を考えさせること。それがこれからの英語教育に欠かせない視点ではないでしょうか。」(174ページ)という主張も正論と言えるでしょう。

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2 件のコメント:

  1. 匿名8/24/2007

    こんにちは。ヤスと申します。以前「ヤスの英会話」というサイトがありましたが、今度全面的にリニューアルし、「ヤスの英語」というサイトを立ち上げました。情報量は豊富です。ぜひどうぞ!

    ヤスの英語
    http://www.yasunoeigo.com

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  2. ヤスさん、コメントありがとうございます。
    サイトのますますの発展をお祈りします。
    ウェブで英語教育がますます進展しますように!

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