江利川春雄先生による『近代日本の英語科教育史』(東信堂)は、日本の英語教育界が誇るべき学術書だと私は考えますが、その書は次の夏目漱石の言葉をもって終わります。
「英語を習って英書より受くるCultureを得るまでには読みこなせず、去りとて英書以外のカルチュアー(漢籍和書より来る)は毛頭なし。かかる人は善悪をも弁せず徳義の何物たるをも解せず、ただその道々にて器械的に国家の用に立つのみ。毫も国民の品位を高むるに足らざるのみか器械的に役立つと同時に一方には国家を打ち崩しつつあり」
夏目漱石「断片」、『漱石文明論集』pp.308-309
私たち英語教師とは現代という時代においてどのような存在足りえているのでしょうか。少なくとも私は非常に反省させられましたので、この言葉をここに引用する次第です。『近代日本の英語科教育史』もぜひお読みください。
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